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(ガワだけ)胡乱なカードゲームおじさん  作者: 十田心也


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28/28

28枚目 日輪は全てを暴き

 バトル・サンクチュアリ7日目。

 大会最終日、おまけに昨日の騒動もあって残り参加者を数えるのは両手で事足りる。

 そうしたこの7日間を生き残った参加者たちは現在、皆が大型客船に乗り込みその身を潮風に晒していた。

 船は参加者たちを初日に大会会場である孤島へ、そして今は小さくなった孤島を眺めている参加者たちを本土へと帰還させるためその巨体で海原をかき分け進んでいる。


 今大会での集大成となる表彰式を迎えた彼ら彼女らだが、その顔には初日に多くの者が浮かべていたような無邪気な笑みはなかった。

 疲労、安堵、そして達成感を噛み締めながら粛々と進行していく表彰式。

 競会のサポートがあったとはいえ他者との競争を常に意識し続けさせられる7日間。

 まだ学生である参加者たちにとって予想以上の消耗であったことは想像に難くない。

 帰りの船に乗ってもしばらくは島でのサバイバルに心を囚われていた参加者たちだったが、激闘の舞台であった孤島が豆粒ほどの大きさになりようやく気持ちが現実に追いついてきた。



「……終わったんだよね」


 ともすれば波の音に溶けてしまいそうなほどの声で、手すりに前かがみになって寄りかかった門地(かどち) 界斗(かいと)がぽつりと呟く。


「ああ、なんとか最後までかじりつけた。それは間違いねえだろ」


「正直ここまでハードだとは思ってなかったよ。去年までの僕だったら確実に途中で脱落してた」


 界斗の隣、手すりに背中を預けた炉井(ろい) 鷹介(ようすけ)が友人の呟きを拾う。

 いつもはどこか突き放した口調と態度の鷹介も、今この時ばかりは感慨深げに小さくなっていく島を見ている。

 孤島での7日間が決して生易しいものではないこと、それは言葉少なげに会話する2人の様子からも容易に察せられた。


「だがその甲斐はあった。流石に運営が競会なだけある」


「ちょっと一介の学生が持つには問題がありそうだよね。この分だと他の褒賞も凄いことになってそうだけど」


 2人の話題は孤島での激闘から、自分たちが獲得した褒賞へ。

 バトル・サンクチュアリで優秀な成績を示した者に与えられる絢爛豪華な褒賞の数々。

 望むと望まざるとにかかわらず、6日目の騒動を戦い抜いた参加者たちは皆が自身の希望するものを手に入れるのに十分なポイントを稼いでいていた。


 ある者は国内有数のバトルワールド関連企業とのスポンサー契約を勝ち取り。

 またある者は世界的に著名なプレイヤーが教鞭を執っていることで有名な海外の学校への留学を約束され。

 最も分かりやすい形、莫大な賞金を受け取る者も当然存在した。

 そうした者たちの中で2人、いや《《3人》》が選んだ褒賞は──


「でも正直楽しみだよね、《《流通していないレアカードたち》》。早くカタログ見てあれこれ考えたい!」


「俺らみたいな一般人じゃ本来は手に入れることなんてまず不可能だしな」


 年頃の少年らしさを見せる2人。

 だが受け取る褒賞を考えれば、それは無理もないことなのかもしれなかった。

 本来ならばどれだけ市販のカードパックを剥こうが手に入ることのない、()()()()()()()()()

 未収録の理由は様々であり、そのカードを生成する技術の失伝、バトルワールド流派で門外不出とされてきたカード、存在だけが噂され実在が怪しまれているなどなど。

 全プレイヤーへ隔たりのないカード入手の機会をと日夜腐心している競会や各種関連企業や技術者たちだが、どこか人知を超越した力を持つバトルワールドのカードを網羅するには未だ至っていない。

 このように希少なカードのため、コレクターはもちろん多少目端の利く人間ならば入手の機会が転がり込んでくれば目の色を変える。

 そして悲しいことに、そうした者たちの中で少なくない数の人間が強引な手段を選んでしまう。

 なにせ界斗の持つ2枚の学園のカードもそうした類のものであり、既に実例とも言える襲撃を何度も受けているのだ。

 こうした事情を鑑みれば他の褒賞がその場で契約書へのサインや口座への振り込みだったのに対し、カードのみ後日に指定場所での直接受け渡しだったのも決して大袈裟な対応とは言えない。



「2人とも、軽食貰ってきたよー」


 こちらへ飛んできた声の方を界斗と鷹介が見れば、2人の級友である五色(ごしき) (とおる)がハンバーガーやらジュースやらを載せたトレイを両手にそれぞれ持ちながら歩いてくる。

 右手側のトレイにはおそらく界斗と鷹介の分であろう2人分の食事が載せられたトレイ。

 そして左手側のトレイには──


「凄い、あんな左右でバランスが悪いのに一切ブレずに歩いてる……」


「いや確かに凄えけどよ……。やっぱどこかでちゃんと診てもらった方が良いだろ……」


 いまいち要領を得ない会話をする2人。

 その視線は揃って透の左手側のトレイ、顔の高さまで積まれた何十個ものハンバーガーに固定されていた。

 トレイは胸あたりにあり、そこから積まれたおそらく30個以上はあるであろうハンバーガー。

 左右で実にアンバランスな重量であるが、透はなんてことはないように平然と歩いている。

 昨日の夜ごろから透に起きた変化。

 食欲の大幅な増進、身体能力の急激な向上。

 もはや変化というより異常事態だと2人は心配したが、透本人は前より調子良くなっているし問題はないと気楽に笑った。


「さ、食べよ食べよ。いただきます! あ、足りなそうだったら言ってね!」


 備え付けのテーブルに着き、ハンバーガーで構成されたタワーを1階ずつ食べ進めていく透。

 手渡されたハンバーガーとそんな彼女を見ながら、軽食の意味をふと考える界斗と鷹介。

 そんな3人を含めた大会参加者を乗せ、船はいよいよ本土がはっきりと見える距離まで進んでいた。



 もし、五色 透に起きている変化を知り合いのプロプレイヤーに相談できていたら。

 この際その人物でなくても競会関係者の誰かに、()()()というバトルワールドプレイヤーにとっての大きな変化が五色 透に起きていたことを共有できていたら。

 だがそのようなIFの展開はなく、そのことを悔いる者も今この場には存在しなかった。

 誰にも見えない糸が張り巡らされた秘密の人形劇。

 その真意はついに誰にも知られることなく幕を閉じる。

 己が座に課された預言を、()()は成したのだ。








 大会参加者である学生たちが去った後の孤島。

 そこでは今、残った者たちによりある余興が行われようとしていた。

 余興の舞台は運営本部内の広々とした一室。

 何かしらの実験に使用している部屋なのかあたりには用途不明の機器がいくつも、競会所有の施設であるからか貴重なオープンセンス(五感体感装置)まで設置されている。


「だから、何で()()()()と対戦しなきゃならないのよ!」


 不満の声を上げているのは、バトル・サンクチュアリで試練官を務めた女性プロ。

 ランキング戦にも出場している千装(ちぎら) 羽織(はおり)である。


「大会終わったんだしさっさと帰らせてよ! ランキングにも入ってないあっちと違って私は忙しいんだから!!」


「しかし千装プロ、今回の依頼内容はこの余興も含めてのもので」


「そんなこと知らないわよ!」


 金切り声で詰め寄る羽織だが、相手をしている競会職員は一切動じない。

 その職員の様子に無駄だと判断したのか、今度は自身の対戦相手とされる者へと矛先を向ける。


「そっちも何ボケっとしてんのよ! ランキング入りしてない上に未所属の身で、まさか私と戦えるとでも思ってるんじゃないでしょうね!」


 好き放題言われているプレイヤーを見れば、そこにいるのはスーツを着た長身痩躯の男性。

 自身へ向けられた罵倒を意に介していないのかどこか粘着質さを感じさせる笑みを浮かべながら、御園(みその) (しげる)がそこに立っていた。

 まずは相手の気が済むまで喋らせようと繁は黙っているだけなのだが、その態度がかえって羽織の機嫌を逆撫でる。


「なにその態度馬鹿にしてんのッ!? いい年して未所属なんて身になってもバトルワールドにしがみついてるプロ擬きの癖に」


 流石にその先を言うのは看過できかねるとその場にいた数名の職員やプロが止めに入ろうとして──



「黙れ。聞くに堪えない」



 正に切って捨てるといわんばかりの鋭い声が室内の雰囲気を一刀両断した。

 脳天から股まで真っ二つにされたようなプレッシャー。

 声の主を探せば、部屋の入口には1人の女性。

 繁と同じかそれ以上の長身の女性が部屋に入り、それに続くように次々と姿を見せる男女十数名。

 そのうち長身の女性を始めとした数名。

 既に室内にいたプロたちは、その男女たちの正体に気付き思わず目を剥く。


「じ、刃境(じんきょう)!? 経津(ふつ) 重花(じゅうか)プロッ!?」


「他にも崩天蓋(てんがいくずし)塞牙(きばのおり)……! あそこの6人全員がそうだ!」


「なんだってこんなとこに最上位ランカーがいんだよ……」


 新たに入室してきた先頭の6名がとんでもない、雲の上どころではないプレイヤーたちだったことに戸惑いの声。

 ライセンス上では試練官を務めたプロたちも6名と同格のはずだが、室内でそう考えている者は皆無であった。

 それほどの実力差があると、大なり小なり皆が思っている証左。



「諸君、まずはバトル・サンクチュアリにて試練官として尽力してくれたことに感謝する。まず今大会の」


 ランキング戦で頂点を争っている6名の衝撃にまだプロたちが抜けきっていない中、1人の老人が構わず挨拶を始めた。

 正気に戻った者から順にその老人を見て、今度は全員ではないが数名がまたもやガツンと頭を殴られたような衝撃を感じる。

 しかし、此度は衝撃に加え混乱も混じっていた。

 先ほどの最上位ランカーはあくまで自分たちプロの延長上、果てしない先とはいえ同じ世界の人間として見ることができた。

 しかし今、構わず挨拶している老人の正体はそうした自分たちプレイヤーとは一線を画す。


「まあ挨拶はこんなところでいいだろう。では君、後は任せるよ」


「挨拶ありがとうございます、()()


 全国競界協会理事、それが老人の肩書である。

 日本国内のバトルワールドの動向を差配するほどの力を持つ競会。

 その競会の意思決定機関を構成する人物の1人。

 プレイヤーからすればバトルワールドの全てを支配しているようなものであり、そんな人物がなぜこの場にいるのか。

 正体に察しがつかなかった者も理事という言葉にギョッとし、中には無意識に頭を下げる者もいた。

 最上位ランカーに競会理事。

 一体これから行われようとしている余興とは何なのかと、ほとんどのプロたちが程度の差こそあれ内心戦々恐々となる。


「さて、では手早く始めよう。職員から説明があったと思うが、これから試練官を務めた君たちでバトルをしてもらう」


 理事から進行を任された経津 重花がプロたちを一瞥し口を開く。


「気付いている者もいるだろうが試練官12名のうち6名はランキング入り選手、もう6名は未加入の選手だ。組み合わせとしてはこの2グループの対抗戦として計6回バトルしてもらうというわけだ」

 

 薄々予想していたのか、繁も含めた数名が重花の言葉に頷く。

 今大会、試練官は各エリアに配置され他の者たちが誰なのかは一切知らされなかった。

 この場に集まって初めて試練官たちはお互いの顔を見合わせ、驚いたことにそこには繁と過去バトルした細猛(ほそたけ) (れつ)(かい) 剛大(ごうだい)がいたのだ。

 こうした事情もあり重花からの説明に繁が納得しているなかで、もう一方のグループである羽織たちランキング入りしているプロたちの顔色が何故か優れない。

 キョロキョロと重花たち最上位ランカー、競会理事を見まわし不安げな様子でいる。


「ああ、そういえば外に待たせている者たちがいるのを忘れていた。すまない、もう入って来てくれて大丈夫だ」


 気安い声とは裏腹に、重花の声は重く冷えていた。

 そうして入ってきた者たちを見て、誰かが酷く怯えた声音で叫ぶ。


「ジ、ジャッジ!?」


 バトルワールドの裁定者、制服にもその理念が示されている白と黒を決める者たち。

 千のルールを知り万の判定を下す、ある意味バトルワールドで絶対の権力を持つジャッジ。

 新たに3名のジャッジを迎えた部屋で、その意味を理解した者たちは恐怖した。



 【全国競界協会理事1名、ジャッジ3名、ランキング選手5名以上の立会いのもと現ランキング選手に勝利する】

 ランキング未加入の者がランキングへ挑戦するための条件、その1つがいまこの室内で再現されていた。

 達成された場合めでたく未加入の者はランキング入り。

 そして敗れた者は──



「下剋上制度っ!? 何で、何でいま」


「どういうこと!? こんな嵌めるような真似して!」


「そ、そうだ! なんでこんな騙し討ちみたいな卑怯な手で!!」


 ランキング入りしている者たち、その全てが阿鼻叫喚のありさまであった。

 泣き叫ぶ者、怒り狂う者など種類はあるが、そうした者たちが不意打ちのこの状況に抗議している点は共通している。

 そうした声を上げる者たちを重花はただ冷めた目で見ていた。


「何で? どういうこと? 卑怯な手? 本心からその言葉を吐いているのなら大したものだな」


 今までとは比べ物にならないプレッシャーが一瞬だけ重花から溢れる。

 先ほど入室時のものはまだ鞘に納められていたのだと感じさせるほどの、抜き身の刃の如きプレッシャーであった。

 騒いでいた者たちもこれら鋭すぎるプレッシャーによって強制的に黙らされる。


「千装 羽織。この場にいるランキング入りしている者たちと結託し八百長試合を主導。またその試合結果の便宜を各種企業から」


 何の予告もなく重花が口にしたとんでもない爆弾発言。

 現在進行形で言及されている者たちは何とかその発言を遮ろうとするが、その度に鯉口を切り鋭さを見せつけるプレッシャーを前にして動くどころか声すら上げられずにいた。

 もう一方のランキング未加入の者たちも、ある種の衝撃でただ呆然とした様子で裁かれる者たちを見ている。

 確かにそういった良からぬ噂が聞こえてくることはあった。

 だがランキングで競っている者が、自分もいつかはと憧れている舞台で戦っている者たちがそのようなことに手を染めているなど。

 信じたくなかった。信じられるはずがなかった。


「以上、そこの6名が行った不正の全てだ。何か反論などあるか? まあないだろう」


 幾分すっきりした様子の重花。

 それを後ろで見ている他の最上位ランカーたちは、どこか呆れた視線を彼女の背中に送っている。

 本来ならもっと順序立てて説明する予定であったのに一息で説明し要らぬ混乱を招いている、そんな呆れの視線。


「これは膿出しだ。国内バトルワールドの害でしかない者を追い出し、新たな風を呼び込む。未加入の者たちはそうした期待をかけ、私を含めたこの場にいるランカーたちがそれぞれ推薦した者たちというわけだ」


 そう言って重花が悪戯っぽく繁へウィンクするが、生憎と当人はそれに反応するどころではなかった。


「対戦の組み合わせは既に聞いているだろう? 第1試合、御園 繫と千装 羽織以外の者は部屋の端に移動して欲しい」


 その言葉に試練官を務めたプロたちはぎこちなく、中には職員により強制的に移動させられる。

 指名された2名を残し移動が完了したのを確認し、部屋に響くのは重花の試合開始の宣言。


「ではこれより御園 繫と千装 羽織の試合を開始する!」


 圧が緩んだからか、いち早く動いたのは羽織のほうであった。

 それはバトルに臨むという方向性ではなかったが。


「ふざ、ふざけないで! こんな試合誰がするっていうのよ、あんな言いがかりつけてっ!」


「競会理事もこちら側にいることの意味を少しは考えてから発言することだな」


「がっ、ぐ……」


 だがその反発もすぐに斬って捨てられる。

 それ以上の反論ができない羽織を見て、ようやく繫が口を開いた。


「……本当なのですか?」


「は?」


「本当だとしたら、何故……。何故そのようなことを……」


 繁にとって、バトルワールドとは自分の人生を賭けるに値するものだ。

 もちろん負ければその瞬間は腸が捻じれるほど悔しいが、どのような結果であろうとも糧とする気持ちが繁にはある。

 バトルワールドにおいては何事も経験を地で行く繁にとって、勝負の結果を捻じ曲げるような八百長試合はまさに理解し難い代表例であった。

 そのような行為を何故ランキングにて鎬を削っているあなたがしているのか、そういった思いで繁は羽織に問う。


「何故、何故ですって……?」


 だが、問われた羽織はそう受け取らなかった。

 憐れまれた。この自分が、ランキングにも入っていないプレイヤーに。

 このような醜態を何故晒しているのかと、屈辱的に!

 もちろん繁にそのような意図はなかったが、彼女にとって向けられた言葉はそのような毒にしか感じられなかった。


「そんなの決まってるじゃないっ! 勝ちたかったのよ。ランキングに残りたかった。スポンサーも、仕事も、全部……失いたくなかった!」


「だから八百長試合を?」


「他に手があったなら言ってみなさいよ!! バトルワールドなんて綺麗事だけで食べていけるほど甘くない! 一度ランキングから弾き出されたらどうなるか想像できる!? この地位に居続けるため私は努力したわ! そうよ、他の奴らと同じ私は努力しただけよ!」


 毒と感じた言葉が効いたのか、もはや羽織は取り繕うことなどしなかった。

 開き直りにしか聞こえないが彼女にとってはそれが真実である。

 自助努力の結果が、他人を利用した八百長試合にたまたまなってしまっただけ。

 ただ自分のことのみを考えた末の、目先の過程ばかりを重視した1人のプレイヤーの姿であった。

 

「他人の目や気持ちなんて考えても無駄無駄無駄! 所詮人間なんて自分1人のことだけ考える生き物なんだから!!」


「っ!」


 これが自分が目指したバトルワールドプレイヤーの姿かと思考が停止していた繁。

 だが羽織のその言葉は、そんな繁の目を覚まさせる。



「……どうやらこのバトル、負けるわけにはいかなくなりましたね」


「は? あんたなに言って」


 訝し気に繁を見る羽織。

 彼女の考え、自分以外を考慮するだけ無駄という意見を否定する術を繫は持っていない。

 だがそうではない生き方を選び、ずっと苦しんできた少女がいることを繫は知っている。

 バトルワールドを通して語り合い知った彼女の苦悩。

 それを知る自分が、どうして安易に認めることができようか。



「千装 羽織プロ。あなたにバトルを申し込みます」


 それはもしかしたら、御園 繫にとって初めての経験だったのかもしれない。

 自身の情熱のままではなく、他者の尊厳を守るため。

 そうした戦いを臨む繁の心は、先ほどの雑念などもはやかけらも残っていなかった。



バトルワールドにおいて、ジャッジという身分は特別な意味を持ちます。

その存在は時に天秤の支柱に例えられ、ただルールに則り裁定を下す存在。

故に絶対的な公正さが求められ、そのせいもあってか日本国内のみならず世界的にジャッジの絶対数は急務となっています。



想像を絶する栄誉に比べれば、プライドや尊厳など如何ほどの価値があるだろうか?



バトルワールドに関するQ&A


Q:フィールドに出ている相手ユニットを対象に【全ては幻】を使用しコスト、タイプ、世界、種族、ステータス、効果を全て失わせました。その後手札のコスト10のカードを指定し【大将軍の計略】を使用。コスト10以下の相手フィールドのカードは破壊され、その際に【全ては幻】の効果を適用されている相手ユニットは破壊されますか?


A:破壊されません。【全ては幻】の効果が適用されたユニットは【大将軍の計略】の破壊対象には含まれないからです。

Q:何故ですか? コストを持たないならコスト0ではないのですか?


A:【全ては幻】の効果が適用された場合ユニットコストの扱いは0ではなく、コスト数値が失われているという裁定です。【大将軍の計略】はコストの数値を参照する効果であり、数値が失われているカードは破壊対象に含まれません。



Q:【トップ争い】が適用された状態のフィールドで1番戦闘力が高いユニットを相手がコントロールしています。その状態で発動後に装着カードとしてフィールドに残るサポートカードで自身のユニットを強化し対象のユニットがフィールドで1番戦闘力が高い状態になりました。

この場合【トップ争い】の効果、1番戦闘力が高いユニットはサポートカードの効果を受けないが適用され装着カードの効果を受けず戦闘力が戻り1番戦闘力が高いのは相手ユニットの状態へ。

しかしこれにより再度装着カードの効果が復活し戦闘力がまた1番高い状態へと変化します。この処理が延々と続くと予想されますがその際はどのようにしたらよいですか?


A:現在調整中となっております。バトル中に上記ご質問の状況が再現された際には、対戦相手の方とよく話し合い双方納得のいく判断を下していただければ幸いです。

またその場にジャッジがおりましたら、ジャッジの判断で進めていただきますようお願い申し上げます。(※この裁定は古い情報です、最新の裁定は【こちら】)



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