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リアドラ ーReturn to the Draftー  作者: Tsuyoshi&松山亮太
第三話『スプリング・ハリケーン』
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#6

 授業が終わり、キャンパス通りを歩きながら、紅葉はかやのにも体調の事を訊いた。


「かやのさん、お腹の具合は大丈夫ですか?」

「ん? あぁ、とりま血は止まったが、まだ少し痛ぇな」


 かやのは食中毒なのだと紅葉はずっと思い込んでいたが、血と聞いて女性特有のものだと気付いた。彼女は慌てて隣にいる西小路に聞こえないように、小声でかやのに謝った。


「そういえば、早くそこの『()(のお)(せん)()(はん)(だい)(まえ)(えき)』が出来ると良いですわね。そうすればもっと便利になりますし」


 キャンパスの前で紅葉が(しん)()(どう)(すじ)道路の方を見て、二人に話を振った。かやのは「便利になるのは助かるな」と紅葉に返すが、西小路は無言だった。



 その後一同は解散し、西小路はかやのの部屋に来ていた。かやのは机の上のラジオをつけた後、手鍋でインスタントコーヒーを沸かしはじめた。

 ラジオからはタッキー816みのおエフエムが流れている。


「いや~、しかしこの間は驚いたよ。まさか妖怪に襲われるなんてね」


 西小路は先日の事をかやのに話すと、彼女は「ふーん」と興味なさげに、


「んなもん今更だろ」


 そう答えながら、二つのキャンプ用タンブラーに珈琲を注ぐ。かやのの言葉に、「それもそうか」と西小路は納得した。

 珈琲を飲んでいると、西小路の耳に気になる話題がラジオから流れてきた。栃木県那須町にある『殺生石』が綺麗に真っ二つになっていたのを近隣住民が発見したとの事だ。


「殺生石が・・・・・・? もしかしてあの狐・・・・・・その時に漏れた妖力を?」

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