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リアドラ ーReturn to the Draftー  作者: Tsuyoshi&松山亮太
第四話『ソウテイのミラージュ』
31/128

#1

日曜日の午前六時、箕面市石丸の住宅地。山に続く道沿いにある閑静な高級住宅街のはずれに、一際目立つ洋風の城のような外観の大豪邸があった。その豪邸から毎朝決まった時間に、優雅な弦楽器の旋律が流れてくる。それを演奏するのは紅葉だ。



ところ変わって同時刻、大阪箕面大学前。最近までは昔からのビルが立ち並ぶ古いオフィス街だったが、大学の建設を機に徐々に周囲の古いビルを取り壊し、新しく建て直してお洒落な街に変わりつつある。

その景色の中でラジオ体操という、昔からのある意味、朝の伝統行事に、西小路は毎朝参加している。今日も朝の空気が美味しい。



午前七時少し過ぎ、再び紅葉宅。色とりどりの季節の花が咲き誇る庭園にて、紅葉は鼻歌まじりでシャワーヘッド付きのホースを使い、花に水やりをしている。

水やりが終わると、石丸をブラッシングで綺麗に毛並みを整える。その後に自分も化粧をし、上品で綺麗な服に着替えて髪型もヘアーアイロンや髪留めを使ってセットする。

身支度が整ったところで、彼女は朝のティータイムをたしなむ。



一方その頃、今宮三丁目の探偵事務所トリックスターフォックスにて。

西小路は普段着の私服から、探偵用のスーツベストに着替え、ケトルでお湯を沸かしながら珈琲豆を手動のミルで挽いている。深煎(ふかい)り豆の香ばしい香りが漂う。

挽いた豆をフィルターに入れて細く湯を注ぎ、じっくりと抽出する。淹れたての珈琲を手に、事務所に向かう途中で購入した新聞を机に広げ、記事を読んでいる。

すると、彼はとある記事に目が止まった。


「さっきの話はこれの事か・・・・・・物騒だなぁ・・・・・・」


先ほどラジオ体操をしている最中に、自分の後ろで近所の奥様方が『若い女性の連続失踪事件』の事を話していたのだ。そこで耳にした大まかな情報と新聞の記事の内容がほぼ一致していたので、西小路は失踪した女性達の顔写真を眺めながら珈琲をすする。

新聞を読み終わり、時計を見ると、


「あっ、そろそろ出ないと」


西小路は用事を思い出し、事務所をあとにした。

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