10 "怠惰は不良に崩される"
登校初日から数日が経過し、秋峰での生活にも慣れてきたと思う。少ないが友人もできたし、まぁ順風満帆といったところか。
移動手段が通常の交通機関しかないのが苦痛だが、幸いにも頼もしい人力車こと友人こと家族の妃蝶がいる。この体力のなさが浮き彫りになることもなさそうだ。
そして今日は待ちに待った土曜日、つまり…
「昼過ぎまでダラダラおやすみだぜ…」
ベッドでぬくぬくしながら眠ろうとしたところでピーンポーンと部屋のチャイムが鳴る。
なんなんだ、いまからおやすみタイムだというのに。宅配を頼んだ覚えはないぞ。
「よう、遊びにきたぞ。」
バタンと扉を閉め、ベッドに戻る。
なんだか金髪の不良青年がいたような気がするが、気の所為というやつだろう。それに家も教えてないはずだ、ここがわかるはずも…
「勝手に閉めんな!」
「不審者がいたら普通閉じるだろ。」
「チャイムも押したしメールも送っただろ!それにオレは不審者じゃねぇ!」
「ところでなんの用だ?」
「ところでって…まぁいいや。さっきも言った通り遊びに来たんだよ。」
「断固として拒否する。」
「えぇ?」
「今日は家でゴロゴロするんだ!」
今日は寝てお菓子食べてゲームしたら昼寝するんだ!外に出る気など一切ない!お家バンザイ!
「しょうがねぇ、強硬手段に出るか。」
「やってみろ!俺は絶対に動かないぞ!」
涅巴はそう吠えていたが結局ヒョイと簡単に持ち上げられてしまう。
「思った以上に軽いな女子みてぇ、妃蝶が軽々と持ち上げられる訳だな。」
「くそ、うおぉぉぉ!」
涅巴は釣られた魚のように暴れるが、抵抗も虚しく家の外へと連れ出される。
「…つかれた。」
「ほんと体力ねぇな…」
「んで、どこに行くんだよ。あんまり遠いところは嫌だぞ。」
「とりあえず、もうすぐ昼だしラーメンでも食いにいこーぜ。」
「はぁ…奢りな。」
あれだけ暴れていたが、すんなりついていくあたり案外乗り気なのだろう。…はっ、まさかツンデ
「黙れテロップ。」
「なんか言ったか?」
「なんでもね、つーかなんで俺の家がわかったんだ?ストーカー?」
「ちげぇし、なんでお前はオレを犯罪者にしようとすんだ。」
「妃蝶に教えてもらったんだよ、居候してるって聞いてたし。」
あんのおバカ機長が、本物の飛行機にしてやろうか、あとで仕返しだ。
「それじゃ、レッツゴーだ!」
こうして友親に連れられた涅巴はおでかけにいくのであった。




