#6
それから西小路達一行はみのおモール内のペットショップに訪れていた。そこでは犬や猫は勿論、ハムスターやウサギ、爬虫類や熱帯魚も販売されている。
紅葉や桃音はショーケースに入れられている犬や猫を見て、
「可愛いですわね、桃音さん」
「皆モフモフで可愛いです。どうですか、かやのさん。癒されまし・・・・・・って、えぇ⁉」
桃音がかやのの方を見ると、かやのがショーケースの動物達を見て無言で涙を流していた。どうやら動物達の声が聞こえているらしい。
『ママに会いたいよぉ・・・・・・』『ここから出して・・・・・・』
「待ってろ・・・・・・すぐそこから出してやるからな」
かやのが拳を構え、ショーケースに殴りかかろうとする。それを見ていた西小路が慌てて、かやのを羽交い絞めにしてショーケースから引き離す。そして紅葉と桃音もあたふたしながら、彼女の両腕を押さえこむ。
「放せぇーーー‼」
「落ち着いてください、かやのさん!」「キャー! かやのさん! ダメダメダメぇ‼」
「うおぉぉぉ! お前らぁ、今助けてやるぞーーー‼」
「あかーーーーん‼」
結果、ペットショップにはかやのを絶対に連れて行ってはいけない場所として、西小路達の中で決定事項となった。