鏡写しの自分
「カラクリ、聞こえるか」
敵の鋼鉄メカ3体を相手に、剣を弾かれ、チェーンソーも通じず、彼は静かに通信を開いた。
《ああ、聞こえている。どうやら分が悪いようだな?》
「装甲が厚すぎる。あのチェーンソーすら通らない。対処可能な兵装は?」
《ふむ……仕方ない。実はな、試作中の“君の補佐用ロボット”を修理し、調整しておいたのだ。今、起動させる♥》
通信越しに唸る機械音。彼は背後の通路に一瞬だけ視線を向ける。
直後、コンクリートの壁を破り、一機の人型ロボットが飛び込んできた。
──白髪、仮面、そして──右手に多銃身式エネルギーガトリングガン、左手にナイフ型のエネルギー兵装を装備している。
「プロトタイプ・リペア──出撃します」
声は低く機械的。だが、間違いなく“彼”の姿を模していた。
直後、ロボは膝を落とし、機関銃からエネルギー弾を掃射。レーザーと重力鎖を織り交ぜた波状弾幕が、1体のメカの腕を破壊する。
《どうだ? なかなかやるだろう。強化型光学照準補助、君のマスタースパークの再現弾も搭載済みだ》
「そうか」
彼は一瞬だけ笑みを浮かべる。
「なら、使わせてもらう」
左腕を広げる。アームが展開し、エネルギーを吸収・収束していく。
──ブウゥゥン……
辺りが光で満ちる。
「模倣・超高出力照射――マスタースパーク」
爆発的な閃光が、メカの中央を貫いた。
それでもまだ、倒れない──が、装甲の一部が剥がれ、動作に鈍りが生じる。
「この程度か」
クローンロボが冷静に言い、横合いからもう一体に連続射撃。
《いいぞ、いいぞ♥ 君のデータが役に立って嬉しいよ!》
「……戦闘継続。ここで終わらせる」
二人の彼──本体とロボが並び立ち、なお動く鋼鉄の敵たちに再び挑む。
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