たまには反省します。
遅くなりました。新年早々、インフルエンザに感染していました。皆さんは大丈夫でしょうか?
「うーん・・・」
「ディア、唸り声なんてあげてどうしたの?」
書類との格闘を続けていたら、姉様が散歩から戻って来ました。もう四日目ですが、公務に支障は無いのでしょうか?ああ、下姉様に押し付けたんですね・・・。可哀想な下姉様です。え、片棒を担いでいる私が言うな?ごもっともです。
「街道の整備は済んだのですが、流通量が伸び悩んでいるのです。流通業を担っている方々から、そういった相談が幾つか来ていまして」
うちの領地では、領を跨ぐ荷運びは完全な許認可制度を採用しています。二年に一度の審査を行い、馬車や会社に不具合があれば取り消す予定です。安全確実に荷物を必要な所へ送り届ける、それがとても重要な役割ですからね。
業者の数が多すぎていれば放置する問題ですが、実際はそうではありません。両手で数えられる数なのに、運搬業がそれ程賑わっていないのです。何故か最近になって整備した、海運業の方に荷物の大半が移行してしまったのです。
「内陸部への運搬は、馬車でなければ出来ないけれど。王都なら近くの港へ運び、そこから馬車の方が早そうね・・・」
海に面した土地というのが仇になったようです。幸いにも即座に立ち行かなくなる程までの減少は見られませんが、これではうちの領へ入ってくる物が減ってしまいます。これは早いうちに、手を打つしかありませんね・・・。
というわけでやって来ました、港町。思い立ったら即行動が私の信念である以上、立ち止まる訳にはいかないのです。・・・書類に飽きたというわけではないですよ?多分、きっと、恐らく・・・。
「うーん、特に大きな船が入ってる訳でもないですね。港の規模からしても、一度で運べる量は馬車三台分でしょうか?」
船の仕様書を見ながら、順番に視察していきます。手元に来ている航行計画と違いは無く、おおよそは予定通りに運搬が進んでいるようでした。計画書の段階で、輸出品の大半を海運に回している、という事に気付いていれば・・・。
「遠方への輸出は、海運に任せましょう。王都を含む、近隣領への運搬は陸路で賄ってください。日持ちする物、壊れ物を除く物品は馬車の方が結果的には売上も伸びるでしょうし」
話を持って行ったのは、街にある管理組合です。各水運業者の取り纏めを行う組織で、運搬計画や航路作成、それらの提出や従業員の税金の管理までを一括で行う所です。ええ、セバスに教育させましたよ?説得が大変面倒でしたが。
取り敢えずですが、陸運と海運の住み分けについては目処が付きました。国のほぼ全てが海に囲まれているとはいえ、港が整備されている地方は少ないのです。陸路を行く方が結果的に早く到着する、という地方も少なくありませんし。港の整備と並行して、その辺りも講習会をするべきでした。うん、次回に活かしましょう。
併せて、書類監査の見直しも行います。今回の事は、監査で気付いていれば起きなかった問題なのです。計画書の提出から私の手元に回る段階までで、輸出量や品目との突き合わせが必要でしょう。何故やらなかったか?・・・私のせいです、間違いなく。ちょっとだけ、外出は自重します。




