第九話「緊急事態!?かもしれない」
こんにちは!本日二話目です!
第九話
俺がスターリングウォードについたのは、魔の森を出てから割とすぐだったはずだが、空を見るともうすっかり日が暮れていた。門番の騎士の人にライセンスを見せたが、その時門番は何やら凍りついていた。まぁそんなことはいいや。何でも今、とにかく疲労がやばいのだ。それこそ今にも倒れてしまいたいくらいに。
その後少し歩いて何とか冒険者協会までたどり着くことができた。
ギルドの中に入るとエレナさんが俺を見るなり駆け寄って来てくれた。俺はどうやらそれを見て安心し、その瞬間意識が途切れた。
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「んっんぁー?」
目が覚めると、俺はどこかで見た覚えがあるソファの上で寝ていた。起き上がって伸びをすると、後ろから声がかかった。
「起きたか?ソラ。それにしてもお主大丈夫なのか?ひどい傷でギルドに帰ってきて、倒れた時はエレナが大騒ぎだったんだぞ。まったく、まぁ無事なら取り敢えずそれでよい。だがしっかり説明はしてもらうぞ、これについてな。」
そうレイスさんは俺に声をかけてきた。
「は、はい。俺もかなり疲れているので手短に説明します。
えーっとまずですね。俺は今日初任務としてゴブリン討伐の依頼を受けました。それで俺は魔の森に向かい、森に入ってすぐの場所でゴブリンの群れを見つけました。数は10くらいです。一応討伐証明部位は全て持ってきているので後で数を数えてください。それで依頼がかなり早く片付いてしまったので、この後どうしようかと思案していたところ、視界の奥に洞窟があるのを見つけたんです。それで洞窟の中に入ろうとしたら、突如悪寒がして、すると直後洞窟内が光って爆発音がしたんです。そんでもって現れたのが、この黒ローブ骸骨です。正直、コイツと対峙して足がすくみそうになりました。でも、コイツが街に行くのは不味いなと思って仕方なく戦いました。それで何とか勝つことができて、意識朦朧としながら帰ってきた次第です。」
すると、レイスさん何やら目を見開いて驚いたあと、深刻そうな顔でこちらを見た。
「ソラよ。その魔物は見たところネクロマンサーかと思うが、ソイツは言葉を話したか?そして、もし言葉を話したなら何と言っていたか覚えていないか?頼むから教えてくれ。場合によってはかなり不味いことになるぞこれは。」
「え、えぇ。勿論話しますとも。はい確かにソイツは俺に話しかけてきました。確かソイツは"久しぶりの人間だ、運がいい。深層を追い出されたが悪いことばかりではないな"と俺を見て言いました。そんで戦ってる時には、、、、、。レ、レイスさん?大丈夫ですか?」
「ソラよ、今其方が言ったことは真だな?」
そうレイスさんに問い詰められ、俺は頷いた。事実であると。
「不味いな、、、。
あ、あぁソラ今日はもう帰ってよい。本当にありがとうな、コイツを倒してくれて。もしソラがコイツを倒してくれなければ、街は滅びていたかもしれない。本当に感謝する。コイツはな、さっき言った通りネクロマンサーといって別名"死の魔術師"と言われておる。魔物は脅威度別でそれぞれF〜A→S→EXというように分かれている。その中でネクロマンサーはSランクじゃ。ランクEXは、神話級だとか厄災と言われておるのじゃが、つまりソラが今日倒したネクロマンサーは、実質最強クラスの魔物というわけだ。」
へぇなら俺めちゃくちゃ強いってことなのか?まぁいいや。それで何が不味いんだ?
「それで一体何が不味いんですか?レイスさん。流石に今日は無理ですが、俺に出来ることなら協力しますよ。同じギルドの仲間ですので。」
そう俺が言うが、あまりレイスさんの表情は晴れない。
「うむ、Sランクの魔物を倒したソラが協力してくれるのは、かなり心強い、、、だがそれならソラに今日以上の重労働をしてもらうことになるかもしれないのだ。」
何でだ?
「ソラの証言通りならだが、ネクロマンサーとは本来、深層にボスとして鎮座しているような魔物なのだよ。ソイツが浅い層まで来ていて、なおかつ"追い出された"と言っていたなら、深層でネクロマンサーより強い魔物が住み着いたということを意味するようなものだ。それにネクロマンサーがその謎の魔物に追い出されたということはネクロマンサーより弱い、いわゆる従う側の魔物たち全員が混乱状態に陥るということだ。そのような状態の時に起こる最悪の出来事が"魔物大暴走"だ。」
「名前からして何となく意味は分かりますが一応。魔物大暴走とは、本来ならば魔の森に生息している魔物たちが、ドッと逃げ出して街とかに迫ってくるということですか?」
「うむ、ソラの言う通りだ。だが、魔物大暴走はただ魔物が迫ってくるだけに止まらず、その原因となったネクロマンサー以上の力を有する謎の魔物まで街に迫ってくるということだ。
そしてさらに不味いことに、魔の森の中でもう既に魔物大暴走は始まっている可能性が高い。王都含め騎士団や傭兵、冒険者の派遣を急いで要求するつもりだが、正直間に合うか怪しい。だからソラには重労働してもらうことになるかもしれないのだ。
ここは一応軍事都市だから、他の都市よりかはマシだが、あくまで魔物大暴走の脅威の前ではマシと言えるほどのことにしか過ぎないのだ。今は運悪く、Sランク冒険者たちも席を外し王都におるし、、、、、。はぁ、頭を悩ますばなりだな。
ソラ取り敢えず今日はもう帰ってじっくり休め、もしかしたら其方がこの街の最終防衛ラインとなるかも知れぬのだからな。」
「は、はい。取り敢えず今日はもう帰って休みます。明日以降何かあれば、全力を尽くします。俺も街が滅ぼされていく姿を見たいだなんて、ちっとも思いませんからね。」
そう言って俺はギルド長室を出て、銀の帽子亭へと帰っていった。
ちなみに、リリアにはとてつもなく心配された。
錫貨=10円
銅貨=100円
大銅貨=1000円
銀貨=1万円
金貨=10万円
大金貨=100万円
白金貨=1000万円
王金貨=1億円