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戸惑い、悩み

頑張った。

相棒やら何やら観つつ頑張った・・・。

「まあ、あなたの思惑はどうであれ、計画そのものに罪は無いわね。ちょっとここに座りなさい」

 言われた通りに膝の上へ座ると、頭を撫でられました。あ、何か懐かしい感じです。

「姿は違うけれど、あなたはカミーラでもあるのよね・・・。狡賢い所も、あの子そのままだわ。私を母と思えないのは仕方ないとして、もう少しこうしていいかしら?」

 頭を撫でられるとふにゅう、と声を出してしまいました。朧気ながらも記憶にある、温かい手。何度味わっても趣深い、大変良い物です。

「あなたには驚かされてばかりね。カミーラなのかディーなのか、ちょっと分からなくなってきたわ・・・」

 言いながらも、頭を撫でる手は止まりません。あ、そういえば聞きたい事があったのでした。

「一つ、お伺いしたい事がありました。何故私・・・ディアンサと王女様の顔立ちが、似通っているのでしょうか?私は間違いなくディアンサ・クロード・マーネインであり、王家との繋がりは無いはずなのですが・・・」

 更に言えば、お母様と王妃様にも若干ではありますが、似ていると思う事が度々あります。何となくの予想はついていますが、だとすれば今の地位が不思議な物となるのです。

「いつか聞かれるとは、思っていたけれど・・・。あなたの母親、ローサは私と姉妹関係にあるのよ。ローサは異父妹で、私の母が愛人と作った子供なんだけれど」

 王妃様の実家は侯爵家で、王都の学院で見初められた為に結婚されたそうです。当時は色々な人が猛反対したと聞いています。

「あの子が伯爵家に嫁ぐと聞いた時は、実家も反発したそうよ?侯爵家とはいえ爵位は母親の物だから、後継者がいなくなる、と言って。私がいた頃は邪魔者扱いだったというのに、酷い話よね」

 お母様は確か、元々侯爵家の出だと言っていましたっけ。という事は、姉様方は本当に姉様だったという事でしょうか?

「だからね、私はあなたの伯母にあたるのよ?カミーラがマーネイン家に生まれ変わるなんて、奇跡としか言えないわね・・・」

 抱き締める力は強くなりましたが、不思議と痛くありません。カミーラとしての自分は少しずつ切り捨ててきたつもりですが、涙さえ出そうです。

「お母様。最近ではカミーラとしての記憶が、若干薄れつつあるのです。それでも陛下───お父様やお母様、お姉様方に愛されていたという事は、忘れたくありません。私達だけの時は、昔のように・・・お母様と呼んで、構わないでしょうか?」

 前に学んだ事は覚えていますが、家族としての思い出は今の物に置き換わりつつあります。それなのに当時の温もりや温かさは、体が覚えていて・・・。何故か、自分が二人いるような感覚に陥っているのです。それがどういう事なのか、自分でも分からないのですが。

「勿論、と言いたい所だけれど・・・。喜んでいたら、ローサに怒られてしまうわね。あなたの母親はローサ・マーネインであって、私ではないわ。だからその呼び方は、あの子だけのものよ」

 長居出来ないから、と王妃様は帰られました。何でしょう、胸にぽっかりと穴が空いたような感覚は?今は無性に、お父様とお母様会いたいです・・・。

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