ティアリーナ 8歳 剣の才媛
それから、穏やかな年月が流れて———
未来の大賢者アルフレッドはティアリーナ=フランクスという新しい名前を得て過去に転生したから、八年が過ごした。
彼女は帝国騎士団団長・アラウド=フランクスの一人娘である。
爽やかな朝日が窓に照らされていた。空に色とりどりの小鳥たちが自由に舞えている。小鳥たちの澄んだ鳴き声が部屋に伝わっていた。
鏡の中に、ティアリーナの姿が映し出していた。
八歳のティアリーナは、青空のような青色の髪に華のように明るい金色の瞳をしている。
「ティアリーナちゃんのキラキラの瞳…… 将来はきっと美人になれますよ~ 剣の稽古は早くやめてくださいよ」
「お母さん! ちゃんと約束を守らないと。私は困ります!」
(今の私はまるで子供のようだ。変化はいつからかな?)
化粧——— 前世のティアリーナと絶対に関係ないもの。
剣の稽古が認められるため。御令嬢としてきちんと化粧を勉強することを約束した。
「もう準備したか? ティアリーナちゃん~」
「はい! お父さん!」
伯爵であるアラウドが片手でティアリーナを抱き上げて、外に出ていた。
伯爵夫人であるメアリーの顔に少しい嫌な表情に表したが。屋敷の外まで送り出していた。
(ごめんね…… お母さん、あの方を救うため、剣技を磨かなければいけない!)
30分後、騎士団訓練場———
帝国騎士団——— 王城の東に位置している。貴族子弟によって構成された王族を守るための存在である。
今、にぎやかな訓練場に、いつもよりに多くの騎士たちが集まってきた。
彼らにとって、今日は騎士団の天使・ティアリーナちゃんのデビュー見たいな日だ。
「この一年間、毎日の基礎訓練を続けた。本当に頑張ったな!」
剣の空振りという基礎訓練。最初の一日百回から、だんだんと一日千回に増えていた。
これはティアリーナと父の約束——— 一年間に訓練を続けると、剣技を教える。
「はい、お父さん。約束の通り、剣技を教えてくださいよ!」
(アルフレッドさんよ。すっかり少女になったこと。たとえ大賢者と呼ばれるあなたも想像できないようね)
元々、エルフとしてアルフレッドの性別観念が薄い。さらに、これはあの方の意志だから。ティアリーナはまるきりと女性になったという事実を受けていた。心にもすっかり幼女になった。
「わかった。オレは今、剣技を使う。ちゃんと見っているよ!」
アラウドが膝を少し曲がって、両手で柄を握っている。
急に雰囲気が変わった。剣の表面に何かに覆われている。
(それはオーラだ!)
ティアリーナにとって、もうこれ以上おなじみのことはない。
赤ちゃんの時から、精神と気を融合して、オーラを作る練習。一日さえも欠かしたこともなかった。
「剣技・一閃!」
アラウドが物凄いスピードで剣を振った。白い気刃が前へ飛び出した。木製の練習用人形が一瞬で真っ二つに斬られた。
「さすが我々のアラウド様だ!」
周りの騎士たちが一斉に喝采した。
アラウド=フランクス——— 大戦時代の英雄だった。
無数なる戦功によって、国王から帝国の剣という称号を受けた。貴族末位の子爵から、一気に伯爵に昇進した。騎士たちにとって、心から崇拝している英雄である。
しかし、僅か八歳のティアリーナにとって、ただ体内のオーラを一気に放出するような感じだけだ。
「これが剣技・一閃だ。原理は筋肉で気を集めて、剣の表面に移って、放出ということだ。今まであなたにやらせた基礎訓練は、筋肉を作るためだ」
父の説明を聞きながら、ティアリーナはイライラな気持ちが燃え上がっている。オーラが放つためなら、精神と気を融合すれば良い。作られた筋肉のせいで、母に何度も叱られてしまった。
「お父さん。私、試していいですか?」
「いいよ! でも、気を付けてよ」
アラウドにとって、これは娘の好奇心だけだ。自分が剣技を身に付くため、二年以上の稽古に苦心していた。そして、娘のイライラする気持ちに全然気付かなかった。
ティアリーナが自分専用の剣を握っている。
「ティアリーナちゃん! 頑張ってくれ!」
周りの騎士たちが声援を送っている。
普通の時なら、ティアリーナがきっと天使の笑顔で彼らの応援に応じる。
しかし、天使見たいな顔の下に、不動明王のように怒りの火が燃えている。
もちろん、誰でも気付かなかった。
(もう! お父さんのバカ!!)
ティアリーナが全身の精神と気を融合して、物凄いオーラに覆われている。オーラがだんだんと剣の守りに集まっていた。
「あ、あれは! 何だ!」
一人の騎士が驚愕な表情で、驚きの声がした。
アラウドと騎士たちがやっと気づいた。
ティアリーナに握られている僅か30㎝の子供用木剣が、既に3m以上に伸ばしていた。剣身に眩しい光が輝いている。
「剣技・一閃!」(私の一年を返して!)
ティアリーナが剣を横にして、渾身の力で振った。凄まじい斬り味の気刃が前へ飛び出した。気刃の周りに強い風が吹いた。建物の壁に築いていた石さえ、ぐらぐらした。
木製の練習用人形だけではなく、後ろに立っている逞しい木さえも一緒に二つ切られていた。
場にいるすべての人が信じられない事実で目を見張って、唖然してしまった。
ティアリーナが「フ~」と息を吐き、ほっとしたように、天使の顔に戻ってきた。
自分の我が儘によって起こった事態を見って、幼女のように慌てってしまった。
(不味い! やりすぎちゃった! なんで私は気ままに怒ったのよ! どうしょう!)
「おおおおおお!!!」
「さすが英雄アラウド様の娘だ! 我々の天使・ティアリーナちゃんだ!」
ティアリーナがまたどうやって誤魔化すことを思考する時。周りの騎士たちが大声で歓呼した。
アラウドが両手でティアリーナを空に上げている。
「さすが私のティアリーナちゃんだ! アハハ!」
この時、ティアリーナはやっと気づいた。お父さんはバカだということに……本当に良かった。
その日から、僅か八歳の伯爵令嬢ティアリーナ=フランクスが「剣の才媛」と呼ばれ始めた。
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