#2
それから西小路はローガンに基礎的なマシーンの使い方を一通り教わった後、ダンベルを使ったアームカールを教えてもらっていた。
「ところで、ミスター・西小路。ユ、ユーは小野原紅葉サンとは、ど、どうやって仲良くなれたのデスカ?」
ローガンはその体格から大学でも目立った存在で、講義の時は周りの生徒達に気を遣っており、いつも一番後ろの席で受けていた。だからいつも講義で西小路が紅葉と仲良く話したりしている姿を見ていた。彼は紅葉に一目惚れして淡い恋心を抱いており、どうしたらお近づきになれるのか悩んでいるのだ。体格の割りに、シャイボーイらしい。
「あぁ、紅葉ちゃんとは―――」
―――西小路は、紅葉のペットを一緒に助けに行った事や、自分が探偵事務所を構えるに至った時の事などを淡々と語った。ローガンはその話を聞いて、かなり焦った顔をして、
「ユー達は、も、もしかして、こ、恋人同士なんデスカ⁉」
と、西小路に尋ねるが、
「そんなんじゃないよ」
と、西小路は笑う。それを聞いたローガンは不安が吹き飛んだのか、豪快に笑いながら、
「OH! そうデスカ! HAHAHAHA! そうだ、ミスター・西小路。ミー達、グレートフレンドになりまショウ‼」
と、握手を求めた。ローガンはあわよくば紅葉とお近づきになれたらと期待していた。