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どうしてここに国王が?

 順調に進んでいる領地改革ですが、流石に成長速度が少しずつ衰えてきました。基本的な事を進めてきただけなので、そろそろかなーと思ってはいたのですが。

「お嬢様、お客様です。その・・・陛下とその御家族が」

「はい・・・?」

 耳を疑います。何の前触れも無く、国王一家が辺境の地に現れる訳がありません。でも、家の使用人は全員がここの国民であり、国王の顔を覚えていないはずがないですし。んー、考えても分かりませんね。とにかく出迎えに行ってみましょう。


「急な来訪にもかかわらず、丁寧な対応を感謝しよう。今更自己紹介など不要だな?」

 人払いを済ませ、執務室周辺からは人の気配がしません。私と国王一家、総勢五名だけです。流石に屋敷内にはいますよ?

「会いたかったわよ、カミーラ!」

 王女二人に抱きしめられ、王妃の膝に座らされています。何でしょう、この状況は?誰か説明してください・・・。

「まあ、予想は付くだろうが。領地の急激な発展の現地調査が目的だが、妻と娘らが会いたいと熱望してな。ここへ来るまでに、街道の方はあらかた見てきたが」

 あ、やっぱりですか。ついでと言ってはなんですが、前任の領主について詳しい話を聞きたいというのもあるそうです。手紙には詳細を書いていませんでしたね・・・。


「そうか・・・。本人の供述と一致する所も多く、話に偽りは無さそうだな。それについては後程、誰かに早馬を出させよう。罪状が確定した以上、牢に繋いだままでは税の無駄であるからな」

 供述というより拷問ですよね、きっと。領主という権威を悪用して、口にするのも耐え難い悪行三昧だったようですし。会ったことはありませんが、醜く肥太っている姿が想像出来ます。え、会う気も無いだろうって?そんなの当たり前じゃないですか。

「そんなのどうだっていいわよ!カミーラ、久しぶりに遊びましょう?のんびりとお茶でも飲みながら、色々なお話がしたいわ」

「姉様、ずるいです!一緒に行きたいと最初に言ったのは私なんですから、カミーラの独占権は私にあるはずですよ!」

 当人を置き去りに、王女二人が喚いています。それを横目に王妃の抱きしめる力が若干強くなり・・・。あのー、本人の意思とかそういうのは、無視なんでしょうか?

「二人とも、はしたないですよ。仮にも王家に連なる者が、醜い争いなどしてはいけません。ここは一つ、三人でお話しましょう?」

 流石の貫禄です。でもですね、私にも用事というか、やりたい事がありまして・・・。え、王家優先?そうですか、そうですよね・・・。


 三人との会話は、若干疲れました。どこの貴族嫡男がかっこいいやら、最近は国王の態度が冷たい、といった内容ばかりでしたし。これならお父様やお母様と他愛のない雑談をしている方が、圧倒的に楽しいですね・・・。

 そう、最近ではこの方達を家族と思う事が減ってきたのです。最初こそカミーラとしての記憶が強く、王女の事も上姉様と下姉様という認識でした。でもそれが徐々に薄れてきており、ようやくではありますが、私もマーネイン伯爵家の一員なのだと、自覚出来るようになったのです。・・・本当、今更という感じですね。

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