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上を向いて

作者: 檸檬koY

視力が低下すると、何かと生活が不便だ。

自分は社会人になって、パソコンを使うようになってから視力がみるみる低下した。今ではお風呂に入るときにも眼鏡が必須な状態だ。仕方がないといえば仕方がないのだが、視力は高い方が良いに決まっている。

そういった思いもあって、子供には視力を低下させないように十分に注意して育てた。そのはずだったのだが。


「ねえ、お父さん。健康診断があってさ、眼鏡が必要だって言われた。隠れてパソコンやっていたからかも。ごめん。」


中学生になった息子から、そんな話をされた。ぼそぼそと、小さな声で。

まず最初に、親の思いも知らないでなんたることかという怒りが湧いた。ごめんではないんだ。ごめんでは。


「なあ。お父さんさ、お前が小さい時からずっと話してきただろ。目だけは悪くするなって。・・・そうかあ。・・・そうなのかあ。」


怒りという感情はすぐに引っ込んだ。それよりも、悲しくなってきてしまった。


「なあ、健康診断で言われる前に、今まで生活していて視力が悪くなってきているって気が付かなかったのか?黒板とか、あとは、遠くの人の顔が見えにくくなっているとか思わなかった?」


息子はまた、ぼそぼそと口を動かし始めた。


「席は前の方だから、黒板の文字が見えにくいとかは無かった。あと、学校にいるときとか基本的にはずっと下を向いているから・・・目が悪くなっていることには気が付かなかった。」


視力が低下したことは悲しいが、それ以上に・・・。


「・・・そうかあ。そうなのかあ。・・・目が悪くなったことは仕方がないけど、これからは、せめて、上を向いて生活しような。なあ。」

読んでいただき、ありがとうございました。

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