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ちょっと一息。・・・出来ません

遅くなりました、反省はしてます。サルが悪いよ、サルが。

「地下牢とはいえ、流石に王城にあるような物とは比べ物にならん。大体は隙間だらけじゃし、造りも甘い。鍵はかかっておるから、まずはその対処法からじゃな」

 そう言って取り出したのは、大小様々な錠前でした。次いで針金等の細長い金属が出てきます。あー、何となく想像が出来てしまいました。

「この類の錠は、細い金属一本で簡単に開けられる。幾つかコツはあるが、慣れれば数分もかからずに開けられるんじゃよ」

 その為に、針金は小さなヘアピン状に加工してあり、色も個人に合わせて作れるんだとか。うーん、鍛冶屋も色々と考えるものですね。


 練習が始まってすぐ、お爺様の超厳しい部分が判明しました。出来るようになるまで休ませてくれませんし、とりあえずやってみろという教え方なのです。・・・さっぱり分からないです。

「錠には構造があっての、内部には何本かのピンが通っておる。鍵がその下を通過する事でピンが押し上げられ、筒状の部分が回る、というわけじゃな」

 お爺様の説明を頼りに、ヘアピンを上へ押し付けながら動かします。すると僅かな手応えと共に、抑えていた筒状の部分が回っていきました。

「これが一般的な錠の開け方じゃ。中にはちょいと特殊な物もあるが、大体は同じ要領でな。感覚を忘れんうちに、これ全部やってもらおうかのう?」

 そう言って、片隅にあった箱をひっくり返してきました。ガラガラと音を立てて、大量の錠前が出現してきてます。・・・全部って、正気でしょうか?


「はふぅ・・・疲れました・・・・・・」

 執務室で垂れていると、ジェシファが紅茶を持って来てくれました。領内で品種改良に成功した種で、今では王都貴族向けに輸出している物です。癒されますねぇ・・・。

「寛いでいる所に申し訳ないですが、来客です。というか、もうそこにいらっしゃいます・・・」

 嫌な予感がして見てみると、お父様とお母様がいらっしゃいました。え、最近は何もしでかしてないですよ・・・?

「父様が来ていると聞いて、こっちへ来たのよ。ちょっとした用事もあったから、気にしなくていいわよ?で、父様は?」

 おかしいです、顔は笑っているのに目が笑っていません。お爺様、何かやらかしたんでしょうか?

「ディアン・・・、なんじゃ、二人も来ておったのか」

「父様、私達が来ている事がそんなに不思議ですか?ご自分が遊び歩いている割に、随分なお考えですわね。当主が戻らないと、そちらに来ていないかという問い合わせが、こちらへ来ていますよ?」

 ・・・慌てて目を逸らすお爺様に、つい共感してしまいました。そういえばここ一週間、ずっと滞在してらっしゃいましたっけ。ラウールも泣き言を漏らしてましたね、無視しましたが。私の快適な生活の為、頑張ってもらいました。頑張ってラウール、私専属の護衛はあなたに決めました!

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