下準備。抜かりはありません!
タイトルに追いついてきました。やっと本編・・・
不意討ちで騙し討ちですが、こうなったからにはやってみせます。その為にはまず、人員確保といきましょう。・・・セバスが一番欲しいですけど、お父様付きの執事ですし、流石に引き抜けませんね。となると、他に人材を見つけなければいけないのですが・・・。
「セバス、あなた以外で経済に明るくて、目端がきいて、細々とした雑用が得意な人っているかしら?」
お父様から連れて行って良い人の名簿を貰い、それを持ってセバスに相談です。屋敷の人員について詳しい人は、セバス以外にいませんからね。
「・・・全て兼ね備えているのはいませんが、ゼノアとルイード、あとミーアの三人が経済学を学んでおります。雑用ならばケイトとモーラを、全体の管理は・・・ふむ、ナーザス辺りが適任でしょうね」
六人ですか、ちょっと人手不足ですね。領主邸はそこそこの広さらしいので、管理をするにも最低で十人は必要との事ですし。この場合は、現地雇用でしょうか?以前からの使用人もいるでしょうけど、全員が残ってくれるとは限りませんし。
「お嬢様ならば、心配する必要は無さそうですが・・・。上手くいく事を祈っております」
ルイードは良い人で仕事も出来るのですが、ちょっと私生活に不真面目な所があり・・・。具体的には女性関係なのですが。セバスは勿論、お父様も知っている事ですが、優秀すぎて解雇も出来ないんですよね。家に問題を持ち込んだ場合、即刻解雇するとは言っていましたが。
「ねえケイト、私と一緒に領地邸へ移ってくれる?」
セバスから名前の上がった人全員を集め、一人ずつ説得です。但しルイードは除きます。給与他の待遇は据え置き、貢献度によっては昇給や臨時給与の発生もあるよ!という感じですね。実は私個人の資産だけでも、小国の国家予算程度にはあるのです。ですがそんな事は陛下に伝えていないので、領主邸の人事に限っては国から補助金が出ます。三年間は補助が出るので、その間に領地経営を立て直せ、という事でしょう。・・・実は若干持ち直しつつあって、補助金の殆どは不要なのですが。この際です、色々と必要な資材を揃えるのに使ってしまいましょう!余ったら何かしらの形でお返しすれば、問題ないですよね?
「・・・最早私からは何も言いますまい。不肖の身ですが、力及ぶ限りお嬢様の補佐を務めさせていただきます」
ナーザスとゼノア、ミーアとケイトは首を縦に振ってくれました。モーラは残念と言いますか、嬉しい知らせと言いますか。とある使用人と恋仲にあるそうで、出来る限り離れたくないのだそうです。出た名前が名前なので、連れていくのは諦めます。不足する人員は現地雇用ですね、やっぱり。
「ディアンサ、本当に領地へ行ってしまうの?」
「はい、着任の挨拶と領民の皆に顔を覚えてもらいたいので。直接の指示が無くても問題ないようになれば、一度こちらへ帰って来るつもりです」
出発の前日、最後の確認をしていたらお母様がやって来ました。普段着は勿論、下着や正装、その他日用品もバッチリです!
お母様がここまでしつこいのは多分、弾除けが無くなるからですよね?娘を他の貴族に差し出し、自分は社交の場で壁の華となろうなんて・・・。酷い母親です、本当に。
「そ、そんな事は考えてないわよ?可愛い娘が外へ出てしまうなんて、寂しいもの。旦那は旦那で仕事第一だから、夜遅い事も多いしで、朝以外は食卓が一人になってしまうのよ?使用人達は絶対に同じ食卓に付いてくれないし」
言われてみればそうですね。雇用されている側としては、と対等に扱う事さえ拒絶してきますし。・・・ちょっとお母様を見直しました。単なる生贄とは思っていなかったのですね!
「可能な限り早く、領地の事を整えてきますので。なんなら、お母様が遊びに来て下さっても構いませんよ?一月もあれば、ある程度は領地邸も整うでしょうし」




