領内大改造。何と言うことでしょう。
それから何度か領内散策を続けたところ、結構な箇所で街道の整備が出来ていない事が分かりました。馬車で通っただけでは見えてこなかった問題が、はっきりと見えてきたのです。
それなのに、代償は払わされました。そうです、セバスという名の悪魔がやって来るようになったのです。しかも事前連絡無し、発見され次第礼儀作法の猛特訓という・・・。誰でしょう、こんな事企んだのは・・・。え、護衛すら連れて行かず、しかも書類仕事を怠った私が悪い?いやいや、主人を悪魔に売り飛ばす使用人が悪にきまってます。そうです、多分、おそらく・・・きっと。私はちゃんと仕事をしていたので、悪くないはずなんです。
「そんな言い訳が通じると?さっさと戻って、作法の特訓をしましょうか」
今日も今日とて、セバスにひっ捕らえられました。解せません。何故私が行く場所に先回りされ、到着し次第捕まっているのでしょうか?
「お嬢様の行く場所は、我々の間でも問題点があると判断されている場所ばかりですから。自分の目で確かめるという事は大変良いですが、せめて護衛はつけてくださいね?」
ゼノアからそう言われ、なるほどと思ってしまいました。確かに、行先が単純すぎたかもしれませんね。・・・帰ったら地図を広げて、一人作戦会議といきましょう。まだまだ、自分の足で見て回りたい所はあるのですから。
「というわけで、街道の整備を急ぎます。領内の予算で足りなければ、私の個人資産を使用してもいいからとにかく急がせて」
「何がというわけなのか分かりませんが、了解しました。陛下からの送金も無事受け取りましたし、予算は十分あるでしょう。どの辺りから始めさせましょうか?」
ため息を吐きながらも、ナーザスはいつも私の考えを汲み取ってくれます。でも残念、まだ修行が足りませんね!
「私は急ぐ、と言ったのよ?どの辺ではなく、領内の未整備状態にある街道、全てが対象です。あ、北のクーリオ侯爵領への道は例外ね。私が叙爵された時、あの人だけ嗤っていたから」
恨みはきっちり晴らします。クーリオ侯爵領はあまり目新しい産物も無く、この領で収穫出来る物ばかりですし。まあ、向こうが頭を下げてくるようであれば、考えなくもないですけど?勿論、工事に必要な資金はたっぷりと戴きますが。
「王都に伝令を出して、土木工事の為の人足と技術者を至急集めるように要請して。細かい指示は技師達が着き次第、直接出します」
馬車が十分にすれ違える事、長旅でもあまり疲れない凹凸の少ない道というのが理想です。石畳は領都に近い場所だけにして、工期短縮を狙いましょう。道がしっかりしていれば、行商人や旅人もより多く通るはずです、そういった人達がしっかりお金を落としてくれるよう、色々と始めないといけませんね。これは領地邸に引き篭っている場合ではありません、更に色々と見て回って、改善策を考えなければですね。




