第2章 : 放課後、過去の残響(第1部)
教室を出ようとした時、セサルが私の行く手を阻んだ。
「頼む、思い出してくれ!」
「……いいや、何も思い出せない。セサル、頼むからもう忘れてくれ。何が君を苦しめているのか知らないが、今日は太陽を浴びて、友達と一緒に楽しもうじゃないか。一日はすぐに終わってしまうんだ」
「違う!」セサルは食い下がった。「お前は俺と一緒に来るんだ。真剣な話をしなければならない。時間がないんだ……」
「時間……」 「時間……」 「時間……」
「……時間がない。同じことが繰り返されるのを防がなきゃならない。お前は今すぐ、思い出さなきゃならないんだ」
セサルは、まるで幼い子供を扱うかのように私の手を引いた。彼は大柄で力強く、小柄な私には拒む術はなかった。
「あの時、俺たちは全員死んだんだ。最初に起きたことを思い出せ。それはまた繰り返される。罪人も聖人も、皆同じように地に伏したんだ」セサルが耳元で囁く。
「……何を言ってるんだ? 狂ったのか?」
「違う、違うんだ。狂ってなんかいない。ジオ、ここができる前、別の『何か』があった。正確にはわからないが、ここじゃなかった。夢の中で見えるんだ。俺の奥底にある何かが、それを見せるんだ。夢の中に、青い瞳の少女がいる。彼女は後悔している。誰かはわからないが、俺は彼女に問うことができた。なぜなら、俺には見えるからだ……あの遠い戦場が。**『紅の獣』**が……。彼女は俺の手を取り、こう言った」
『落ち着いて……もう終わったのよ』
『もう、終わったの』
『もう痛みはないわ』
(セサルの頬を涙が伝う。だが夢の中の彼は、なぜ自分が泣いているのか知らない。彼は、ジューンが『紅の預言者』の手にかかって死ぬ瞬間を、その目で見ていたのだ)
『もう終わったの……その言葉は時間を超え、魂にまで鳴り響く』
「……お前も彼女を見たはずだ。そして、お前に**『水晶の心臓』**を授けたことも知っている」セサルが告げる。
「……なぜそれを知っている?」
「ビジョンの中でお前が言ったんだ」セサルは釈明するように言った。 「これは、何度も繰り返されてきたことのうちの一回に過ぎない。俺はそう言っているんだ」
「わかった、わかったよ。君の言い分を聞こう。一体何を伝えたいんだ?」
「すべてが再起動する前、お前が俺に説明してくれたんだ。他の連中は忘れてしまったが、俺はまだ忘れていない」
『この外側では、死者の魂が宇宙を創り出している。俺たちのための宇宙を』
『そして、そこから——』
『俺たちはやってきた』
『あの魂こそが、俺たち自身なんだ』
たとえ肉体を持ってここにいたとしても、魂は自分自身のものだ。方法さえ知っていれば、手を伸ばすように魂に働きかけることができる。
『魂は去らない。彼女は常に『今』に存在するのだから』
『去ることができるのは、肉体という存在だけだ』
『魂は決して滅びない』
『魂たちが宇宙を創り——』
『互いに共有し合っているんだ』
「……一体誰がそんなデタラメを吹き込んだんだ、セサル! 神にかけて、もうたくさんだ……」
「お前だ」セサルの厳かな言葉に、私は口を閉じ、思考を巡らせざるを得なかった。
「……じゃあ、私は何のためにそんなことを君に言ったんだ?」
「お前は……そうだ、こう言ったんだ。『二度と繰り返さないために』と」
「何を繰り返さないために?」
「……正確には思い出せない。だが、ひどく重要なことだったはずだ。はっきりとは思い出せないんだが」
「ああ、もういい! セサル、この馬鹿げた世迷言には付き合いきれない。もう行くよ。せっかくの一日が台無しだ……」
「——思い出した!」 断続的だが確かな言葉が、セサルの口から溢れ出した。
「『ヴェレディクト(判決)』を倒さなければならない。繰り返しを止めるために」
「しっ! 頼むから静かにしてくれ、セサル。その話はもう聞きたくない。……私は行くよ」




