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【未完】二人の時空間転移者 〜DOUBle Travelers~ 第1版  作者: ダブトラ企画。
二年生篇 PART-1
9/23

第6話 編入準備

今回もよろしくお願いします。


作文:きすけ

文章監督:けん


時に、系歴百二十七年、四月。



1. ~編入準備~


ハワイ奪還作戦が発表されたその日の夜、家族の二人増えた神崎家では、彼女らの編入手続きの準備をしていた。もちろん、海条学園にである。


「結局私は、ずっとここなのね」


真広によって少しずつ埋められていく編入手続き用紙を見つめ、ぼんやりとフレイが言った。


「嫌なら出てっても良いんだぜ」


「そんなこと言ってないわよ」


真広は二人分の用紙へと書き込みを続ける。途中、難しい書類の表現に顔をしかめながら。


本来ならば、これは両親のする仕事である。戦時の世の中、両親が死に、こんな状況になっている家庭も多い。真広はうるさい親がいなくて楽だ、と強がって言うが、親のいない家庭というのはかなり大変なのである。


「――住所はウチでいいし、あらかた書くことは書いた。あとは……」


真広は用紙の最後のページを開いた。


【質問1:編入生徒は能力者ですか。】

【はい/いいえ】

【『はい』の方は質問2へお進みください。】


【質問2:編入生徒の能力とそのランクを以下の欄に記入してください。】


この世界の能力者には、能力ランクというものがある。能力の強さ、優秀さでランク付けをする、というシステムだ。ランクは低い順に『D(能力者の家系における無能力者)→C→B→A→S』まである。


例えば火の能力者だとする。CやBの能力者は『マッチ』や『木』など、燃える物質を手にしなければ火を出すことができないし、火も小さい。それに比べAとSは、何も持たずとも強力な火を出すことが可能なのだ。

特にSランクの能力者は特別で、火、水、地、風、光、闇、の六つしかなく、もちろんSランク能力者も6人しかこの世に存在しない。


また、Sランク能力者の能力は、覚醒すると世界を滅ぼす事ができるほど、能力としては強力なものを持っているが、それを使いこなせた者は未だにいなかった。


無能力者とは言わずもがな。レイナのような、能力者の家系で生まれた能力を持たぬ人のことだ。これも世界では珍しい。



「お前の能力はなんだ?」


「私は火を使えるわ」


フレイは掌で火の玉を浮かせながら真広の質問に答える。


「すげーな。何も使わずに。ランクは?」


「わかんない」


「まあ、これならA以上だろ。家燃やすなよ」


半ば感心しながら、そしてわかんないと答えたフレイに溜息をつきながら、真広は用紙に記入した。


「次は七海、能力教えろ」


「……わかんない」


「――は? お前もかよ」


「私……能力わかんない」


「もういいから」


七海は弱い困ったような表情で真広を見つめている。


「――じゃあ仕方ねえ、能力無しにしとこう」


レイナが居たら止めただろうが、今は外出中。こういう時は慎重にと、大人なら分かったはずだ。


真広は何事もなかったかのように『いいえ』に丸をつけた。



つづく

プロローグらしさ満載の第六話でした。

脚本に関する修正は他の話に比べて格段に少ないです。

(けん)


次回は悠平側ストーリーです。

よろしくお願いします。

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