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幼馴染のせいで家の中に片翼の幼女が居座っていた……何を言っているのか分からないと思うが俺も分からない。

 前回のあらすじ、

 ロイヤルガーターのせいで(おかげで?)謎の金髪ポニーテールの美少女を助ける、が俺は彼女に自己紹介すら出来なかった。

 美少女に尻を向けたロイヤルガーターが岩山を降りて約1時間。

 やっと屋敷に帰ってきた。

 尻が痛い……尻の筋肉ってどうやって鍛えるのだろうか?


「ただいまー」

 帰宅の旨を伝えるが全く反応が無い。

 どうやら誰も居ないようである。


 リビングに入って水瓶から水をコップに注いで水を飲む。

 何気なく部屋を見渡すとなぜか部屋に緑色の髪の毛の幼女がちょとんと座っていた。


「ッゥゴフッ!?」

 幼女の存在に驚いた拍子に水でむせたり、鼻に逆流したりと散々な目に合った。

「きゅ?」

 幼女がぱちくりと可愛らしくこちらを見てくる。

 可愛いことは確実なのだがなぜここにあんな幼女が居るのだろうか?

 忍が拉致したのか?犯罪じゃねえか!?


「ミドリちゃ~ん♥ご飯ですよ~♪」

 忍が顔の筋肉を緩ませながら何やら(調理具の方の)ボールを抱えてリビングに入ってくる。

「……おい、忍?」

「あ、おかえり。ミドリちゃ~ん♪あ~んしましょうか♥」

 忍が抱えていたボールからぐちょぐちょの何かをスプーンで幼女に食べさせる。

「んぅ~♪おいちぃ」

 幸せそうな顔でぐちょぐちょの何かを食べる幼女。

 可愛いな。だが、和んでる場合ではない。


「忍、ダメだろ?いくら可愛いからって幼女誘拐なんて」

「誘拐なんてしてないよ。この子はハーピィだよ。ほら、あの卵のね」

 卵……あの遺跡で盗んだ卵か?

 確かダナーが人間に似ているって言ってたけど、似ているって言うかまんま人間じゃねぇか!!

 よく見ていると幼女の背中には1つ翼のようなモノが付いていた。

 なるほど、こいつは人間じゃないな。

 あと、成長速度が早い気がする。

 人間がしゃべれるようになるのには1,2年はかかるはずだ。


「ただいま戻りました、忍お嬢様」

 ダナーが部屋に戻ってきた、しかし手に持っているのは干し芋ではなかった、というよりも何も手に持っていない。

「ダナー、干し芋はどうした?」

「お帰りなさいませ、マスター。マスターの帰りがあまりにも遅かったので探しに行っておりました」

 考えてみれば王城を出てからかなりの時間が経っている。

 ダナーなら2往復できるくらいの時間が経っていてもおかしくはない。

「悪かった、ロイヤルガーターと道草食っててな」

「道草程度なら大丈夫ですが、スタンガンを使用したような痕跡があるのですが?」

 なぜバレた!?

「ま、まぁな。借りていたスタンガンを試し撃ちしてみただけだよ」

「その程度ならよろしいのですが……」

「大丈夫だ、お前のスタンガンのおかげで危険な目になんて合ってない。ありがとうな」

「恐悦至極に存じます。が、その言い方なら何かあったのですね?」

 こいつには隠し事はムリっぽい。

 本当のことを言うしかないな。

「報告する程度のことじゃないと判断しただけさ。詳しく言うとスタンガンで野蛮な雑魚を退治しただけだ」

「理解しました。しかし油断はしないでくださいね」

 確かに、ロイヤルガーターが居なければ俺はあそこで現れた4人目に殺られていたかも。今後は無茶は控えよ。


「マーマ、あの人は?」

「あれは三人目のネーネだよ」

 おい、待てや。せめてニーニだろ。

「でもダーネやパーネは?」

 ダーネ?パーネ?だね、ぱね?

 なんかチャラチャラしたバカ男が使いそうな言葉遣いだな。

 ……もしかしてダナーねぇとパティ姉と言いたいのか?


「よく覚えたね~♪はい、ご褒美♪」

 そしてポケットからパンクズを丸めて食べやすくしたものを幼女に食べさせる。

 そして幼女はそれをもちゃもちゃと食べる。

 うむ、子供は可愛いな、騒ぐとうるさいけど。


「はふぅ……」

 食事が済んだからか幼女はうたた寝を始めようとしてた。

 自由だな、さすがは子供。

 忍は幼女をいつの間にか作られていた幼児用のベッドに寝かせる。


「で?そいつは?」

「ミドリちゃん」

「敬称なしなら『ミドリ』か」

「そうだよ。『美しい鳥(みどり)』と『みどり』のダブルネーミング!」

 いばるな、それに鳥と髪の色で名前をつけるってどうなのよ?

 黒い猫に『クロネコ』という名前を付ける奴が居るか?居ないだろ?


「可愛いな~♪」

 忍がぷにぷにと幼女改めミドリのほっぺたをつつく。

「……なぁ、忍?お前って当然だろうけど20歳だよな?」

「誕生日的にも20歳だよ?それがどうかした?」

「……20歳ならそれくらいの娘が居てもおかしくない年だぞ?」

「な!?ぼ、ボクはそこまでの年齢にまでなってしまったのか……」

 そうだな、俺も子供欲しい……。

 というよりもその前の行為をする相手が欲しい……。

 ところで、ボクっ娘は何歳まで許されるのだろうか?

 個人的には16くらいまでな気がするが……どうだろうか?

 そろそろ『ボク』という一人称から卒業してもいい気もするが?


「それで、そいつを飼う気か?」

「飼うなんてペットか何かみたいな言い方しないでよ。育てるんだよ、娘として」

 何が娘だ。

 子育てってのはお前みたいな『見た目は大人、頭脳は子供』な奴にできるようなもんじゃない。

 そんなバカがガキを産んでるからキラキラネームとかDQNネームとか言われる当て字使った酷い名前の子供が増えるんだよ。

 日本人なのにマイクとか名付けるなよ。


 ゆとり世代の奴の名前でもうキラキラネームとかで『誰もつけないような意味のない名前を付けたい』って理由でそんな奴が居るんだよ?ゆとり教育関係ないな。


 名前にオリジナリティを求めるなよ。小学校で絶対にイジられるから。


 ソースは俺。『ミコト』って漢字だと『尊』とも『美琴』とも書けるだろ?だから『女みたいな名前だな』ってからかわれたから。

(因みに俺のミコトはカタカナである。漢字ではない、そこから言えば俺もキラキラネームなのかもしれない)


 中学生になれば、そういうことを言う奴も減るのだが小学校でのトラウマは記憶に刻まれ名前を書くたびに思い出す。

 『ミコト』の俺はその辺はまだ良い方だが本当に名前にコンプレックスを抱いてる人のことを思うと同情する。


「なんか失礼なことを想像されてそうだけど、じゃあどうするの?生まれたばかりのあの子を逃がすの?刷り込みも終わってるのに」

「お前は刷り込みを知ってたのか、それにビックリ」

「バカにしすぎじゃない?」

 いや、お前は本当に常識ないから。

 義務教育レベルの知識すら乏しいことも多々あるし。


「ダナー、ハーピィを逃がして野垂れ死なずに生きることはできると思うか?」

「推測ですが難しいと思われます。雛に狩りをする技術もないでしょうし、気温の変化には耐えられるかどうかも怪しいかと。巣立ちできるくらいまで育てるにしても数年は育てることになるかと」

「ダナーがそういうなら仕方ないな」

「なんでボクがダメでダナーなら良いのさ」

 俺はダナーに意見を求め、意見を問答無用で却下された忍が拗ねる。

 忍がダメでダナーがOKな理由は簡単、その理由は人間的に信頼できるかできないかだよ。



 大遅刻して王城に到着したわたくし、アン・ウィルバインは敬愛する伯母上と食事の約束をしていたため、食堂に入る。けれど、伯母上もまだ来ていないみたい。

 伯母上は多忙だから時間通りに食事が出来ないことなんていつものことなので別に怒る事などではない、むしろ伯母上を待たせなかったことが幸いでした。

 椅子に座って20分ほど経った辺りで伯母上が部屋に入ってきた。

「すまないな、アン。今日も仕事が間に合わなかった」

「気にしないでください、伯母上。わたくしも遅刻してしまったのでそれほど待ってはいないのです」

「お前が?珍しい。何かあったのか?」

 伯母上は席に着いて、下男に食事を持ってくるように命令された。


「少し西に行ったところに岩山があるではないですか?あそこで賊に襲われまして」

「大丈夫だったのか?」

 伯母上が前菜に手をつけながら会話する。

 敬愛はしているのだけど、この豪傑さはあまり真似したくはありませんわ。

「はい、ご心配なく。ロイヤルガーターに乗った麗人が助けていただきまして。失礼ながら伯母上、本日ロイヤルガーターに乗った方をご存じないですか?」

「ロイヤルガーターということは例の異世界人だな。たしか名前は……ミコトだったか?」

「ミコト様ですか。……先日どこかで聞いた気がするのですが記憶違いでしょうか?」

 思い出そうとするのだけれど、あの女性を見た記憶がなく考え込もうかとしていると伯母上が教えてくれました。


「いや、それはおそらく公爵から3000万ダラーをポーカーで奪い取った件だろう。そのミコトとお前を助けたミコトはおそらく同一人物だ」

「思い出しました、その件の女性でしたか」

 確か相手の心を読むことができるような淑女だとか聞きましたが本当なのかしら?

「あぁ、その女だが本人は男だと自称している」

「男?」

 伯母上の一言に無意識に聞き返してしまいました。


「あくまで自称だがな」

「……男……それはそれは都合が良い……」

「……アン、お前はまたいつものか」

 やれやれと溜息を伯母上に吐かれてしまいました。

 エスカトスと言い伯母上と言い、わたくしはそこまで節操の無い人間に見えるのかしら?


「あれには気をつけろよ。この私すらも篭絡しようとしているからな。さらに私と互角以上に闘える従者も居るしな」

「伯母上を篭絡しようとしてさらに互角以上に闘う従者?にわかには信じがたいです……」

 ミコト様ですか……。非常に興味深い人物ですね。

 何か妙な技を使っていたのも異世界人なら納得ですわ。

 あぁ、早く逢いたい。

 伯母上の話を聞いてよりいっそう恋焦がれてしまいました。

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