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第2回 ネブカドネザル2世とダレイオス1世(1)

古代メソポタミア文明は、エジプト文明と並ぶ、最古の文明とされる。


最初にシュメール、続いてハンムラビ法典で知られる古バビロニア、その次がアッシリアと、この地域は次から次へと勢力図が入れ替わっていく。


ちなみにバビロニアには、古バビロニアと新バビロニアの2つあるという。


ハンムラビ亡き後に古バビロニアは滅びたが、その後に再びバビロニアと名乗ったのが新バビロニア。


その新バビロニアの最盛期の王が、ネブカドネザル2世という王だ。


ネブカドネザルは、新バビロニアの象徴として、バベルの塔の建設に着手していた。


実際に建設現場を視察しに行ったり、しまいにはなんと、石を運ぶのを実際に体験したりした。


「ネブカドネザル陛下が、視察に来られたぞー!」


国王自らの視察ということで、作業員たちはいったん作業の手を止めて整列し、ネブカドネザルに敬礼をする。


「ネブカドネザル陛下に敬礼!」


「お前たち、日々の作業ご苦労さん。

お前たちが日々運んでいる石を、私も1つ、運んでみようかと思うのだが。」


「なんと!陛下自ら石を運ぶとは!?」


ネブカドネザルは作業員とともに石を運んでみた。この大きな石1つ1つが、積み上がっていき、やがてはバベルの塔として、形を成していく。


しかしやはり、力自慢の作業員たちだから運べるのだった。


さすがに自分一人の力では、これは無理だ、大勢の作業員たちの力が結集してこそ、バベルの塔は完成するのだと悟った。


「重いな…、やはり重い…、お前たちは日々、これを運んでいるのか。」


「ははっ!陛下の夢のために!」


自らの命令で建てさせているバベルの塔。


国王なんてものは、下の者に命令するだけで、実際には何もしないというイメージがあるから、ここであえて、石を運ぶということで、アピールする狙いがあった。


なぜバベルの塔を建てたのか?それは、エジプトのピラミッドに対抗して、ピラミッドのような巨大建造物を、自分達の国であるバビロニアでも建造しようという発想があったのではないか。


それも理由の1つだろう。巨大建造物を建てることで、自分達の国には、このような巨大建造物を建てられるだけの技術力があるんだ、ということを示す意味もあった。


国力を示すため、技術力を示すため、大勢の人々を駆り出して、建設にあたる。


もしもバベルの塔が現在まで残っていたら、あるいはそれこそピラミッドと並ぶほどの世界遺産とかになっていただろうな…。


オリエントの国々の興亡の歴史は、まさに後の時代にも幾度も繰り返されていく、王朝の、国々の、興亡の歴史の、まさに縮図といっていい。


いくつもの帝国が、栄えては滅び、また次の帝国が栄えては、また滅びていき、前の帝国を滅ぼしたところが次の時代の帝国になっていく、その繰り返し。


ネブカドネザルは、新バビロニアのカリスマ指導者と呼ばれていた。


このように、カリスマ指導者が現れた時代は大いに栄えるが、そのカリスマ指導者が死ぬと、とたんに国が衰える。


オリエントに限らず後世の幾多の帝国にも、それは共通する。


そんな新バビロニアの繁栄の様子を見ていたのは、ダレイオス朝ペルシアの王、ダレイオス1世だ。


ダレイオス朝ペルシアは、新バビロニアの次の大帝国になっていく国だ。


「見てろ、見てろよ、今にきっと、新バビロニアをしのぐ大帝国を築いてみせるぞ!」



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