レッドとルーク
「で、どういうことなの?」
レッドはぐんぐんと大空を進んでいく。
恐らく、目的地に向かって。
「ああ、何で利子を迎えに来たかって?そりゃあ、ミカが言った事そのままだ」
「…ルーク、あんた家を継ぐんじゃなかったの?」
「俺には兄弟があと三人もいるからな。四人で力を合わせて仕事をしていれば、そうそう時間が作れないなんてことはない」
「…私のために色々調べてたって。あれ、本当?」
「だって、帰りたかったんだろ?レッドからも聞いたぜ。そう言って泣いてたんだ、って」
私は驚いた。
だって、ただ一緒に世界を救っただけの関係だったルークが、そこまでしてくれるなんて思わなかったから。
「感謝してんだよ、これでも。一緒に世界を救ってくれたこと」
ルークは笑う。
いつも通り、楽しそうに、何も考えてなさそうに笑っている。
本当は、誰よりも皆の幸せを願っている癖に。
「ありがとな、利子。今度は俺が助ける番だ」
その言葉が、私はとても嬉しかった。
だって、ルークからお礼を言われるなんて思わなかったから。
「ちょっとルーク!なに一人だけかっこいいこと言ってんの!」
レッドが抗議する。
「僕だって、利子には沢山感謝してるんだよ!利子は僕達ドラゴンみんなの恩人なんだから!」
「知ってるよ、何回も聞いた。ドラゴンの救世主だって」
ルークの言葉に、レッドはふふんと得意気にした。
「利子との付き合いは僕の方が先なんだから」
どうやら、見た目は成長しても、中身はまだまだ子供みたいだ。
「あ、見えてきたよルーク。あそこに降りればいいんだね!」
「そうだ。そしたら、後は俺に任せろ」
ルークと共に下を覗き込むと、大きな誰かの銅像の真ん前に、大きな魔方陣が描かれている。
レッドがゆっくりと降りていき、銅像が近づいていくにつれて、段々とその全貌が明らかになっていく。
「ねえルーク、あれってまさか…」
私の言葉にルークは笑って答える。
「そうだ。あれは二百年前に世界を救った英雄。佐野猛志の銅像だ」




