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リアドラ ーReturn to the Draftー  作者: Tsuyoshi&松山亮太
第二話『春の星は、おぼろに柔らかい』
16/128

#6

「あら、想像していたよりも(ほこり)は溜まってませんね。これならすぐ終わりそうですわね」

「ハハハ、一応少しずつ掃除はしてたからね。ところで何でマルちゃんが?」

「マルちゃん? あぁ石丸さんの事ですか? この子は寂しがり屋なので」


 紅葉は石丸も連れて来ており、石丸もぴったりと紅葉にくっついている。

 それから二人は掃除用品を取り出し、部屋の隅々を掃除し始めた。西小路の言った通り、埃などの汚れは少なく、掃除は案外早く終わらせることが出来た。

 掃除が終わってひと段落し休憩しているところに、ちょうど家具業者が到着したらしく、部屋のインターフォンが鳴る。石丸は終始部屋の真ん中でコロコロと転がっていたようだ。


「あっ、家具が来たかな? はーい、今出ます。マルちゃん、ちょっとごめんね」


 西小路は石丸を避けて、玄関に向かう。ドアを開けると業者が家具類を持って立っていたので、そのまま中に入ってもらう。部屋のレイアウトを書いた紙を見ながら、彼らに組み立てと配置をお願いした。

 約一時間くらいで作業は終了し、西小路と紅葉は小物の包装を取り、家具の上や、内部に小物の配置を始めた―――。


「―――このコーヒーミルはどちらに置きましょうか?」

「えっと、それはそこの棚に置いてくれるかな?」


 それからしばらくして作業も終わり、事務所内は玄関から見て右側に応接室。そして、左側にはカウンターテーブルを配置したカフェを思わせる、喫茶スペース兼お茶汲み用の給湯スペースとなった。

 家具や小物は全てアンティーク調で揃えられていた。


「思った通り、上品で素敵な内装になりましたわね」

「いや~、本当に紅葉ちゃんには頭が上がらないよ。本当にどうもありがとう」

「ふふっ、良いんですよ。それじゃあこれから・・・・・・」

『ぐぅ~~~~~』


 紅葉が何かを言いかけた時、二人の腹の虫が同時に鳴いた。その音の大きさに思わず二人とも笑いがこみ上げた。


「アハハハハハッ、凄い音だったね。何か食べに行こうか?」

「ウフフフ、そうですわね。あ、それなら『みのおモール』に行きませんか? あそこの美味しいパン屋さんのカレーパンが食べたくなっちゃいました」


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