第十話「ついに来た!スタンピード!!」
こんにちは!本日一話目です!!
「魔物大暴走ねぇ。異世界ものの小説でもよくあるけど、今の俺はいわゆる大規模殲滅魔法が使えないんだよなぁ。」
俺は銀の帽子亭の自室に戻り、ベッドの上で一人ぼやいていた。
「まぁ今日はもう寝よう。明日以降に備えて。」
そう言って、今日という激闘の一日は幕を閉じた。
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"ドンッ、ドンッ、ドタバタ、急げあっちだ!!"
というような音や声が外から聞こえてきた。それを聞いて俺は飛び起きた。
「何だ!もしかしてもう魔物たちが街に迫ってきてるのか!?」
何にも分からないまま、取り敢えず俺は窓を開けて外の様子を見る。まだ日が出始めているような時間帯のようだ。
「何だ何だ。騎士団がもう動いてんじゃねぇか!それに、騎士団以外にも武装した奴らがめちゃくちゃ集まってるな。格好的に、あれが傭兵やら冒険者やらか。まぁいい、俺も行かなくちゃ。」
そう言って俺は部屋の窓から飛び出て、熱強化をレベル5で掛け、建物の屋根を飛ぶようにして駆け、急いで昨日と同じく西門へと急いだ。
その後すぐに、西門へとたどり着いた。そこにはもうすでに、騎士団やら冒険者やら傭兵やらが大勢集結しており、部隊編成や、どの部隊をどこに割り振るかなどの作戦会議が行われていた。
俺はそれを見つつ、その中でレイスさんを探した。
するとしばらくして俺は、レイスさんはが高い城壁の上に武装しているのを見つけた。
「いつもと違うから、気づかなかったわ。まぁいい俺も取り敢えずレイスさんのところに行こう。」
そう言って俺は今度は熱強化をレベル8で掛け、城壁の上へとジャンプする。
「ふぅ、ひとまず城壁の上にはたどり着けたな。レイスさんのところに急ごう。」
何とかジャンプで城壁の上に登ることができたので、今度は急いでレイスさんの元へと向かう。
「レイスさん、おはよう御座います。外が騒がしかったので飛び起きてきましたよ。まぁそんなことはどうでもいいや。それより今はどんな状況ですか?」
「あぁ、ソラおはよう。うむ、やはり私が昨日ソラに言った通りすでに森の中で魔物大暴走は始まっていたようだ。それに、もうすぐ魔物たちが恐らくだが、森から出てくる頃合いだろう。」
「そうですか、、、。それでこちらの戦力はどのくらいなんですか?」
そういうとレイスさんは唸って、また深刻そうな顔をした。
「うむ、今は取り敢えずこのスターリングウォードで集められるだけの戦力をかき集めている段階だ。王都含め、戦力の派遣の要請はもう昨日の時点で出したが、正直間に合う可能性はかなり低い。それにいくらスターリングウォードで戦力をかき集めるといっても、魔物大暴走を乗り切るための戦力には全然届かないし、そもそも部隊編成とか割り振り、作戦会議が終わっていない今、とても戦えるような状況ではない。」
とレイスさんが言った瞬間、森全体がまるで協調するかのようにして、"ザワッ"と揺れたように見えた。
「レイスさん、今森全体が揺れたように見えませんでしたか?」
とレイスさんの方を見ると、先程よりもかなり深刻そうな表情をしていた。
「あ、あぁ。ソラくるぞ魔物大暴走が!」
「で、でもまだ部隊編成とかって全然なんじゃ、、、。」
「あぁだがもう魔物たちがこちらにすごい速さでこちらに迫ってきているのだ。戦うほかない。」
仕方ない、でも今はまだ戦力が集まりきっていないし、はぁ仕方ない俺がやるか。というか俺がやるしかないのか。
「レイスさん。」
「どうした。何かまた変化でもあったか。」
「いえ、そうじゃないです。レイスさん、確証はないし保証も仕切れないですけど、第一波は俺が何とかしてみます。」
「ダメだ!!ソラ。今の最大戦力は恐らくお前だ。今お前がいなくなったら、本当に勝てなくなるぞ!」
「いや、でも今すぐに戦場に出れるのは俺、レイスさん、もしくは集まっている人たち個人個人です。つまり統率された戦はできないんですよ。それはレイスさんも重々承知のはず。なら、俺が行くのがベストです!!レイスさんたちは第二波以降の魔物大暴走に集中してください。それが最適解です!!」
「わ、分かった。だが約束してくれ、ソラよ。間違っても下手に死ぬなよ。この街のためにも、お前のためにも、私のためにも。そして何より、しっかりハッピーエンドを迎えるためにな。」
「はい!!行ってきます。」
そう言って俺は、熱強化をMAXレベル10で掛け、さらにレイスさんにもらったチート魔道具"灼熱の魔眼"をつけ城壁から飛び出す。
なので実質今の俺は熱強化がレベル100でかかっているのと同じということになる。そしてさらにステータスはというと大体一般兵の200倍くらいとなっている。
「さて、まずは景気づけに一発ぶちかますか!!超新星爆発ーーーー!!!」
俺は拳に最大出力で熱を集中させ、魔物たちがうじゃうじゃと集まっている地面に向かって超新星爆発を振り落とす。
俺が超新星爆発を打ち落としたあと、地面には大きなクレーターができていた。が、その一発だけで終わるわけもなく、その後も次々と魔物が街に迫って行っていた。
「クソ、今の時点での最高火力で打ち込んだのにな。これじゃキリがねぇ、第一派を凌ぐだけでもだいぶキツいぞ。」
そう言って俺は地面に落ちていく。
俺は地面に降り立った後も、超新星爆発で魔物を蹴散らしつつ、新魔法を考案すべく物思いにふけていた。
(さて、どうするか。今必要なのはネクロマンサーのような単体最強を倒すほどの威力がある魔法じゃない。今必要なのは、最低限魔物を倒す火力を有しつつ大量殲滅が可能な魔法だ、、、。それならば、いわば超新星爆発みたいにザ・拳のような魔法ではなく、全てを押さえつける重力のような魔法だ。)
「熱で気流と気圧を操るにしても、魔物たちを押さえつけるだけの強さがあるか?」
手っ取り早く重力を操れればいいのだが、そんなことは熱という要素だけでは出来ないので今回は熱変化による気流と気圧のメカニズムや、風の力を使う魔法をつくる。
「さぁまずお前ら、取り敢えず飛んでもらうぞ。」
俺は魔物たちにそう言って精神を落ち着かせた後、熱を操作し始める。
「おら、飛べ!!"気流操作」
そう言って俺は超強力な上昇気流を起こした。それによって魔物たちは宙を舞った。
「よし、上手く飛んだな。そんじゃ次!!」
そう言って今度は気流によってできた風を操作して、今度は集めるようにする。つまり竜巻を起こすのだ。
"ヒューヒュー、ゴーゴー"
といった具合に大きな風の音が鳴り響いてきた。
「大分集まってきたな。よし、そんじゃ最終ステップだ!!あの竜巻に最大出力で超新星爆発をもう一度ぶち込む!!」
そう言って俺は自ら操作して作った竜巻に飛び込み、上空へと向かう。
「今度こそ終わりだ、、、。行くぜ!!超新星爆発ーーーーー!!!!!」
"キィーーーーーーーーーーン、ドゴーーーーーーーーン"
というか音がそこら中に響き渡った。超新星爆発による大爆発によって竜巻は崩壊して、またそこにいた魔物たちは一匹残らず殲滅された。
「ふぅ、ふぅ、ふぅ。だ、第一波やったか。」
そう言って俺は呼吸を整えつつ、レイスさんの待つ城壁の上へと戻っていった。
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「レイスさん、何とか第一波やりましたよ!」
俺は城壁の上のレイスさんの元に戻っていた。
「あぁ。ソラ、其方は本当にどこまで規格外なんだ?でも其方がやってくれたおかげで何とか体制を整えることができた。本当に感謝する。
ところでソラよ。其方は今第一波どころかほとんどの魔物を蹴散らしたのだぞ。」
え、あれでほぼ終わりだったのか?
そう考えていると、急に背筋が凍るような感覚に陥った。そうそれはネクロマンサーの時のに似ているが、それよりも遥かに威圧感があり、遥かに濃く、遥かに大きかった。
少しの間話せなくなるほどに。
「レ、レイスさん!!大丈夫ですか!!」
俺が少し話せるようになり、まず真っ先に俺の隣で真っ青になっているレイスさんに声をかける。が依然、レイスさんは真っ青になり何かに怯えるばかりである。そうそれは何か嫌な記憶が蘇る時のように、、、。
「クソッ、ダメか。一体レイスさんは何に怯えているんだ!!てかこの悪寒の正体は何だ!!」
そう俺が叫ぶと、隣にいたレイスさんが弱々しく俺の背後を指さした。
俺はすぐに振り返り、レイスさんの指差す方を見る。
「何なんだあれは?」
俺の視線の先には、魔の森のかなり深層で思われるような場所で"黒い大きな何か"が蠢いているのが見えた。
「クソッ、アレが今回のボスキャラか!!」
そう言って俺は魔の森の中で蠢いているナニかを見据えた。




