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忌祓の守人~元ダメ人間の異界転生譚~  作者: 中野 元創
第二章:紅を知る、生活と別れ
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第十六話:原因究明

「そうか…飲み水その物に瘴気が含まれていたというんだな!……だとすれば潜在的に瘴気を身体の中に溜めこんだ人間は多いか…」


 俺の言葉を聞いて、最初に反応を返したのはクリフトさんだった。彼はその後、小声で「という事は、私自身も……」とつぶやいた。それを聞き取ったのは、エリクスさん。


「おいおいクリフト、お前まで倒れられたら堪ったもんじゃねえぞ。……しっかし、うちの町って半分くらいの家で川の水飲んでるよな?これ、かなりまずくねえか?」

「君の家は、確か井戸だったな。北部と西部の住民はこの川やその支流から生活用水を得ている。井戸の水も、もとは川の水から随分きているとは思うが…元の水の量は豊富で、瘴気は水よりも重いようだから、かなり症状に差が出てくるだろうな……」


 しかし、そこでボルゾフさんが強く声を上げる。


「だったらうちの妻はどうなる!うちはロルナンでもかなり東部、当然家も井戸を使っているぞ!だが妻は倒れたッ!」

「それは……」


 全ての原因は飲み水ではない、ということか。しかし、一体どうして。

 その時ボルゾフさんの背中の向こう、馬車の方から声が。近づいてきたのは魔術師のルードさん。


「なにやってんだよボルゾフ!おま、シルさん待たせてんだろうが!早く帰んぞ!」

「…ッ!クリフト、今は早く」


 ボルゾフさんの言葉に、クリフトさんは頷き返す。


「分かりました!帰りましょう!」

 

再び馬車へと走り、発進。途中、やはり気になったのでボルゾフさんの下へと狭い馬車の中を進む。 

 すぐ近くにいた。


「すいませんでしたッ!」


 真っ直ぐ頭を下げる。小細工などは用いない。

 ほとんどの人はきょとんとしていたが、一部の人、そして、ボルゾフさんには伝わったようだ。


「いや、あれはむしろ感謝するべきだったろう。診療所の医者が、川の水を飲ませていないとも限らん。直接火で炙らなければ瘴気は消えないのだから、煮沸することに意味は無いだろうからな」

「ですが、俺一人が先走ったせいで薬草を届けるのは遅れてしまいました」

「だーッ!もう良いっての!お前は後ろ向きすぎるぞ?もうちょっと自分の成果に自信を持て!」


 頭を押されて、俺は倒れ込む。どうやら、ボルゾフさんなりに俺を励ましてくれているらしい。

 家族を病に侵されている人にすら心配されて、……情けないことこの上ないな、俺。こういう考え方をボルゾフさんに注意されたばかりなのに早速やってしまっている事もだが。


◇◇◇


 クリフトさんは診療所を回り、ボルゾフさんはそれについて行った。それから少し時間がたったので、今は陽九刻くらいだろうか。

 俺とレイリは町を歩いていた。またやる事も無くなったからである。診療所に行こうか、なんて話もあったが、家族が入院している訳でもないのに病人の顔を見に行くだなんて不謹慎にもほどがある。それはもちろんボルゾフさんの奥さんに対してだって同じ事なので、行く訳にはいかない。


「まさかシルさんまで病気とはなぁ…あの人なんだかんだで病弱だし、やっぱり心配だぜ」

「レイリは、シルさんと知り合いなんだ。どんな人なの?」

「何でこんな良い人がボルゾフさんと結婚したんだろうって感じ」


 それは流石に言い過ぎだろうとは思ったが、まあ実際そんな人なのかもしれない。ただ、ボルゾフさんはもうシルさんにべた惚れなんだろうな、とは思った。でなきゃぁあんな顔しないと思うし。愛は偉大、言葉では良く言うけれど、現実として見たのは初めてだ。悪い事がこれ以上起きなければいいのだけれど。

 既にギルドには今回の感染原因に川が有るかもしれないということを報告、クリフトさん達と一緒に言った結果、かなり信憑性は高いと言ってくれたのでこの情報はきっと早く伝わる。

 だが、


「気がかりなのは正にシルさんについて、というかシルさんがどうして病気になったのか、ってところだよね。井戸から水を飲んでても同じように病気になるのなら、俺たちだってなっててもおかしくないし」

「確かになぁ…シルさんは病弱ではあるけど、他にも何人も同じような症状が有るって分かってる訳だし」


 川の水から直接瘴気を取り入れている訳でもないのに、同じような症状………うーん、もしかしたら違う病気って事もあるのかな?そんな事を言い出したら、それこそ俺には何も分からないような話になる訳だけど…。

 ……いや、もし同じ病気で、感染源が違うとしたら…?

 瘴気は川を流れている。シルさんは飲んでない。井戸からも摂取しにくい以上感染源は飲み水じゃない。だとすれば……飲むのではなく、食べる事で身体の中に?

 ふと、脳裏に日本で有名だったとある病(・・・・)の事が思い出された。あれと同じ形だったとすれば。


「まずい」

「ん?何がだよ」

「今回の病気、その原因のもう半分は、魚だ。魚が瘴気の入った水を吸い込んで、身体の中に溜めていたんだ!」

「魚に…?ってマジで言ってんのか!?ってか、それだとこの町の奴ら全員食っちまってんぞ!この町に魚が嫌いな奴なんかいねえ!全員毎日一尾は食ってるんだぜ!?それが……ッ!」

「実際、俺もここに来てから数えられないほどに魚を食べて来たからね。

 ……もちろん、魚だけで発症している人は少ないと思う。異様なほどに魚が好きなのか、それこそシルさんみたいな病弱な人とか…そのくらいの、一部の人が発症しているんだと思うけど……飲み水から、料理から、何重にも瘴気に侵されればやっぱり危険だ。これも早く報告しないと」

「これは、さっきの川の報告とあわせりゃ信憑性も高いよな?早く対処しねえと、多分診療所でも魚は出すぞ!」

「うん!急ごう!」


 一路ギルドへと駆ける。まだあまり離れてはいないのですぐに到着するが、しかしこれも一刻を争う話題だ。さっきの報告と同じタイミングで発表しなければ情報が滅茶苦茶になってしまう。

 ギルド内部へ突入。ミディリアさんを捕まえ、大事な報告を追加でしたいと言った所、事が重大な為だろう。すんなりと奥に通してくれた。

 そのまま奥、以前一度だけ訪れたギルド長の部屋へ。見事な仕事モードで全く取り乱さず最高速度で到達、扉を叩く。


「ガーベルトギルド長。Eランク冒険者タクミ・サイトウとDランク冒険者レイリ・ライゼンより、今回の病気の発生源について追加の報告が有ります」

「通せ」


 ミディリアさんが開けた扉を通って、二人でギルド長の前へ。


「それで、報告とはなんだ?早くしてくれ、今既に各診療所に通信板を配布し終わっているんだ。出来る限り早く伝えたい」


 ギルド長の言葉に従い、口を開く。


「今回の瘴気による病の発症に、魚が大きく関わっていると思われます」

「魚だと?何故………まさか」


 ギルド長はすぐに理解したようだ。


「そうか…魚は常に水の中で瘴気を身体に溜めこみ続けていたんだな。それを食べれば、人間にも瘴気は蓄積されていく。くっ!忌種を食べてはいけないという原則と全く同じではないか!

 ……二人は、少し静かにしていてくれ」


 部屋の端へと向かい、ギルド長が通信板と呼ぶものを操作している所を眺める。


「なんとか間に合った見てえだし、良かったな」

「うん。何とかいち早く気がつく事が出来たし、これで病気が悪化することも少なくはなるんじゃないかな。……ただ」

「ただ?なんか問題あんのか?」


 恐らく、こちらに関してはどうとでもなる程度の問題だとは思うのだが……。


「いや、病人に魚は食べさせられないけど、もちろん他の人だってそれは同じなわけでしょ?となると、この町の食事ってどう考えても魚が中心だし、食べ物が足りるのだろうかと」

「……量は減るかもな。というか、王国中から魚が減るぞ」


 何というか、もう精神的に参ってくる状況だ。少なくとも確実に安全だと言えるのは、海流を遡った場所でとれた魚だけだろうし。


「経済にも食卓にも大ダメージだな。どうにかなるんだろうか?」

「…まあ、アタシ達じゃなくて偉い人たちが考える事だろうよ。心配したって何も変わりゃあしねえんだからよ」


 不安だ。まあ、実際の所レイリの言う通りかもしれないけれど。


「そうだ。病人に対しては絶対に魚を食べさせてはいけない。出来れば、他の患者にも控えてくれ。……協力感謝する」


 いつの間にか通信を終えていたギルド長が、通信板を伏せて、こちらへと顔を向ける。


「助かった。魚や川の水の汚染に関しては明日にでも調査を行うが、早い対応を行う必要が有ったからな。

 ……専門家でもないのに、よくここまで付きとめてくれた」

「あー……昔、似たような理由で毒物が人の体の中に溜まっていった事件の話を聞いたので、それと同じかもしれないと思ったんです」

「そうか、ご苦労だった」

「ありがとうございましたギルド長!」


 レイリによるギルド長への感謝の言葉を今回の会談の最後とし、俺たち二人は部屋の外へ出た。


「やったわね二人とも。お手柄じゃないの!」


 待機していたミディリアさんから、褒められながら背中を叩かれる。地味にいたい、が、こういうのは嬉しさも強い。


「いてえってミディ。止めろよ。……ま、今回の立役者はどう考えてもタクミだな」

「えッ!?いや、俺は結局今の今まで分かって無かったんだけど?」

「それでもタクミ君がいなかったらもっと遅れてたって事よ。自信持ちなさい。貴方は確実に人の命を救ったわ」

「……ありがとうございます」


 恥ずかしいのもあるな、うん。

 ミディリアさんと別れ、ギルドの外へ出る。そろそろ陽十刻。冬場という事で空も随分と暗くなり、寒さも感じる。

 今日も大変だった。朝から調査漬けで、病気に関しても色々と分かったし。

 まあ、大変だった、なんて気楽に言えるのは、実際の所俺が今回の病気そのものに関しては第三者でしかないから、というのが大きいだろう。俺だって、例えば家族が病気で寝込んでいるときに『今日は大変だった』なんていうふうには思わないだろうし。

 ……ところで、レイリが、俺の隣でずっと「うーん…」と唸っている事に関して、そろそろ『どうしたの?』と聞くべきだろうか?だろうな。


「どうしたのレイリ?何かあった?」


 そう問えば、レイリはこちらの顔を若干満足気に見てうんうんと頷き、俺の行き先を塞ぐように立ち止まる。


「いやー、今日は魚を食べようと思ってたけど、タクミが瘴気が混ざってるって伝えちゃったから、食べられねーなー」

「…ん?まあ、そうだけど……あれ?」


 俺のせいって事になるのか?ううむ…。

 いやしかし、レイリにとっての本題にはまだたどり着いていないように感じる。


「で、さ。その責任とか取って、今日の晩飯は良い感じの物奢ってくれるだろ?」

「……そりゃまあ、良いけど」


 「よっしゃあ」なんていうふうに喜ばれれば、今更嫌とは言えない。でも実際、ちょっと大変だよな。冬場ってそんなにたくさん収穫が有るようには思えないし。冬野菜と言ったって、こんな海の近くで野菜をそこまで多く育てているとも、


「……あ」


 ふと思い出した。そう言えば、この町では野菜を育てているのだ。結局俺は何処で育てているのかを知ることはなかったが、レイリならば…。

 そう考え、レイリに聞いてみる。


「ねえレイリ、この町の野菜って、何処で育てているのか分かる?」

「野菜、か……」


 ……、何というか、少し歯切れが悪いな。もしかして、知らない?


「……いやー…アタシも知らねえな。町中に畑なんてねえし、外に作るともなぁ…?」

「だよね。でも、リィヴさんが前にヒゼキヤに売りに行ってたんだよ。その時にロルナン産の野菜だって言ってたし」

「……じゃあリィヴを探して聞き出すか。商売の為に秘密にする、とかいわれりゃ諦めるしかねえけど」

「あ、そっか…。秘密の農場なんてものが有ったら、それは確かに言いだせる様なものじゃないか」


 響きには犯罪的な雰囲気もあるが、まあ、そんな事は無いだろう。


「って、先ずは晩飯用の食材を確保しておこうぜ。あんまり時間かけすぎちまうと、食材が無くなっちまう」


 という訳で、道端の商店である程度の食材を買い込み、昨日と同じようにハルジィル商会へと向かう。

 町は、やはり魚が瘴気を溜めこんでいるという話が広がっているからだろうか、ざわざわと落ち着かないような状況だ。


「さっきの店にも、やっぱり葉物野菜って少なかったよね。芋とかばっかりで、ちょっと珍しい野菜はあったけど」


 らっきょうとか、あまりそのまま売っている所を見ない野菜が多かったように感じた。


「ああ。後は漬物とかだな。ま、この季節だから保存の為に漬けといたんだろ。あれはあれで美味いし。食いもんに困ることはなさそうだぜ」

「季節も季節だから、食料は長持ちさせないといけないもんね」


 何というか、意外とどうにでもなりそうだった。栄養素の偏り位は不安だったが。


「お、着いた着いた……良く考えたら、ここって店じゃあねえんだよな。勝手に入って大丈夫なのか?」

「…確かに、部外者が入っても良い顔はされないね。というか、リィヴさんに迷惑かけるばっかりか」


 というか、リィヴさん本人だっていやだよなぁ…。流石に自己中心的な行動だったか。


「……帰ろっか」

「だな」


 踵を返し、人込みに流されかける寸前、商会の扉が開く。それに気がついて振り向いた先には、


「ん?お前らまた」

「「あ!」」


 リィヴさん本人が出て来たならば、こちらとしては好都合。もちろん、無理に聞きだしたりするつもりも無いのだが。

 と、その時違和感を感じている事に気がついた。リィヴさんの姿、というより持ち物か。

 異様に多い。

 まあ、また行商に出るというなら話は別だが、どう考えても商売の為というよりも、生活の為に必要な物を詰め込んでいるように見えて、つまるところは。」


「家出、ですか?」

「違うわ」


 流石にそれは無いか。だが、


「家出じゃない…いや、否定もし切れないが、だが一応いろいろ覚悟決めて行動はしてるんだよ。一人立ちと言ってくれ。一人立ちと」

「一人立ちって事は、何だ?支店でも出すのか?」


 俺もレイリと同じように考えていたのだが、リィヴさんの反応からしてそう言う事でも無いらしい。という事は、


「自分で新しい店を始めるって事ですか!?凄い!」

「………おう、ありがとな」

「リィヴが恥ずかしがってる顔とか、初めて見たぜ」


 俺もだ。何にせよ、今日がリィヴさんの新たなる門出ということだ。おめでたいことである。

 そう言えば、一体何処に店を開くんだろうか。この町、という事は無いだろう。時価と商売敵になるというのも考えづらい。


「どこの町に新しいお店を作るんですか?すぐにはいけないと思いますけど、何時か立ち寄る事が有ったら何か買いますよ」

「お、本当か?いや、実際に来るとは思えないがな」

「いやいやアタシも行くぜ。一応知り合いだし、何か態度も柔らかくなってっからな!」

「……聖教国だ」


 聖教国?

 ……え?


「外国ですか!?」

「聖教国かよ!そりゃ遠い…」

「ああ。ま、もう会うこともなさそうだって思うだろ?俺だって、地盤なんて何一つない場所からの再起だ。才能が有る訳でもないし、成功する可能性なんて万に一つってとこだろうがな」

「……な、なんでそうなったんですか?」


 そう俺が聞けば、リィヴさんは僅かに空を見上げるように顔を上げて、


「ま、もうあんまり親父たちにも迷惑かけたくねえってのが有る。だいたい兄貴との関係だって、俺がいなけりゃまともだったとも思うしよ。

 で、このままここにいた所で絶対に僕は成功できない。だったら、万が一にかけてみたっていいだろうって考えたんだ」

「それは……」


 凄い決断と覚悟だ。誰も自分を知らない場所へ、一生をかけて飛び込んでいこうというのだから。

 気がつけば、リィヴさんの背中はかなり離れた所に有った。

風に乗って、リィヴさんの言葉がほんの僅かに耳に届く。


「ま、心のどっかで応援しといてくれよ。じゃあな」


 じゃあな……ただ別れるだけか?


「あ……それではッ!またいつか!」

「聖教国に行く用事が有ったらお前のとこにも寄ってやんよ!割引頼むな!」


 一生の別れなんてするものではない。実際に出来るかなんて後回し。口約束だっていいから再会を誓わなければいけない。

 ああ。俺はもしかしてリィヴさんを尊敬しているのだろうか?このわずかな時間で。随分と安いものだと、自分でも思ってしまうが構わない。

 こちらの声が聞こえたのか、リィヴさんは大きく腕を振って港の方へと歩いて行く。


「…………レイリ、今からどうする?」

「お?……よし、アタシの家で飯食わせてやんよ」

「え?いいの?結局それだとあんまり俺が奢った感じにもならない気がするけど」


 というよりも、それでは俺が食費だけ出して居候しているようではないか……あれ?なんかちょっと前にもこんな


「あ、そっか……明日から」

「…………まさか、忘れてたってのか?アタシがあんなに準備したってんのによう」

「準備?……あ、朝の?」

「そうだよ。開いてる物置代わりの部屋が有ったから、そこを片づけて使えるようにしてきたんだよ。感謝しろよな、全く」

「……うん。本当にありがとう。なんだか迷惑かけっぱなしで、ごめんね」


 俺としては本気の言葉だったのだが、レイリとしてはどこかが不服だったのだろうか、微妙に不機嫌そうな表情をしている。


「何でいっつもそう卑屈になるかなタクミは。そう言うの、アタシにだって失礼になるだろ?」

「え?……そうかな?」

「そうだよ。もちょっと自信持てって」


 そう言われて持てるようになる訳でも無いとは思うが、まあ、精進しよう。

 町を歩き、レイリの家の方へと向かう。クリフトさんはこれからどうするつもりなんだろう、とか、シュリ―フィアさんはそろそろ帰る筈だけど、兄貴は大丈夫だろうか、なんて話をしているうちに大通りに差し掛かり、

 騒ぎの気配を感じた。

 町の中心方向。そこで、何やらかなりの大声で言い争いをしているようだ。まだまだ距離のあるここでも聞き取れるのだから、相当というものだろう。

 ……この世界に来てから、俺には実は野次馬根性が有るということを最近感じ始めているのだが、それは今回も発揮されているようである。


「行ってみようぜ」

「うん」


 もしかしたら、また例の邪教とやらかもしれない、なんて考えも脳裏に過ぎったが、それならそれで今度こそ、と気持ちを固め、二人で町の中心部へと駆ける。



※第一章から、エリクスのランクがDとなっていたのをCへと変更しました。本来のプロットに合わせた形です。申し訳ありません。


 第二章も折り返し地点を超えたころだと思います。これからもよろしくお願いします。


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