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リアドラ ーReturn to the Draftー  作者: Tsuyoshi&松山亮太
第六話『陽炎燃ゆる、ラブマッスル‼』
58/128

#8

 一次ピックアップ審査が始まった。ローガンは不安な気持ちを抑え、ステージ前部に移動し、ポーズの指示に従う。ちなみにローガンのナンバーは5番だ。


「5番いいねー‼」


 ローガンを支持する声援が飛ぶ。確かに彼は選手達の中では一際強い存在感を放っている。体格も他選手と比べてケタ違いだ。まさに月とスッポンという言葉がしっくりくる。

 ローガンは視線を動かして紅葉を探す。観客席からは多くの声援が飛び交っているが、中でも一際白熱している人物を発見した。

 かやのだ。かやのは掛け声こそ無いが、「うおぉぉぉぉ‼」と叫んでおり、かなり目立っていた。ローガンはもしやと思い、彼女の横を見る。向かって右隣りに紅葉が座っていた! 紅葉は手で顔を隠していたが、指の隙間からこっちを見ている。彼女と目が合った。


『小野原紅葉サン! 来てくれたんデスネ! そんなにミーの事を! 見てて下さい、小野原紅葉サン。ミーは・・・・・・ミーは・・・・・・ミーはアナタの為に全力のパワーを‼ 全ての想いをマイマッスルに込めて、全て出し切るデース‼』


 ローガンは紅葉の姿を発見してから、抱えていた不安は全て吹き飛び、心の底から笑顔が沸き上がった。ローガンは渾身のダブルバイセプスのポーズを笑顔で決める。


「上腕二頭筋がチョモランマ‼」


 周りから筋肉を()(たた)える声が聞こえる。それから続いて三ポーズ決めて、一次ピックアップ審査が終了した。

 続いて二次ピックアップ審査が始まる。ローガンは当然の如く勝ち残っている。ここでも進行役からポージングの指示が入る。選手一同、歯を食いしばり全身の力を込めて、己の筋肉の逞しさ、そして美しさを全力でアピールする。


「24番、肩にジープが乗ってるぞー‼」

「5番の肩が高級デカメロン‼」


 ローガンと同じぐらい声援をもらう選手がここで現れた。筋肉の量や体格ではローガンが圧倒的だが、一つ一つのパーツの締まり、そして筋肉と筋肉の間の溝がくっきりしていて、メリハリが美しい。アメリカ人と日本人ならではの体格差はあれど、ローガンにも引けをとらない整った肉体の持ち主。それが24番と呼ばれた選手だ。

 ローガン自身もそれは感じていた。今大会での最大のライバルは24番の彼だろうと。ポージングの指示も進んでいく中、24番への名指し声援が多くなっていく。そして二次審査はややローガンの劣勢で終了した。

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