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リアドラ ーReturn to the Draftー  作者: Tsuyoshi&松山亮太
第十話『ゴールドバニー』
96/128

#5

 エイクはベッドから起き上がり、本屋に向かった。そして古代和字総覧の本を探し、本を手に取った。


「西小路君・・・・・・いるかなぁ」


 エイクは本屋のあと、図書館に足を運んだ。先日彼と会った席に向かうが、今日はそこに西小路はいなかった。でも、もしかしたら彼に会えるかもしれない、そう思った。エイクは西小路に会えたら、本を渡したいと思い、隣接するアロハカフェで待つ事にした。

 エイクは外が見える席に座り、アイスコーヒーを注文した。席に届けられたドリンクを飲みながら、外を眺めるエイク。

 ふいに、ドアベルが鳴り、入口の方に目をやると、かやのが店に入ってきた。もしかしたら西小路も一緒かもしれないと期待したが、かやのは一人でカウンター席に座った為、エイクは肩を落とす。かやのが店長から話し掛けられていた。


「かやのさん、怪我の具合はどう?」

「ん~、もうちょっとで治りそうだなぁ」

「あら、そうなの? 良かったわね! そういえば、貴女(あなた)に話したい事があるんだけど」


 店長がかやのの注文した料理のセットドリンクと一緒に、一枚のチラシを彼女の前に置く。そこにはみのおモールの広場で定期的に開催されているマルシェの事が書かれていた。


「かやのさんさえ良かったら、これに参加してみない? 正直あなたの料理への姿勢も、技術も目を見張るものがあるわ。設備もキッチンカーのレンタルとかもあるし―――」


 かやのは話の途中でテーブルに置かれた料理を頬張りながら、店長の話を興味津々で聞いていた。話が終わり、「どうかしら?」と聞かれたかやのは、


「やるやるーーー‼」


 と、元気よく答えた。


「フフッ、決まりね。私の方から代わりに申し込んでおくから、早く怪我治しとくのよ?」


 ホクホク顔のかやのは勘定(かんじょう)を済まそうと席を立つと、店内でずっと誰かを待っているようなエイクの姿が目に入った。エイクのドリンクグラスは(から)になっており、気になったかやのは彼に声を掛けた。


「よぉ、エイク。誰か待ってんのか? もうすぐ店閉まるぞ」

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