祈ろう
体に気をつけてね。
冷えるようになるから。
優しい言葉をもらった。
精一杯の文字だった。
無理しないでほしい。
こちらも出来ることをする、
優しい気持ちでいたい。
さりげなくいたい。
愛し合ったわけでも、
寄り添ったわけでも、
ないのはわかっている。
だけど祈ろう、
健やかを祈ろう。
お世話になった人に、
大切に思える人に、
贈り物だけしようか。
冷たい季節に合わせて。
昔の友達にしても、
今を知る人にしても、
贈り物には何がいい。
よくわからないままだ。
共に生きたわけでも、
旅をしてきたわけでも、
ないから忘れないで、
せめて祈ろう、
安らかを祈ろう。
努力をしてきたこと、
許して信じてきたこと。
自分は気づかないでも
誰かは救われたろうか。
一人一人にあるのが、
何かの役割ならば、
祈りながら生きるのも、
わからないでもない。
見知らぬ国があって、
見知らぬ町があって、
見知らぬ人の気持ちを
やはり祈ろう。
幸せを祈ろう。
たくさんの喜びとか、
たくさんの悲しみとか、
心に重なり合ううちに、
心は膨よかになるとか。
それはそうかもしれない。
それはそうだとしても、
押しつぶされてゆきそうで、
何かに掴まる人もいる。
何かできることはある。
いつかたどり着けもする。
雨上がりのお天気を
ここは祈ろう。
膨よか祈ろう。