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社交界へ。・・・早くないです?

遅くなりました。どれだけ閲覧数が伸びようとも、マイペース更新は崩しませんが。

 月日が経つのは早いもので、三年が経ちました。領地問題は全て解決し、国王陛下への報告は済ませています。勿論、全て私の名前ですよ?案を出したのも実行人員を手配したのも私ですし、報告を受けたのも都度修正策を考えたのも、全て私です。

 馬車で数日という場所なら、何度か直接顔を出しています。伯爵家嫡子と伝えた所、民からは驚きの声も上がりましたが。領主家の者が直接現れたら、それは驚きですよね。出てきたのがまだ十歳そこらの子供ですから、尚更です。


「王城での夜会、ですか?」

「うん、もう十三歳だしね。陛下から、一家揃って名指しでのご招待だ。ディアンサには社交界デビューになるのかな?」

 何ということでしょう。前世でも未経験だった社交界デビューが、何故か王城での夜会です。しかも陛下直々のご招待。もし断るなんて真似をすれば、逆賊扱いの案件ですよね?

 お父様はもう十三歳と言いましたが、正確にはまだ十三歳だと思います。貴族の社交デビューは十五歳が基本だと思うのですが、どうでしょう?あ、お母様も苦笑いです。出不精な方ですし、行きたくないのですよね?ご安心ください、私もです!

「呼ばれているのはディアンサと旦那様だけでしょう?それなら、私は行かなくていいですよね?」

 考えているうちに、背中から撃たれています。まさかお母様、私を囮にして逃げ出す気ですか?そうはさせません。

「お母様が来てくださらないと、知らない人ばかりの所は怖いです・・・。お父様はずっと一緒にいられるわけではないのでしょう?」

 王城での夜会となれば、上級貴族の殆どが来ているでしょう。そうなれば、お父様はそちらへも顔出しやら交流やらでお忙しいはず。そんな場所で退屈しないわけが無いので、私は放置される事間違いなしです。

「うん。そもそも僕ら三人、揃ってご指名だからね。ドレスを誂える必要もあるし、二人とも出掛ける用意をしてね」

 演技の必要もなく、お母様も出席確定です。可愛い娘を囮にしようとした罰ですし、甘んじて受け入れてくださいね?


 新しいドレスは、フリルも付いていないとても単純ですが、可愛らしく纏められた意匠でした。私の年齢に合わせているのか、華美ではなくとてもシンプルですが、可愛らしい見た目となっています。流石王都一の服飾専門店、デザイナーさんも一流揃いのようです。

「お父様、お母様。如何でしょうか?」

「流石はキッレージ服飾店、良い仕事をしてくれる。まるで妖精のようだよ」

「ええ、とても可愛いわよ、ディアンサ。こんな可愛い娘を連れていたら、私なんかじゃ霞んでしまうわね?」

 お母様は往生際悪く、まだ夜会をすっぽかそうとしています。私が巻き込まれるんです、一人だけぬくぬくとさせるものですか!

「お母様のドレスも、とてもお似合いですよ。是非とも夜会の場で、お父様と踊る姿を見てみたいです!」

 実はこの夫婦、王国でも随一と言われる美男美女カップルなのです。お母様はどこぞの侯爵家からのお声がかりを無視し、お父様と結婚されたそうで。姿絵を見させていただきましたが、そちらも負けず劣らずの美男子でしたよ?個人的な好みではお父様の方が好きですが、お母様も同じ考えだったそうで。

「だって、侯爵家よ?仕来りだなんだと、先代が煩いに決まってるじゃない。子供は多い方がいいと、外に堂々と愛人を作るわ、滅多に家へ戻らないわだし。子供が出来ても乳母に預けさせられて、場合によっては産んでから一度も会えなくなるのよ?そんな家に嫁がされる位なら、爵位は下でも自分なりに生活出来る方がいいわよ」

 あー、そういえば今時の侯爵以上の爵位を持つ男性は、愛人さんが最低五人はいらっしゃるそうですね。愛人の数が財力の証で、知られている最高記録では三十人だとか。・・・毎日別の女性といても、一月分ですよね?毎回夜会の度に別の女性を連れてくるから到底覚えきれないと、王妃様もボヤいてましたっけ。

「愛してくださるし、毎日お顔を見られるから安心だわ。でもね、夜会がどうしても面倒なのよ・・・。駄目?」

 可愛らしく小首を傾げる様は、とても愛らしいです。でもそれはそれ、これはこれ。夜会は貴族の嗜み、義務なのです!十三歳でデビューさせられる子供もいるのですし、諦めて出席なさってくださいね?

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