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幼なじみの黒魔術のせいで彼女と混浴することになったのだが、俺の貞操が危ない。

 前回の荒っぽいあらすじ、

 平均年収の100年分を手に入れたのだが幼馴染(♀)と風呂に入ることになりそうで逆セクハラの予感。

「し、忍さん?一応、俺はこんなことになってしまったけど男ですよ?一緒に入浴?ちょっと頭沸いてるんじゃないですか?」

「ノンノンノン、そんなこと言っても無駄だよ。じゃあ選んで、幼馴染とお風呂に入るか、ボクを置き去りにしたまま勝手に食事を取ってボクに恨まれるか」

「それなら後者だな。俺はデカイ風呂も好きだが、1人で入る方が好きなん……」

「ん、分かったよ。じゃあ一緒に入ろうか」

「日本語が通じねぇのか!!」


 そんなわけで強制的に混浴させられることになったわけだ。

 本当にこいつと居るとろくな展開にならない。

 ……せめてイベントを回避する選択肢くらいくれよ。


 反抗、抵抗、その他さまざまな同義語の行為を一通りした所で無意味だった、分かりきってましたよ。……不幸だ。

 俺は床を引きずられながら女湯の脱衣所に連れられた。

 違う、これはラッキースケベとかハプニングスケベとか言う有り難い展開じゃない、きっと『……くやしい、でも感じちゃう。ビクンビクン』な展開になるかもしれない。昨日のエロマンガ朗読以上のトラウマとか俺は遠慮したい……。

 もっとこう……ラヴコメみたいな恋がしたい……。

 ……恋ね……ないよね?

 もうそんな夢物語は諦めたほうが良いよ。

 生まれてもう20年経ってるんだから現実ってのを分かってる。

 だって身近な女がこれだけだもん。


 ここで昨日の朝の忍のセリフを振り返って見ましょうか。

『恋愛?なにそれ?そんなのに力入れてるのは『皆がヤってるから私も』なバカ女達でしょ?あいつらは男をブランドバックか何かと勘違いしてるんだよ。ボクは君をそういう目で見たくない。純粋にこの『友情』を大切にしたいんだ』

 なんということでしょう。

 こんな女と恋愛に発展するにはどうしたら良いでしょうか?

 告白?しても振られるな。

 きっと『異性として見てないんだよ~(笑)』みたいなことを言われるだろう。根拠は年季。他には無い。


 そもそも好きでもない人間に告白することが理解できない。

 ずっこんばっこんするため?

 風俗行ったら良いんじゃない?



「何考えてるの?あ、ボクとお風呂に入るのが実は楽しみでドギマギしてるの?」

「ない、むしろ恐怖している」

「恐怖?なんのこと?」

「いや、言わない。お前に言うと絶対にやりそう。」

 今ですら75%くらい可能性がありそうなんだから

「?ほらほら、とっとと服を脱ぐ……ミコト、なんでトランクス履いてるの?」

 などと言いながらズボンを下ろしてきた。

 ズボンだけだから大丈夫。

 俺の股間はトランクスが遮ってくれてる。


「男がトランクスを履いて何が悪い」

「ミコト、今の君は女の子なんだ。トランクスなんて履いちゃダメだよ。これじゃあミニスカートの時にはみ出ちゃうじゃないか」

「なんでミニスカートを履く前提なんだよ!俺に履かせるつもりなのか!?」

「大丈夫、似合う似合う♪ミコト可愛いからイケるイケる♪」

「可愛いと言われても嬉しくねぇよ!」


「ミニスカはともかく、今自分がどういう姿をしてるか分かる?」

「幼馴染みに無理矢理ズボンを下ろされたからパンツ丸出しの変態的な姿だな」

 ……言ってて泣けてくるわ。

 何が悲しくてこんな展開になるんだよ。

 俺は童貞だ!俺の純潔はお前には渡せねぇ!

 みたいなカッコいいセリフ言いたい……。


「じゃなくて、そのトップスとパンツだよ。ここで言うパンツはズボンのことね」

 なんで最近の女はズボンのことを『パンツ』って言うのかね?

 ズボンはズボンだろ。

 ズボンがパンツならパンツはなんだ?

 パンツはパンツでズボンもパンツか?

 パンツがパンツならパンツで歩いても何も恥ずかしくないよね?

 パンツはパンツなんだから。

 パンツだけど恥ずかしくないもん!


 一方俺は頭の中でパンツパンツって連呼しててめちゃくちゃ恥ずかしいです。


 話を戻して今の俺の格好はパジャマ、寝間着である。

 いつの間に寝間着に着替えたんだって?

 違うな、間違っているぞ。

 答えは最初からだ!

 ……いや、昨日、簀巻きにされてから着替える暇が無かっただけなんだよ。私服はクローゼットごとと言うか、部屋ごと押収されてるんだからさ。


「そう、パジャマなんだよ。ずっとパジャマのまま生活するつもり?違うよね?」

「無論だ、食事をしたら適当な店で男物メンズ(←ここ重要)を買うつもりだ。それから保存食と魔除けだな」

「なんでやねん!」

 なぜか関西弁で突っ込まれた。

 関西人曰く、関西人以外が関西弁使うのはあまり好ましくないらしい。

 俺もエセ関西弁を言ってるやつ見ると虫酸が走る。

 きっとあいつらは『関西弁使ってる俺、カッケぇんすよ!』みたいなんだろうな。酔うな酔うな、ナルシスト共。


「なんで!なんで折角女の子になったのにオシャレしないの!?」

 そんなこと言われてもなぁ……。

 大体の男は性転換してしまったら変態行為をしたがるんじゃないかね?

 俺?そうだな、異世界に来なかったらヤってるかもしれない。

 けど、もう俺の精神力は0に等しい。

 やめて!もう俺のSPは0よ!


「オシャレなんてやりたい奴はやってるだろ?女装癖ある奴なら。なくても無理矢理させられるなんてこともあるらしいし」

「無理矢理……。そうか、無理矢理やれば良いのか」

 しまった!

 藪をつついたらマムシが飛び出してきた!

 毒牙一発!毒牙一発!


「というわけで……もう1枚!」

 そう言いながら忍がトランクスをずり下ろしてきた。

「ちょ!?お前!パンツを脱がせることはないだろ!」

「……なんで真っ黒なのさ。これじゃあ密林だよ。Amazonだよ。」

「男が剃ると思うか?いいや剃らない」

「反語を使われてもねぇ……よし!剃ろうか!」

 …………は?お前は何を言っているんだ?


 忍は洗面台に置かれていたシェービングフォームと剃刀を手に取り、こっちに向かってきた。

 あまりの超展開に思考停止してしまう。

 ……まさか?……まさかの剃毛プレイですか?

 忍がシェービングフォームを泡立て始めてから俺の思考は加速度を0からどんどん大きくしていく。


 降ろされていたトランクスとズボンを即座に履き直して更衣室から逃げようとした。しかし、忍からは逃げられなく、両足を捕まえられ、滑稽に転倒してしまう。


「ちょっと!何で逃げるの!」

「何処の世界にこれから下の毛を剃られるのに黙っている奴が居るんだ!俺にそういう趣味はない!」

「何言ってるのか分からないけど、ただ陰毛を剃るだけだよ」

「断固辞退する!剃るならせめて俺が自分で剃る!」

「ダメだよ。女の子の体にはまだ慣れてないでしょ?大丈夫、ボクはアンダーヘアを剃る派だから慣れてるよ」

 そんなカミングアウトされても知らん!!


「大丈夫、怖くない、怖くない」

 などと言いながら再びズボンとパンツを脱がしてくる。

「だからやめろって!いやマジでやめてください、お願いします」

 もうガチ懇願である。

 いや、本当に嫌です。


 レイプされる寸前の女性ってたぶんこんな気持ちなんだろうなぁ。

 性犯罪、ダメ絶対。


「そんなに暴れないでよ。今ボクは剃刀持ってるんだよ?太ももに刃が当たって怪我しちゃうよ?」

 だから……やめ……あ、あ、あぁぁ!

 違う!

 そこは触っちゃダメなところ!


 こうして、俺の始めての性行為 (?)は不本意ながら剃毛プレイで幕を下ろしてしまった。

 もうヤダ……おうち帰りたい。

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