ティアリーナ 15歳 世界の真相2
ティアリーナがシアを連れて、屋敷から出る。
ミユーが既にここに迎えている。
トラ族のミユーは変化が一番大きい人である。かつてのティアリーナより低い猫耳の少女が既に身長170センチを超え、力を持つ野性的な美人になった。
今はティアリーナの護衛を務めている。
ティアリーナによると、ミユーが傍にいると、心強くなる。
三人が馬車にのる。
「パ!」と鞭の声とともに、馬車が王宮に駆け出した。
一時間後、宴会場———
王室主催の定期パーティー———
上位貴族の子女たちに向けている月一度のダンスパーティーである。
男爵令嬢のイリスがここに来られないためを思いながら、ティアリーナが凄くいい気分を感じる。
宴会会場には、壁際に沿って並べられている台の上に、様々な装飾品が置かれている。金色の糸で作ったカーペットが床に覆われている。華麗な身なりをしている貴族たちが歓談している。
ティアリーナは伯爵令嬢ですが。あんまり社交界に興味がないため、このようなパーティーがほとんど出席しなかった。そのため、彼女とセレスティアが一度も会えなかった。
ジクーロイドがまだ来られなかったため、彼女が一人で隅に座っている。がっかりした。
「あの? あなたの顔色が悪いですから。具合は大丈夫ですか?」
ある御令嬢が素敵な水色のドレスを纏いている。ルビーのような鮮やかな長い髪に花形の髪飾りを付いている。すべてを包容している大空のような青色の瞳をしている。女神のように優しい顔でティアリーナに声をかける。
(この声は!)
この声はティアリーナにとって、懐かしくて切ないものだった。大賢者アルフレッドが過ごした780年の人生に、約半分の時間が声の持ち主と共に経ていた。
ティアリーナが彼女は世界樹様であったことを確信した。嬉しくてたまらなかったため、きらきらしている金色の瞳から涙を流れる。
御令嬢はティアリーナが泣いていることに気付き、慌ててハンカチで涙を拭きてあげたいが。近づく前に、彼女がまるで奇跡を見たように驚喜する。
「ルイ! ずっと会いたかったよ!」
ルイで誰! 世界樹様は何をおっしゃったのか? ———ティアリーナはすっかり混乱してしまった。
御令嬢がティアリーナの手首を握って、更なる大きい声で呼びかける。
「ルイ! 私はエリよ! 私のこと忘れたのか!?」
「ティア!」
慌てふためいてしまう時。ティアリーナがまるで希望のような声が聞こえた。
ティアリーナが御令嬢の手を振り払い、ジクーロイドの腕をしがみつき、後ろに隠れる。
実は、彼女も自分の行動を理解できなかった。
何故世界樹様の手を振り払ったのよ! せっかくのチャンスなのに! 怖いか? 後悔か? ———ティアリーナの頭が徹底的に混乱してしまった。
「ごめんなさい…… 私はわざとではありません」
「大丈夫よ。セレスティアさん」
ジクーロイドの出現は、さっきの気まずい局面を緩和した。
この御令嬢こそ、第一皇子の婚約者・セレスリア公爵令嬢である。
彼女によると、ティアリーナとある友人がそっくりしたため、人を間違ってしまった。
「それなら、大丈夫ですよ。セレスリア様。私はティアリーナ=フランクスでございます」
しかし、ティアリーナが思わなかった。極普通に見える自己紹介で、セレスリアがもう一度驚きされた。
「フランクス!? 騎士団長のフランクス伯爵家ですか!?」
「はい。父が騎士団長を務めています」
「なら、お兄様のクライス=フランクスさんは来なかったですか?」
この方が何をいらっしゃったのか? 私は一人子よ! イリスさんだけではなく、この方も! ———過度な驚き慌てるティアリーナが、再びジクーロイドの後ろに隠れた。
「何を間違ったのか? ティアは一人子だ」
「嘘!」
セレスリアが事実を聞き、顔が愕然とした表情が露わになった。ごく普通のことが彼女にとって、まるで常識が破られてしまったようだ。
「セレスリア! あなたはまた人に迷惑を掛けたか?」
セレスリアと同じ青色の瞳をして、落ち着いた琥珀色の髪をしている男性がこっちに向かって来る。
「ジクーロイド様。そして、ティアリーナさん。妹の無礼について、お詫び申し上げます」
「構わない、人の間違いはたまにあるよね。ところで、兄さんと一緒じゃないか?」
「さっきはまた一緒ですが。……」
この男性では、セレスリアの兄、レオン=アックス=ミリアムである。
話はやっと別の方向へ行ったため。セレスリアはその後ずっと意気消沈してしまう。
やはり、私のせいで、彼女の気分が落ち込んでいる ———ティアリーナが自責する。
初めての出会い、このままで終わってしまった。
ジクーロイドは彼女を心配するため、伯爵邸まで送っている。
「ごめんなさい。ジク様、私のせいで、皆さんに迷惑を掛けてしまいました」
「ティアのせいじゃないよ。もう大丈夫だ」
家に帰ってきたティアリーナは、一人で窓の前に夜空を眺める。
『ルイ』『エリ』——— まったく聞くことのない名前。そして、セレスリアとイリスは何故一人子の自分に兄がいると思うか? 『クライス=フランクス』という名前まで言ってしまった。 ———ティアリーナの気持ちは、乱れている満天の星々のようだ。
「お嬢様。報告があります」
ティアリーナは思考のスパイラルに陥ってしまう時。隅の影からルイズの声が響いた。
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