軟禁中、襲撃されました。
当面、投稿ペースが落ちる予感。
え、別に待ってない?それを言っちゃあおしまいよ!
「うーん・・・。基本骨子は出来ましたけど、まだまだ足りないんですよね・・・」
執務室───という名の自室。勿論ベッド有り───には今、大量の資料が散らばっています。思い付いた施策を書き出し、資料と見比べて使えるか否かを選別する、という作業の為です。書き出していくにつれて、どういった手が考えられるか、徐々に見えて来たのですが・・・。
「お嬢、大旦那が来てるぜ?今応接間で待ってる」
ノックの後、扉の向こうからラウールの声がしました。大旦那という事は、お爺様でしょうか?お会いするのは随分と久しぶりですね。
「おお、元気───そうではないな。久しぶりに会えて嬉しいぞ、ディアンサよ!」
歳に合わない立派な体で、思いっきり頬擦りしてきました。髭が痛いです・・・。
お母様方の祖父で、伯爵位にあるお爺様は、今の国王軍の団長補佐という地位にあります。実質的な団長であられるブリング男爵の部下ですね。・・・部下の方が爵位が上って、ちょっとやりづらいと思いますが。上司が英雄的存在ですし、どうにかなっているのでしょう。
「久しぶりにアダムスの所へ行っていてな。領へ戻ろうと思ったんじゃが、最近会えずにいた孫娘の顔を見ておきたいと思っての。方向を変えてこっちへ来てみたんじゃ」
はて、お爺様とアダムス侯爵にどういった繋がりが?文官である侯爵と武官のお爺様では、あまり関わりが無いように思うのですが・・・。
「ああ、アダムスは学院の同期でな。儂は座学がからっきしでの、あいつにはいつも世話になっておったのだ。当時の恩返しも兼ねて、時折酒なんかを差し入れてるんじゃよ。息子に家督は譲ったといえ、現役で残っておる仲間は、数少ないしのぅ・・・」
私の疑問に答えてくださったお爺様。その表情は少し寂しそうで、いたたまれない空気になってしまいました。
「気にするな、と言っても無理な話か。戦争があったんじゃ、仕方あるまい。儂も敵兵を何十人と斬っておる、その中には同じく誰かの大切な人がおったじゃろう。そうせねば、儂も大切なものを守れんかった。そうして今、大切な孫娘をこうして抱きしめていられるんじゃしの」
そう言ったお爺様の瞳には涙が浮かんでいて、少し悲しそうに見えました。思えば初めてかもしれませんね、お爺様の涙は。抱きしめられた所はとても温かく、気持ちいい感触でした。
「そういえばあの街道は、ディアンサが整備させたんじゃったか?馬で駆けても快適とは、王都かと錯覚してしまったわい」
そうでしょう、そうでしょう!敷石の段差を無くし、馬車はもちろん徒歩でさえも疲れ難くした、職人達の自信作なのです。継ぎ目は石灰と火山灰、海水を混ぜた物で固めていて、それさえ可能な限り水平になるよう工事をしていったのです。これを街道全てに施行する事が今の目標で、その為にも他の問題を片付け始めた所です。
まだ一部の地域と領都でしか施工出来ていませんが、予算確保は順調に進んでいます。視察に出掛けられていません、一度も・・・。執務室で寝起きして、昼食夕食もここという状況、どうやって解決しましょう・・・。




