いつかの体験
あえて、フィクションかどうかは言わないでおきます。
楽しんで読んでいただければ幸いです。
肉の感触
響く音
それらを感じながら僕は......手に力を入れた
ある日、ふと自分の手を見ると知らない記憶が蘇る
首を絞めていた......
知らない女性だ、知らない部屋だ
彼女を黒い髪をしていた長く綺麗な髪だった
彼女の体は細かった、健康的な体をしていた
そんな彼女の首を僕は今、絞めている
なぜか、と聞かれると自分でも分からない
体の自由も効かないのだ
そんなとき、「なんで......」「どうして......」
と、か細い声がした
目の前の彼女からだった
そんなことを聞かれても僕にだって分からない
でも、なぜか不快感も罪悪感もしなく自然とさらに力を込めた
手には首の肉の感触
彼女の涙で濡れる手
か細く聞こえる彼女の声
自然と口角の上がる口
さらに僕は、力を込めた
そして彼女からなにも感じなくなった......
体温も抵抗する力も声も......
そんな記憶が蘇った
いつの記憶だろう
今まで人を殺したことなんて無いはずだ......
多分、大多数の人間は「夢だ」なんて言うだろう
しかし、夢では無い気がするのだ
気がするだけ、と言えばそれまでだ
でも、なぜか今もなお不快感も罪悪感も全くしなく
僕の口角はまた......
自然と上がっていた
ご拝読ありがとうございます。
自分の2作品目となります。
楽しんで読んでいただけたなら良かったです。




