第006話〜ログアウト〜
禁止事項の(有)無も確認したことだし示されたバナーをクリックする——ところでコロナちゃんから、
「——としていただくところでしたがルシア様の治界で何かあったようですっどうぞ一度ご帰界くださいませっ……あ、当地では左の御指で二度空をお突きになりますと煩いなくご帰界いただくことが出来ますっ!」
唐突なこれって……アレか?遠回しなログアウト勧告。バイタル的に何か引っかかったかな?まだログインして二、三時間しか経ってないはずなんだが。
ん〜まぁ、これからいよいよ醍醐味の“神様ムーブ”だったんだろうがそこまで強行する理由も無いし一旦落ちとくか。誰からか通知来てないか確認して——気になった事も調べてこよう。あとトイレ。
「ありがとうコロナちゃん。じゃあ……ちょっと戻ろっかな。コロナちゃんはこの後どうする?」
「はいっ厨房で3D……じゃなくって!二……カウンターの受付業務に戻りますっ」
厨房と3Dの釣り合わなさよ……思い付くのは食品サンプル……いやまぁそれは良っか。
「そっか。疲れてないなら……いや疲れてなくても休みはちゃんととってね?じゃあ用事済ませて戻ったときはまたよろしくね」
そうして俺は左手人差し指と中指の腹で空中をノックするように二度叩く。
案の定、パネル(但しネーム設定のときとは違うラインナップ)が現れたので、『帰界』をタップする。これ初めてやって突き指した人いねーのかな?いねーか。
徐々に五感が薄れて……いや、視覚は残ってるのか?柔らかな闇を感じる。あと触覚も残ってるのかな?
何となく五感全部に対するアハ体験チックだな。背中に圧力を感じ、瞼を開けると天井の常夜灯が目に入った。
「ふぅ」
ぺたぺた……うむ現実だ。ちょっと残念……いや、自分の胸触ってもな。
携帯で時刻を確認する……前に滅茶通知来てるな。そういえばサークル部屋にOBが来てそのまま飲みたい奴らを連れてくみたいな話だったか。……げ。ウチ来て飲み直すだと⁉︎……う〜ん、まぁいっか。丁度のタイミングでログアウトさせられたし。面子の一人が丁度話したい同期だったし。俺が今夜バイト無かった事に感謝するが良い。
そしてやっぱり三時間も経っていなかった。今後もこの頻度でバイタル引っかかるとしたら休日に思う存分ダイブするのに障りがあるか?……いや、このくらいで区切ってた方が細く長く楽しめそうか。俺的にはもっと長くダイブしてても全然まだまだ余裕な気がするんだけどな。
と。
ピンポーン♪
……わぉ。返信する前に襲来するとか。




