撃退。巻き込んで正解でした。
二人を応接室へ案内させ、私も急いで向かいました。生憎側近も含む使用人が全員仕事中の為、私一人で対面です。護衛位はと思いましたが、人手が足りないので、最低限の警備を除いて、そちらも事務作業に充てている状況です。誰一人いるわけなく・・・。何処で間違えたのでしょうか?
「先触れもなく、突然の来訪、誠に申し訳ない。子爵に急ぎの頼み事があり、こうして来させていただいた」
部屋に入るなり、二人に頭を下げられました。ちょっと待ってください、公爵の現当主からそんな事をされたら、かなり気まずくなるじゃないですか!?
「こうして顔を合わせるのは、初めてだったか。イェリング家当主、ダグラス・イェリングという。ブルムント閣下には顔つなぎで来ていただいた故、本来の依頼は私からの物となる旨、了承願いたい」
確かに以前からイェリング家との交流は無かったと思います。カミーラはあまり後宮から出なかったので、社交界へのデビュタントすらしていませんし。夜会が主な交流の場であったイェリング家とは終ぞ、顔を合わせる事が無かったのです。
「ご挨拶が遅れました。マーネイン子爵家当主、ディアンサ・クロード・マーネインでございます。立ち話というのもなんですので、どうぞお掛けくださいませ」
依頼というのは、東国との通商に関して、商会間の仲介を行いたいという事でした。イェリング家の縁戚が通過地点となる領にいるそうで、そこも商会経営をしているのだとか。そこから連絡が来て、何故うちに何の話も無いのか、東国との通商なら中間点にあるうちの所に是非仲介をと、せっつかれたそうで。
「あれ程の規模で工事をしていれば、何かあると感付くのが商人というものです。自慢話となってしまう所はありますが、商会規模として王都周辺のそれと並ぶとも劣らないものと思います」
中継ぎとなる所があれば、流通や在庫管理にも役立ちそうですね。・・・そう考えるのが、彼らの思惑でしょうが。
「それで、そちらでは何割の利益を目標とされているのでしょうか?現在選考対象としている商会では、一割で引き受けてくださると確約を得ておりまして。二箇所に絞り込んだのですが、どちらもこの領内に拠点を置き、運営にも協力をしてくださっています。他領の商会との事ですが、私共に対し、何をしてくださるのでしょう?」
この事業は私の領地から始めたもので、国や他からの資金は一切集めていません。お父様からは交流も兼ねて資金援助をしては、と提案もありましたが、そんな事をすればこういった集りが増えると予想していたのです。これ以外にも既に来ているので、無意味でしたが・・・。
公爵には申し訳ないですが、子爵領だからと他からの食い物にされるのは御免です。やる気なら相手になりますよ?こちらは一先ずですがブリング男爵家、アダムス侯爵家、モーラン侯爵家が味方してくださいますが、覚悟はよろしいでしょうか。弱小貴族だからと侮るようなら、草木も生えない位まで焼け野原にして差しあげましょう。




