機械判人vs魔女と剣鬼
――それは一瞬だった。
背後から、鋭い風が駆け抜ける。
「っ!?」
閃光とともに、彼の剣を握っていた右手が切断されていた。落ちた模擬刀が、カランと乾いた音を立てる。
「気配を隠したつもりでも、私は“剣”を憎む気持ちで感じ取れますから」
淡い声。だがそこに込められた殺意は、凍えるほどに鋭かった。
妖夢の双剣が再び光を纏う。彼女は完全に、殺意で満ちていた。
彼は一歩、二歩と距離を取りつつ、クロークを解除して構える。
「二人がかり……=) 楽しませてくれるじゃないか」
「ふざけないで! 私の大切な剣を……!」
妖夢が重力鎖に捕らわれるが――
「こんなものっ!」
剣が唸りを上げ、鎖ごと切り裂かれる。
彼は弾幕を連射し、距離を取りながら回避行動に入る。その背後を、魔理沙の怒声が追う。
「逃がさねえよっ!」
魔理沙のほうきが彼の進路を塞ぐ。
「なら、行くぞ──!」
彼が背後からチェーンソーを展開、魔理沙に斬りかかる。唸る刃がほうきとぶつかり合い、火花を散らす。
──ガリガリガリッッ!!!
「……ふん、削れてんのは、そっちの刃のほうじゃねえか?」
彼のチェーンソーの刃は欠け、ギチギチと軋む音を立てていた。
魔理沙が距離を取り、上空に飛び上がる。
「派手にいくぜ……! 恋符!!」
大地を焼き尽くす光の奔流が彼に襲いかかる!
「──!」
彼はすかさず、背中からアームを展開。ビームを吸収・圧縮し、そのまま反射の構えを取る。
だが――
「そこまでですっ!!」
妖夢が横から斬りかかる。
魔理沙が「止めろっ!」と叫ぶが間に合わない。
妖夢の剣がアームを切断した瞬間、暴走したエネルギーが逆流し、巨大な爆風となって三人を包み込んだ――!
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