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書類仕事。量産されてます・・・

苦しみのクリスマス終了。恒例の遅くなりました。

「姉様、着きましたよ?」

 領主邸に着いてもまだ、姉様は熟睡していました。足が痺れて、上手く立てないです・・・。

「ごめんね、ディア。すっかり眠っていたわ。お詫びと言ってはなんだけれど」

 抱き抱えられた私は、姉様の顔を見上げる恰好です。これ、いわゆるお姫様抱っこでは?!・・・女性同士というのも、なかなかに良いものですね・・・じゃないです!ほら、使用人の皆さんがこっちを恥ずかしそうに見てますから。でもちょっとだけなら、甘えてもいい、ですよね・・・?


「・・・ディア、いつもこれを一人でやっているの?」

 執務室には、書類の山が三つ程ありました。束ではなく山、ここが重要です。椅子に座ると、姉様の姿が見えない位に積み上げられていました。

「最近は少なくなってきましたね。領内の大きな工事はほぼ終わったので、予算関連の書類は少なくなってきましたから。ゼノア、これとこれ、担当者に突き返してください。重要な箇所が抜けているのと、誤りが多すぎます。この金額なら、他の業者に任せるとまで言って構いません」

 以前は任せていた部分もありましたが、今では認可申請の書類は私が処理しています。放浪したいのもありますが、やるべき事をしなければまたセバスの恐怖が待っているのです。

「ケイト、調査の為の人員を編成してもらえる?山岳部の村で、最近収穫が落ちているみたい。土壌なのか気候なのか分からないけれど、問題点があるなら修正してほしいの。それについては全権代理として任せるわ」


 山を二つ片付けると、姉様は何かを集中して読んでいました。背表紙の色からすると、決算書でしょうか。役場で公開されていますし王宮にも提出している物なので、読まれて困る事はありませんが。あれ、そんなに面白い物だったでしょうか?


(ふうん、これは確かにお父様が気にする訳だわ。住民当たりでなく、所得に対して課税したのね。仕組みとしては簡単だけれど、大抵は制度化で躓くはず。それを解決したのが、この人口調査という事ね。各地の定住者と宿泊者の区分を明確化させて、それぞれの収入を報告させる。事業者が報告を上げ、給与から直接引く事で取り逸れる事も無い、と)

 商店主や職人は何かしらの抜け道を考えているでしょうけれど、保障を見ればそれが愚策だと分かる。課税金額によって、通行税や医療費に対しての実質的な軽減措置が取られているから。

 大店であればある程、この通行税の値引には心が惹かれる。他領から商品を仕入れる際、若しくは売却時に一定の金額を支払わなければいけないのだから。ましてここは鉱物資源の産出が無く、他から仕入れなければならない。利益に直結する以上、所得税とこれらを天秤にかければ、どちらを選ぶかなど考える間でもないでしょうね。

 ふと顔を上げれば、ディアの顔が見える。入れ替わりにやって来る使用人達へ指示を出し、山とあった書類を片付けていく姿。そこに病弱だったカミーラの面影は無いけれど、あの子が確かにいると感じた。何となくだけれど、その横顔が似ていると思ったんだ。

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