アルフレッド780歳
初めまして、水無月コトキです。
投稿開始しました。
初日は一時間三話投稿します。
では、これからよろしくお願いいたします。
空が暗雲に覆われている。かつて雲上に聳える山は既に風化でガタガタになった。
400年前に、覇王ジルウェートが倒した後、生き残った人類の手で造られたにぎやかな街も既に廃虚になった。
雲上に聳えている巨大な樹木の前に、一人の男性エルフが周りの光景を眺めている。
金色の長い髪が凄まじい風の中に靡いている。
「あぁ…… 吹き荒れる嵐がまだ起こっているか? 今日はもう三回目だ」
凄まじい嵐の凄惨な声を上げている。まるで、亡霊になった人々の鳴き声のようだ。
「私はバカだな」
50年前に、人類という生命体が既に絶滅した。
「やはり、年を取って、記憶力がだんだんと衰退したよね」
大地の揺れが始まった。そして空を覆われている暗雲の中に、無数なる隕石が次々と地面へ衝突していた。
「そうですか…… 天上界の崩壊も始まったか?」
すべての光景は世界終末のようだ。
しかし、世界終末の光景を見て、彼の心には僅かだけの波動もない。
「私はいつから無感情な人になったのか?」
「仲間たちが死んだ時…… かな?」
「まぁ…… このようなこともう考える必要はない」
「どうせ、世界の崩壊まで、あと僅かだ……」
世界終末の光景を見て、彼の顔に僅かな変化でもない。後ろの洞窟に入り、彼以外唯一生きている生命のところに来た。
かつて青々とした樹の根がもう枯れてしまった。
「アルフレッド…… か?」
すべてを包容するような優しい女性の声が響いている。
「はい。世界樹様。世界の崩壊は既に始まりました」
「そう…… ですか。妾の使命がようやく…… 終わりますか……」
彼女…… いや、この方は世界樹である。3000年の前から、ずっと世界を支えている存在である。
400年前に、アルフレッドは勇者一行と共に覇王ジルウェートを倒した後。最強の大賢者の称号を得た。
僅か十数年の間で、人の世界を高度な発展していた。魔力科学というエネルギーの利用によって、人々の生活が良くなった。しかし、自然界の生命がだんだんと減っていた。
あの時から、世界樹の枯れることが始まってしまった。
360年前、かつての仲間たちが全部亡くなった後。人類に失望したアルフレッドはここに来て、世界樹に奉仕し始める。
アルフレッドの人生に、一番楽しかったのは世界樹と一緒に過ごした360年間であった。
「アルフレッド。すべてが無になる前に、最後の願望があります…… か?」
感情さえ失わってしまったアルフレッドにとって、願望というものは贅沢だった。
しかし、奇跡のように、アルフレッドが心臓の波動を感じている。
「世界樹様! 私はずっと疑問を持っています」
「疑問? 面白い! どんなことも教えますよ!」
今の世界樹様がまるで活気に満ちている少女のようだ。
アルフレッドにとって、まるで別人のようだ。
「貴方様は… 世界樹になることに… 後悔したことがありますか?」
3000年前に、まだ人間の彼女は世界の存在を維持するため、生贄として神に捧げられて、世界樹になった。
「後悔ね…… ずっと後悔しているよ! やり直せるなら、そんなことは絶対にしない!! …… 残念、転生の力が自分に使えない……」
(私は何故今まで聞かなかったか? 一度でもいい! このような彼女と会いたい! いいえ! 彼女を救いたい!!)
僅か数秒間の間に、アルフレッドは既に彼女を救える決心をした。
「世界樹様! 私の願いは、3000年前に転生することです!」
「マジ! 嘘よね! 何のため?」
「貴方様を救いためです!!」
「アルフレッド…… 私を救う…… なの…… いいよ! あのバカみたいの私を目覚めさせてくれ!!」
世界樹の躯幹が久しぶりに生気に満ちている緑色の光が閃いた。
その暖かい光がアルフレッドの全身が覆われている。
「頼みますよ! アルフレッド!」
「私に任せてください! 絶対に貴方様を救えて見せます!!」
アルフレッドの姿が光の中に消えた。意識がだんだんと薄くなった……
「全然思わないね~ 堅苦しいエルフのアルフレッドがそんなことが言えるなんて~ 360年の間、ずっと私を守ること。ありがとうね!」
「そして、サプライズを期待してね~」
…………
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