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機械の追跡者
彼が宿での戦いを終え、偽装したまま路地へと消えていった直後。
瓦屋根の上──
無数の視線が、ひとつの焦点を見つめていた。
木製の外装に身を包んだ、小型偵察機。にとりが開発した「観測型自律探知ロボット」だった。
> 『──目標、移動中。行動パターン、乱数多発。追尾難度、中。』
その背後、通信を受ける別のロボが、地下水路の奥で目を光らせる。
> 『対象判人、非河童製義体パーツ多数。
カラクリ由来の技術あり。独自進化あり。優先度:高。』
別画面。にとりがモニター越しに言葉を吐いた。
> 「……あの裏切り者、どこまでのものを作ったのかしらね。
まあいい、全部データにしてもらうわ」
にとりは微笑む。
> 「おもちゃが壊れる前に、どこまで走るか見せてもらおう」
追跡はすぐに始まった。
偵察ロボは数体が交互にターゲットをマークし、各所に配置。
地下水路、街道、空中──逃走や潜伏、動きの一つ一つが記録されていく。
それに気づかぬまま、彼は旧都の奥へと歩を進めていた。
が、彼の背後には、電子の瞳が光り続けていた。




