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第十一話「レイスの過去」 レイス視点

こんにちは!本日二話目です!

私は元々Sランク冒険者として活動をしていた。私は現役時代、頼もしい仲間たちと学び、命を預け合いダンジョンを回るなどの日々を過ごしていた。私がダークエルフという種族で人と比べて長寿族であるということもあるが、それでもそんな日々が引退するまでずっと続くと思っていた。

しかし、そのような頼もしい仲間たちと切磋琢磨して奮闘できる日々は、あっという間に、それに突然に終わりを告げた。そしてその原因は、とあるEXランク"神話級"の魔物にある。


私たちは当時Sランク冒険者が集まった、いわゆるSランクパーティーとして注目を集めていた。当時の冒険者協会でも中心、柱としての役割を担っていたと思う。それであるからこそ、私たちは攻略不可能と言われていた超高難易度ダンジョンや魔の森の深層にも挑み、パーティーメンバー全員と力を合わせ、全力を尽くしてSランク魔物を倒したりしていた。

そんな中、私たちに舞い込んできた任務があった。


「ふむ、新しくできたダンジョンの調査か。」


そうそれは新しくできたダンジョンの攻略である。


その依頼に対し、私たちは準備を怠ることなくいつも通りに対策もしてあたった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さぁ皆んな!今日もチャチャっと攻略して宴会するぞ!!」


そういうのは私たちのパーティーのリーダーで"聖剣使い"といわれているアーサーだ。

私たちSランクパーティーは彼が集め、彼を中心に機能している。元々私たちのパーティーが注目されるようになったのも彼のおかげであった。


彼の掛け声で皆もやる気を出し、早速ダンジョンに足を踏み入れていく。 


いつも通りにすぐ浅い層を攻略し、深層に向かうという作戦だったが異変はすぐに現れた。ダンジョンに入り、まず真っ直ぐな一本の通路がずっと奥まで続いているだけなのである。これにはパーティーリーダーのアーサーや私を含め、パーティーメンバー皆んなが違和感を感じた。

そもそもダンジョンとは普通入ってすぐのところに部屋のような空間があるか、短い道がありすぐ魔物のいる空間に出るか、このどちらかなのである。


「どうする?とりあえず警戒をしつつ進んでみようか?」


そうアーサーが声をかける。すると皆んなは頷いてダンジョンの奥へと進んでいく。 


私たちは警戒をしつつ通路を進んだ。

しかし通路には何もなく、ただただ道が存在しているだけであった。

その後もしばらく進んでいると、やっと長く一直線の通路を抜けた。


「さぁ、やっと抜けたぞ!ここはどうやら部屋のようだ。警戒を解かず、敵が現れ次第すぐに狩るぞ!!俺たちなら何が出てもやれる。」


そうアーサーが声をかけ、皆は戦闘態勢を維持しながら普段のダンジョンとは比べ物にならないような大きな空間を進んだ。


(だが、私たちはまだ知る由もなかったのである。今まで称号をほしいままにし、常に魔物に対し"狩る"側であった自分たちが一瞬にして"狩られる"側にまわるということを。)


だだっ広い空間を少しずつ進んでいると、奥で何やら黒いものが蠢いている気がして、私はパーティーメンバーに声をかけ、明かりのために炎魔法を打ち上げた。


"ボォーーーー、、、バーーン"


という音を立て、私の打った炎魔法が上へと上がっていき、天井かと思われるところまでいき爆発した。

全員で周囲を警戒していると、パーティーメンバーの一人が急に怯えるようにしてうずくまった。私やアーサー含めパーティーメンバーが怯える彼女のところに行き、声をかけると、彼女はうずくまったまま弱々しく真っ暗な空間を指差した。


みんなでその方向を見ると、急に黄色い大きな目が見開かれるのを見た。それを見て私含むパーティーメンバーも、うずくまっている彼女同様、恐怖感に襲われた。何なんだあれはとか、怖いだとか思っていると、アーサーが叫んだ。流石は聖剣使いで、Sランクパーティーのリーダーだ。彼は私たちとは違い体が硬直していないようだ。


「皆んな!!立て!!立ち上がれ!!戦え!!死ぬぞ!!」


彼がそう私たちを鼓舞するが、立ち上がれる者はいない。


アーサーが巨大な何かの注意を私たちから自分に向けようとしているが、私たちはただ見ることしか出来なかった。


そしてついに巨大な魔物の正体が明らかとなる。


「クソッ1人でもやるしかねぇ!!」


とアーサーが叫び、アーサーが自身の魔力を自身の愛剣へと込めていく。それにつれて彼の剣は大きな金色のオーラに包まれていった。そうこれこそが私たちのパーティーのリーダーであるアーサーが聖剣使いと呼ばれる所以だ。

少し経ってアーサーが聖剣に魔力を注ぎ終え、全力とも言える攻撃を放った。どうやら魔物はアーサーの攻撃を正面から受けるらしい。


「いっけぇーーーーーー!!!!」


アーサーの攻撃が黒い大きな魔物であるナニかに当たり、私たちはその時勝利を確信した。

が、アーサーが放った攻撃によって激しい光の中から姿を現したのは、想像していた大きな魔物の死体ではなく、激しい雷を纏った巨大な"黒龍"であった。


私はこの黒龍が目の前に現れた瞬間、「私たちはここで死ぬんだな」と思った。

だが目の前で戦っているアーサーは諦めていなかった。

彼は諦めないで戦うどころか私たちをこの場から逃がそうとさえした。


「おい!!お前ら今すぐ出口に走れ!!俺とコイツが戦ったらすぐにこんなとこ崩れちまう!!分かるだろ!!コイツはSランク魔物なんてレベルじゃねぇ!!EXランク、神話級だ!!だからお前ら早く行け!!早く!!!」


そうアーサーは私たちに叫ぶ。すると私たちはあまりにも本気の彼に圧倒されてか、身体の硬直が解けた。そしてすぐさまこのダンジョンの出口へと走った。その走って最中、何やらアーサーから声が聞こえた。


「お前ら!!最後のリーダー命令だ!!どんなに傷ついても、惨めになっても、とにかく生き残れぇ!!!!」


その言葉を背にしつつ、アーサーがこのままでは死ぬということも理解しつつ、私たちはただひたすらに出口へと走った。


その後私は何とか出口へとたどり着いた。がその直後、大爆発が起こり私は吹き飛ばされた。それはとても大きな爆発だったし、皆んなは私の後ろを走っていて、私も振り向かず走っていたから、皆んなも今の大爆発に巻き込まれてアーサー同様死んでしまったかもしれない。私は飛ばされた後、必死にパーティーメンバーを探したが結局見つけることは出来なかった。そしてその瞬間私は、私以外のパーティーメンバーは死んでしまったのだと理解した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あの日以来、私たちのパーティーは事実上の解散となり一時衝撃ニュースとして世界中に広がった。そして1人生き残った私は、一時病んで鬱状態になりかけたが、アーサーの言葉を胸にしばらくの間再び冒険者活動に勤しんでいた。

そうして私が冒険者活動をしていた頃、当時の王都のギルド長に、「君は実績もあるし、今1人なら空席となったスターリングウォードのギルド長をやってみないかい?」と声をかけられた。正直、私も一人での冒険者活動は疲れていたし、限界もあると考えていたので、ありがたくこの話を受けることにした。そして今度は運営側として、しっかり冒険者を導き、死者が出ないようにしようと決めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私がスターリングウォードのギルド長となり、しばらく経ち、周りからの信頼も得られ業務も落ち着いた頃、ソラという少年は現れた。普通冒険者協会にきた新人の名前なんて一人一人は覚えていなかったが、彼の場合何よりファーストインパクトが大きすぎた。


私が冒険者であったということもあって、ランクが高い冒険者は傲慢になりやすく、低ランク冒険者を下に見る傾向があるということは知っていた。それが特に顕著に見られたのが、最近成り上がってきてBランク上位まで上り詰めた"龍の牙"の団長であり、"雷龍"と呼ばれているベルリオンだった。彼は無理矢理低ランク冒険者を従属させるようなことをさせたりしていたのだ。しかし、協会側も直接的な被害届が出されないとこちらも何も対処することができないのだ。そう私たち協会側も頭を悩ませているときに、ソラは台風のように現れたのだ。

彼は冒険者になってもいないのに、エレナによるとなんと2発殴っただけでベルリオンに勝ったらしい。

それだけにとどまらず彼は初任務にて、かつて私たちSランクパーティーでも出来なかった、Sランク魔物単騎撃破をやってのけた。こんな事はたとえ運が良くても有り得ないのだ。なんせSランク魔物はSランク冒険者が数人いても倒せない場合がある。私もSランク冒険者として日々魔物と戦っていたからこそ、よりソラの規格外さを理解していた。


そう、私はソラの規格外さを理解していたはずだった。だがソラは私の想像の遥か先をいっていた。ソラが私にステータスを教えてくれた時はもう気を失いさえするかと思った。ネクロマンサーを単騎撃破するくらいであるから、ステータスは軒並み化け物であろうと思ってはいた。なのだがソラのステータスは化け物というには温過ぎるほどだった。


(魔力はネクロマンサーを倒すくらいだから、かなり高いとは思っていたが何なのだ無限とは?彼が魔力を使った威圧とかをしたら一体どうなってしまうんだ?それに知力が測定不能?だと。は!?魔力が無限で、知力も底が知れないときたら、もう一言でいうと"無双"状態じゃないか!?)


本当に化け物だな。まだ、攻撃・防御・体力のいわゆる基礎ステータスは人の域であったことに安心したが、人の域にとどまっているとはいえ全く鍛えていない状態で一般兵の2.5倍くらいのステータスだ。全くどうなっているんだか?


そんなこんなで私もかなり驚き混乱していたが、それと同時に私は彼のことを希望だとも思っていた。もしかしたら彼がやってくれるのでは、、、と。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなときに、魔物大暴走(スタンピード)が起こった。ソラがネクロマンサーを倒してくれなかったら、気づかずにいただろう。それにしても今回の場合はかなりやばい。普通の魔の森において、ボスキャラであろうネクロマンサーが深層から追い出されたのである。つまりネクロマンサーよりも強い何かが魔の森に現れたということになる。

私は今回の魔物大暴走(スタンピード)においてのボスキャラばかり気にしているが、その前に街に迫ってくる、大量の魔物たちもかなりの脅威である。王都とかからの救援もまだきておらず、戦力が固まっていないいま簡単に滅ぼされるだろう。

だが結果的にこのような心配は杞憂に終わった。なんとソラが急に一人で飛び出して行ったと思ったら、大爆発を起こし、魔物たちを宙へと舞わせ、竜巻を起こし、最後にまた大爆発を起こし魔物たちを殲滅したのだ。

本当に何なのだあいつは。規格外にも程がある。それに頭もかなりキレるようだ。


ソラなら神話級にすら、いつか手が届くかもしれないと私は希望を抱いた。

しかし私は目にしてしまう。この世で一番見たくないものを。あの日私たちの仲間を全滅させたアイツを、あの黒龍を。ソラが私に必死に声をかけてくれているが私はアイツへの恐怖心を抑えられない。なぁ私はどうすればよい?アーサーよ教えてくれ。

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