第十四話「スターリングウォード避難民」 レイス視点
こんばんは!本日一話目です!
ソラに叱咤激励されたあと、私は我に返りソラの言う通り私の出来ることをしようと思った。
「よし!私はこの街の冒険者協会、ギルド長だ。私に出来ることをしよう。」
そう言って私は自分の頬を"バチン!!"と叩いた。自身を叩き、鼓舞した。
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私は自身を鼓舞したあと、冒険者協会に一度むかい、ギルド職員に各地で集合している冒険者、傭兵、騎士団を西門に集結させるように指示をした。
しばらくして、私は皆んなが集まる西門の城壁の上へと来ていた。
様子を見ると、まだ全員が集まるには時間がかかるようだ。それに、冒険者、傭兵、騎士団だけでなく異変に気づいたのか民間人も集まりつつあった。
そんな中、魔の森の方から爆発音がしてきた。何とソラはあの黒龍相手にまともに戦っていたのだ。しかもよく見ると黒龍を押さえつけているではないか。本当に凄まじいやつだな。
「ソラは私たちのために命を削って戦ってくれているんだ。よし、私も早く自分に出来ることをしよう。」
そう言って私は城壁の下にいる人々を見据える。
「ちゅぅーーーもぉーーーく!!!!!」
私がそう叫ぶと、ほぼ全員が私の方を見た。それだけでなく、民間人も出てきた。
「皆さん!!落ち着いて聞いてください!!冒険者、傭兵、騎士団の皆さんはもう知っていると思いますが、実はいま魔物大暴走が起きていて、この街は緊急事態にあります!!だから皆さんには今から避難してもらいます!!不安でしょう。でも、大丈夫です!!避難にはここにいる冒険者、傭兵、騎士団が護衛として付きます!!魔物大暴走の方についても安心してください!!私が一番信頼する最強の冒険者が戦っています!!でも、被害がどのくらい出るのかは正直のところ分かりません!!だからどうか避難に協力して下さい!!」
さらに私がそう叫ぶと城壁の下がザワザワとし始めた。やはり、神話級のことについては言わなくて正解だったな。そこで私は冒険者協会の職員たちに声をかけ、出来るだけ早く避難誘導する様に指示をした。いずれここも危険範囲にはいるかもしれないからな。
「ではソラ、私たちは少し早くいくぞ。絶対に戻ってこい。」
そう言って戦っているソラから身を離し、私も避難誘導などをするために城壁から降りた。
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「もうこの家には誰もいませんかー?」
「慌てないで下さーい。こっちでーす。」
冒険者職員たちが、避難要請、避難誘導をしている。
私たちはいま、とりあえず王都の方向へと向かうため北門へと向かっていた。
「よし!それでは北門を開門しろ!!冒険者、傭兵、騎士団は民間人を囲むように護衛しろ!!」
ついに開門し、王都の方向へと進み始める。それにしても大都市なだけあって人数が多いな。統率が取り切れるか心配なところだな。安全を取るなら三部くらいに分けるのが良さそうだな。そう私が考えていると私に声がかかった。
「レイスギルド長、お疲れ様です。あの、人数が多いので分けた方がいいと思うのですが。」
「おぉローズ副団長か。うむ、私もそう思っていたところだ。ちょうど三部くらいに分けるのがいいのではないかと考えていた。なのだが、それぞれの統率者が問題でな。一人を私としたら、もう一人はローズ副団長として、最後の一人はゲルド団長にやってもらいたのだよ。だがそうすると騎士団から代表者を二人だしてもらうことになるのだよ。でも正直傭兵と冒険者から代表を出すのは無理だと思うんだ。それでもいいか?」
「はい、勿論です。というか私もそう考えていました。それではすぐにゲルド団長に伝えてきます。、、、あ、そういえば戦っている最強の冒険者って誰のことなんです?魔物大暴走を一人で抑えているくらいですからかなり強いんだとは思いますが、、、。」
まぁ彼女には言ってもいいか。それにゲルド団長の耳にも入れておいた方がいいしな。
「ちょっと来てくれ。話すことがある。これは確実にゲルド団長の耳にいれてくれ。あ、でもそれ以外に情報は絶対に漏らさないでくれ。」
そう言って私とローズ副団長は避難している隊列から離れた。
「ローズ副団長、実は今起こっているのは単なる魔物大暴走どころの騒ぎではないのだよ。実は先日、Sランク魔物のネクロマンサーを単騎撃破してきた者がいてな。其奴がネクロマンサーが深層から追い出されたと言っていた、と言ったんだ。それで今、魔物大暴走のあとボスというか魔物大暴走の原因として、EXランク神話級の黒龍が出てきているのだ。」
「そ、それは本当なのですか?そ、それならこの国どころではなく、周辺国含め半壊もしくは全壊する事態ですよ。それに神話級に冒険者一人で勝てるわけが、、、あ、だからとりあえず避難させているのですね。その冒険者が時間稼ぎを、、、感謝しなければなりませんね。」
ローズ副団長が顔を俯かせた。だがまぁ今のを聞いたら普通はそうなるだろう。だが戦っているのはソラだ。そうなことにはならない。
「それは違うぞローズ副団長。今黒龍と戦っているのはネクロマンサーを単騎撃破したものだぞ。簡単にくたばるわけがない。それにソラ、奴は私に言った。勝算があるから戦う、その上で私たちを守ると。ちなみにローズ副団長も一度会っているぞ。」
そう私がいうとローズ副団長は首を傾げて考えだした。
「誰だろうか?最近ですか?」
「うむ、つい最近だ。ほら、男のことを殴って城壁に叩き込んだことがあっただろ。あの時、殴った側というか爆発を起こした奴だよ。」
するとローズ副団長は納得したあと、驚愕するような表情を浮かべた。
「えぇ!?あの男ですか!?でも確かあの時まだ冒険者になってないって言ってませんでしたか?」
「うむ、確かにそう言ったな。だがな、ローズ副団長、アイツは正直別格だ。とりあえず私の知る限りでは一番強い。それこそ伝説のLクラスにな。
まぁそういうことだ。とりあえず安心しろ。早くアイツのためにも避難してやるのが私らの役目ということだ。さぁゲルド団長の元に急いで行ってくれ。あ、でも情報漏洩はくれぐれもしないように頼むぞ。」
私がそういうとローズ副団長は「はい。」と一言だけ言い残しゲルド団長の元へと向かって行った。
しばらくして、勝手にグループが三分化されてきた。
「分かれてきたか。ゲルド団長とローズ副団長がそれぞれ分けてくれたようだな。」
よし、これで統率も取れて移動しやすいだろう。
私たちがそうやって移動している時でも、背後からは"ドーーーーン"だとかいう激しい戦闘音が聞こえている。それを聞いて不安にはなるが、その激しい爆発音はまだソラが生きて戦っているということを意味する。よしソラのためにも早く避難するとしよう。
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避難してからしばらく経って、もうすでにスターリングウォードが見えなくなり始めた頃、前方の方が煙立っているのが見えた。
「何だ?何が来ているんだ?魔物の大群か!?いやでもこんな街の近く、しかも王都に続く人が作った道に魔物の大群何かでるか!?まぁだが正体が分かるまでは警戒態勢を取った方がいいな。、、、、、警戒態勢ーーーーー!!!!!」
私がそういうと、皆んなその場で立ち止まり武器を構え始めた。
こちらに向かっている何かの正体が分かるまで少し待っていると、何やら人影が見えてきた。
「あれは?、、、なんだ?、、、、え!?ひ、姫!?」
何とこちらに向かって来ていたのは、このハルバート王国の第二王女エミリアだった。彼女は姫将軍と呼び声が高く、臣下からの信頼もかなり厚く王位継承の可能性も高いとされている。
「レイス殿、お久しぶりです。先制避難の誘導お疲れ様です。」
「うむ、こちらこそお久しぶりですエミリア第二王女様。私たちはこのまま王都の方向に向かって避難を続けるつもりです。ここの近くで夜を越すのに良いところはありませんか?」
「そうだなぁ、、、ここから少し王都というか北に向かうとスターリングウォードとの交易街があったはずだ。そこに行くのはどうだろうか?それよりレイス殿、そんなよそよそしいのはよしてくれ。前みたいにエミリアと呼んでくれてよいのだぞ、、、。まぁ今はそれどころではないな。魔物大暴走はどんな状況なのだ?」
「うむ、エミリア王女の耳にも入れておくべきことがあります。少しついて来てくれますかな?ここで話すと混乱を招くので。」
「うむ、分かったついて行こう。王族直属近衛騎士団!!これより魔物大暴走殲滅に向け最終調整を行え!!私が戻り次第すぐに進軍する!!」
エミリア王女がそう言ったあと、エミリア王女が私に「すまない、行こう。」といい私たちは隊列から外れた。
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「レイス殿、それで何故私を呼び出したのだ?魔物大暴走なら私たちもいち早く行くべきだと思うのだが?、、、それにしても随分と避難の護衛に人員を割いたのだな。」
あぁ最もだな。私はただ魔物大暴走の応援としか言ってないからな。それにソラのことも言ってないからな。
「うむ、ここではもう敬語は省かせてもらうぞ。えー実を言うとだな。エミリア王女達が到着する前にもう魔物大暴走自体は終結しているのだよ。それもたった一人によってな。まぁ今も戦っているそいつは私の最も信頼できる冒険者で私の知る限り最も強い冒険者なんだがな。」
「え!?魔物大暴走をたった一人で抑えたと!?なんなのだソイツは。それにレイス殿が最も信頼して、強者だと認める者、、、ハルバート王国七将の誰かか?いやでも七将は今全員王都にいるはず。じゃあ誰だSランク冒険者か?いやでもそれこそあり得ないな。いくらSランク冒険者とはいえ一人での魔物大暴走殲滅は無理だ。もしやLランク冒険者か?伝説の。うーむ、、、早く行って確かめるしかないな。」
「おーいエミリア王女ー?まぁ普通魔物大暴走を一人で殲滅したと聞いたら混乱するだろうが一旦落ち着いてくれぬか?ちゃんと起きてることも戦っている者のことも説明するから。」
そう言って、私はエミリア王女を宥める。
「実はなエミリア王女。今一人で戦っているのはソラという、つい二、三日前に冒険者になったような奴だ。ただ勘違いするなよ。何も捨て駒ではないからな。間違いなくソラは私の知るなかで最も強い。だから私たちは彼に託した。彼もそれを了承し、望んだ。それに今起こっているのは彼にしか託せないようなことなのだ。、、、そうだな端的に言うと今回の魔物大暴走の原因として今出てきているのが神話級の龍なのだ。だから、一番強い彼に託した。」
するとエミリア王女は顔を青くした後、少し怒ったかのような顔をして言った。
「でも、それでも、いくら強くても一人でなんて無理だ!!相手が本当に神話級なのなら、国一つ滅ぶレベルなのだぞ。なおさら私たが早く行かないと!」
「うむ、護衛の人員は十分に足りているから行ってもらって構わないが、エミリア王女と近衛騎士団たちも震え上がると思うぞ。本当に神話級が出たのだからな。」
「そ、そうかもしれないが行かないことにはなにも始まらない。とにかく私たちは今から神話級討伐のためにスターリングウォードに向かう。」
はぁ、行ってもまともに動けないと思うけどなぁ。




