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リアドラ ーReturn to the Draftー  作者: Tsuyoshi&松山亮太
第九話『癒しのオフトゥンは、6月の山にあったのか。』
91/128

#10(完)

 日が暮れて辺りがだいぶ暗くなってきた。そろそろ帰ろうかという時、紅葉の目の前に、ぽうっと淡い緑の光がふわりと一つ横切った。


「あっ・・・・・・(ホタル)

「おぉ、そういえばそろそろ蛍の時期でゴザったな」

「山道がライトアップされるから、みんなで見に行きましょう! かやのさ・・・・・・」


 毛玉団子になっているかやのに桃音が声を掛けようとすると、


「いまは邪魔しないであげよう?」


 西小路は口に人差し指を当て桃音にそっと言った。桃音も「そうですね」と笑顔で頷く。


「わぁ・・・・・・すごい・・・・・・」


 山道に降りてきた四人は、ポツポツと光り始めた蛍の光が目に入る。小川のせせらぎの中、大滝のマイナスイオンが漂い、無数の蛍の光が舞う。まるで幻想的な光景に、紅葉と桃音が溜め息混じりで、うっとりと見惚れて感動していた。

 かやのも動物達に囲まれ、西小路達も箕面川のゲンジボタル達と共に、清流が(かも)す風流な時間を楽しんだ。



 後日、幸隆がかやのに会いに外国語学部のキャンパスに来ていた。


「やぁ、かやのさん。突然すまないでゴザル」

「お? 幸隆じゃねーか。俺に何か用か?」


 幸隆は先日の大滝で自分がかやのに対して感じた事を伝えた。


「―――それで、かやのさんに次世代アニーゴ開発チームの一員になってほしいナリ」


 かやのはそれなら交換条件として、『動物言語の証明』についての論文の協力を持ち掛けた。それに対して幸隆は、


「拙者で良ければ『何でも』協力させてもらうでゴザルよ!」


 と、胸をドンと叩き、交換条件を飲んだ。


「よっしゃ! じゃあこれからヨロシクな、幸隆!」

「拙者こそ、宜しく頼むでゴザル!」


 幸隆がかやのにビシィッと敬礼をする。ここに強力なタッグが成立した。強い味方が出来て安堵の笑みを浮かべる幸隆と、ニカッと満面の笑顔のかやの。

 自分がかやのに言った『何でも』という言葉の重さの意味を、この時の幸隆はまだ知る(よし)も無かった。


第九話『癒しのオフトゥンは、6月の山にあったのか。』完


最後までお読み頂き有難うございます。

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よろしくお願いします。


次回、第十話『ゴールドバニー』

お楽しみください。

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