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好きなのに理由って必要ですか? と彼女は言った  作者: なつのさんち
好きなのに理由って必要ですか? と私は言ったけれど

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その8


『授業中に失礼します。今日帰りの電車に乗るの、何時くらいになりそうですか?』



 はぁ……、送ってしまった。彼、柊人(しゅうと)さんはいつもであればまだ大学で授業を受けている時間帯だ。高校生である私は現在お昼休み。いつも通り友達と机をくっつけてお弁当を食べる、その前に柊人さんへ連絡を入れた。



『今日は4時半くらいに乗る感じかな?』



 へぇ、私もだいたい同じ時間に帰りの電車に乗るんですよ、偶然ですね♪♪♯


「何ニヤニヤしてんの?」


 トイレに行っていた友達が帰って来た。別に隠す事でもないので、好きな人と連絡を取り合ってると素直に伝える。


「え゛っ!? そうなの、そ、そっか~、冬花(ふゆか)ったら好きな人がいるのか~」


 何やら挙動不審な友達。彼女らしくない口調でそわそわしながらお弁当の包みを開いて行く。おっと、そんな事を気にしている場合じゃない。返信返信っと。



『あ、時間合いそうなんで一緒に帰っていいですか?』



 すぐに既読が付く。ふふっ、授業中なのにいけないんだ~。あ、大学では講義って言うんだったっけ?



『んー、分かったー。電車の時間分かったら連絡するー』



 よぉぉぉしっ! 一緒に帰る約束した! はぁ、これだけで幸せな気持ちになるのは何故なんだろう……。

 さて、私もお弁当食べよっと。


「冬花さ、最近男子に声掛けられたりしなかった?」


「ん? ん~……、あぁ、掛けられた。電車の中で。何か連絡先教えてくれって言われたから断ったよ」


「ごめんっ!!」


 お箸を指に挟んだまま両手を合わせて何やら謝る友達。お行儀が悪いから止めた方がいいと思う。


「それ、私の従兄弟なんだ、たまたまさ、本当にたまたまなんだけど、2人で撮った写メを見られてさ、この子紹介してって言われてさ。違うよ! ちゃんと断ったんだよ!! でもね、ちょっと口を滑らせちゃて、アンタと同じ時間帯に同じ電車に乗ってるはずだって言っちゃったんだよね……」


 ふ~ん、そうなんだ。


「いいよ、別に。言われるまで忘れてたくらいだし。ちゃんと断ったから大丈夫」


「そう!? 良かった……。あいつちょっとしつこいくらいの性格だからさ、迷惑掛けないかと心配だったんだよ」


「そう思うんだったら、言っちゃった後すぐに連絡してよね。でもさっき言った通り、私好きな人がいるから。もうこんな事はナシね」


「うん! ホントゴメンね。でも、って事は好きな人って……」



 その後、お弁当を食べながら私の好きな人について聞こう聞こうとする友達をやんわり躱し、図書室へ本を借りに行くからと伝えて1人で教室を後にした。

 もちろん本を借りるというのは口実で、柊人さんの投稿があるかどうかを確認するのが目的だ。図書室へ着き、日差しの良い席に座ってスマホを取り出す。




橘は俺の嫁@デレレテP:女子高生に告白された件について


な2の3ち@小説家になりたいな:kwsk


Mt.フォーチュン改@デレレテP:kwsk




 ちょうど今朝の事が話題になっている。タイミングいいなぁ、私。




橘は俺の嫁@デレレテP:朝電車に乗ってたら突然知らない美少女から告白されました


な2の3ち@小説家になりたいな:お、新作小説かな??


Mt.フォーチュン改@デレレテP:すごい感




 美少女! 美少女ですって!! 脚色してるかもだけど、事実ですよ~。




橘は俺の嫁@デレレテP:お2人とやり取りしてたら知らない間に声掛けられてたみたいで、付き合って下さいって


な2の3ち@小説家になりたいな:mjd? 写メ!


橘は俺の嫁@デレレテP:(撮って)ないです


Mt.フォーチュン改@デレレテP:はよ! ってか彼女出来たんだ、おめ!!


橘は俺の嫁@デレレテP:返事まだしてない……


Mt.フォーチュン改@デレレテP:ん?


な2の3ち@小説家になりたいな:んん??


橘は俺の嫁@デレレテP:(女の子に返事、まだして)ないです


Mt.フォーチュン改@デレレテP:はぁ!? 早くしろよ! 間に合わなくなっても知らんぞー!!


な2の3ち@小説家になりたいな:連絡先の交換はしたの?


橘は俺の嫁@デレレテP:あ、しました。さっき今日は一緒に帰りましょうって誘われた


な2の3ち@小説家になりたいな:じゃあその時にちゃんと返事しよう。で、キッスしようそうしよう


Mt.フォーチュン改@デレレテP:そうだね、お返事はちゃんと顔を見て自分の口からしよう。自分の口でキッスしようそうしよう




 え、キス……? キ、キスか~、そこまで考えてなかったな。でもお付き合いが始まったら、いずれは……。そうか~、その先も、あるんだよね~!! うっわ、急に恥ずかしくなってきちゃった……。

 私の兄は中学の頃から付き合っている彼女がいて、私はお姉ちゃんって呼ぶくらい仲良くさせてもらっているんだけど、お姉ちゃんに相談してみよっかな。でも自分のお兄ちゃんの初体験がいつだったかとか、ちょっと聞きたくないな……。




橘は俺の嫁@デレレテP:困った、今日初めて会った人と付き合ってもいいのかな? 好きってどういう事なんだろう


な2の3ち@小説家になりたいな:そんなん後から考えろ! Don't think , Feel !


Mt.フォーチュン改@デレレテP:向こうが告白して来たんでしょ? ダメな事はないでしょうにwww




 おっ、いい事言ってくれるじゃんこの人達!! ポチッ、ポチッ。




な2の3ち@小説家になりたいな:あれ? 何か誰が押したか表示されない『いいね』が来た


Mt.フォーチュン改@デレレテP:あ、こっちにも来た。またあの子か……




 あっ、またやってしまった!! ついつい嬉しくなってしまっていいねボタンを押してしまった……。すごいね、すぐに気付くもんなんだね。今さら取り消したら逆に怪しまれるじゃんコレ。もういいや、このままにしておこう。


 やっぱり普段使ってるアカウントとは別に作っておいて良かった。3人がやっている、その影響で私も始めたデレレテというスマホゲームのキャラクターが、いわゆる見える子で、よくセリフ部分で『あの子』という発言をする。それを例えに出して、よく分からないけど多分あの子がいいねしてるんだろうというノリで済ましてくれているから何とか見逃してくれているみたいだ。


 ちょっとくらい私も3人の会話に参加しても、いいよね……?




次話は明日7時に投稿予約済みです。


合わせて、よろしくお願い致します。

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