#5
後日、調査報告として、アイが呼ばれていた。
「キィーーー‼ なによ、このモヤシみたいなボウヤは‼ 肩なんて抱かれちゃって‼」
現像された写真を見て、荒れ狂うアイ。彼が落ち着いてきたところで、西小路とかやのが更に燃料を投下した。最初に二人がホテルに入った時の事、尾行の際に回った店や購入していた物、逢い引きの時の様子などだ。尾行中の事は西小路がほとんど放心状態だったので、かやのがほぼ話していたが・・・・・・。
「もう許せないわ‼ アタシの体を散々『改造』しといて、他のオスにも手を出すなんて‼ 懲らしめてやる‼」
「おっ、じゃあ俺の出番だな」
かやのは拳をゴキゴキ鳴らして、ニタァと笑う。
「お嬢ちゃんみたいな細い体じゃ、絶対無理! 返り討ちに遭って死んじゃうわよ? アタシですらプレイ中は勿論、プライベートでも何度殺されかけたかわかんないわ?」
そう言いながらアイは上着を脱ぎ、机に右肘を置く。肩から腕にかけて彫られた蛇のタトゥーが、筋肉の脈動によってまるで生きているようにかやのを睨む。
「マコトさんにお仕置きするなら、最低でもアタシを倒してからよ?」
「俺の実力見せてやんよ」
かやのも上着を脱いで肘を置き、アイの太く逞しい腕に怯まず、彼の大きな掌を掴む。
「お嬢ちゃん、度胸と無謀は違うのよ? それじゃ、いくわよ。レディ~・・・・・・ファイィィィイイイイッ⁉」
アイの掛け声と共にズドンッッッ‼ っと音を立て、アイは一瞬で体ごと右側に倒された。何が起きたか理解できず目を丸くしている。
「これで文句ねぇだろ?」