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ボロボロの人形と協力者

暗闇の中、かすかな機械音が耳に届く。

彼の意識はぼんやりと揺らぎ、身体の重みが徐々に消えていくのを感じていた。

薄れゆく視界の端に、白衣を着た影が何人か動いているのが見えた。


「……起きろ、判人」

低く冷静な声。誰かが彼の身体を支え、抱え上げている。


運ばれる感覚。冷たい金属の床が近づき、無機質な空間の匂いが鼻をついた。

「まだ意識はあるか?」

声が近づく。彼は微かに目を開け、ぼんやりと周囲を見渡す。


そこは機械とモニターが並ぶラボだった。

天井の蛍光灯が白く眩しく、彼の鎖で汚れた服は無造作に剥ぎ取られていた。


「ここは……?」

彼の問いに、白衣の男が静かに答えた。


「安心しろ。ここは安全だ。今は治療と調査が必要だ。」


彼はゆっくりと目を閉じ、体の痛みと混乱が押し寄せる中で、今後の運命を漠然と考えた。

冷たいラボの無機質な光に照らされ、彼は朦朧とした意識の中で目を覚ました。


「……おっと、ようやく目覚めたな」


低く、不気味な声が響く。振り向くと、歪んだ笑みを浮かべる男が立っていた。


「お前が迷い人か」


「……どこだ、ここは?」


男は手に持った注射器を眺めながら、じわりと近づく。


「ここは私のラボだ。お前の身体は瀕死の状態だった。助けてやったんだ、感謝しろ」


「なぜ……?」


男は不敵に笑った。


「なぜって?面白そうだからだ。お前のような異邦人がこの世界に迷い込むなんて、なかなか稀有なことだ」


「カラクリ……」


「そうだ、私はカラクリ。科学の力でこの世界の真実を暴く者だ。……そして、今はお前の力が必要だ」


彼の疑念に構わず、カラクリはゆっくりと近づき、その銀色の義手を差し出す。


「お前の身体を修復し、さらに強化してやろう。私の実験に付き合ってもらう」


判人は迷いながらも、そこにわずかな希望を見出した。


「……わかった、話を聞こう」


「よし、それでこそだ」


カラクリの瞳が狂気の色に輝いた。



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