第13話 居残り組
これは『8.0 警告』の続きとなります。
よろしくお願いします!
作文:きすけ
5/12:13.0次回予告追加
次回予告:けん
「なんでまた、能力者を連れて行かなかったんだろうな」
真広は机に頬杖をついて呟く。
いつも通り賑やかな教室、だが、無能力者の別館はもぬけの殻のようであった。今まさにハワイへ行こうとしているのである。
だがそのメンバーに能力者の姿は無く、無能力者で構成されたメンバーであった。
「まあ確かに、白兵戦の可能性だってじゅうぶんあるんだし、能力者がいた方がいいと思うわよね」
隣に座っていたフレイが答える。実際クラスの話題はそれでもちきりである。
「それは、香奈なりの考えがあったからだろ」
愛結が突然話に入ってくる。
「あ、赤崎先輩!?」
「なんでこの教室に……!?」
学園の人気者の突然の登場に、クラスがざわつく。
「……考えってなんだよ」
真広は顔色一つ変えずに質問する。
「簡単さ……敵さんもこっちにくる可能性があるからだ、香奈達と入れ違いにな」
愛結の目付きがけわしくなる。
「えっ、ここに……!?」
全員愛結の発言に驚愕する。
「考えてもみろ、敵からしてみれば相手の戦力がハワイに集中してるんだ。自分達の機械兵器を使えば、少数戦力でもここを落とせると考えるのが普通だ」
「だから、それを俺達で迎え撃てって事か?」
「簡単に言えば、な」
「……上等だ」
焦りを隠せないクラスメイトをよそに、真広は冷静に理解した。
その時、八神ちひろの声が放送で流れた。校内の電力を一時的に転用するという内容である。
その放送が流れてすぐ、校内の電気は全て消えた。
「おいおい……出発直前から大丈夫かあの船は……」
愛結は苦笑を交えて呟く。
……本当に大丈夫なんだろうな。
その横で真広は窓の外を見ながらそう考えていた。
ー同時刻、三笠内のとある路地裏ー
「……準備は整いそうかな?」
『はいはーい、正午くらいにはそっちに着くと思うっス♪』
道化師の格好をした男が電話をしていた。相手は若い女子のようである。
「正午か、ならば今まさにハワイに行こうとしているあの船とは鉢合わせにならないからいいだろう……」
『そっちに着いたら、とりあえず暴れまくればいいんですよねー?』
「そうだよ、キミ達の乗ってくる兵器がここで暴れれば、少なからずこの三笠は大打撃をうけるだろう……」
『りょーかい、待っててくださいね〜バルドさん♪』
「ああ、では後ほど…………上手くいけばいいけどね」
電話を切り、バルドと呼ばれた男は、その時を静かに待つ。
つづく
ありがとうございました!
実は今回から、担当者の個性をより強調する為、文章監督をほぼ無くすことにしました!
次回も、よろしくお願いします!
(けん)