魔王と勇者で人生はじめての合コンに行く(1)
「やぁ待った!?」
そう言いながらあらわれたのは勇者の孫のゆうくんだった。
いかにも勇者という感じの派手な衣装であらわれた。
「いや、俺も今きたところ。」
「それにしても、まー君もう少しおしゃれしてきたら?全身黒で統一って今時なかなかいないよ。」
「そんなことを言われても魔王は黒が基本色になってるから、これを気に入ってくれる人じゃないと…。」
魔王の正装は黒で統一というのが決まっていた。
今でこそ魔王と言えば魔物の国の王様のような扱いになっているが、初代魔王と言えば、尊敬と畏怖の念を集める世界最強の一人だった。
「まぁいいや!今日はそんな奥手のまー君でも大丈夫なように肉食系女子を紹介してくれるように頼んでおいたから、今日はとことん楽しもうぜ!」
「うん!」
今日はゆーくんの誘いで人生初めての合コンに来ていた。
ここから始まる僕の婚活生活に胸を躍らせていた。いったいどんな楽しい出会いがあるのだろう。
「ごめん。お待たせしました。」
「よろしくお願いしま~す。」
僕たちが先に店に入って待っていると、入ってきたのは胸の大きい二人だった。
ドキドキ高まる胸の鼓動。
顔は…。
オークだった。
いや、顔の例えとかじゃなくてガチなオーク族♀二匹だった。
「私、オーク族のオクミって言います。趣味は夜のあ…れ…♥私のすごくいいって評判なんです。よろしくお願いします。」
「ちょっと、もうオクミったら、まだ早いわよ。私も同じくオーク族のオクコって言います。やっぱりアレは名前の通り奥の方が好きです。よろしくお願いします。」
魔物2匹が現れた。勇者→戦う 魔王→怯えている。
いや、肉食系女子っていうか、オーク族ってたまに食用にされてたりするような肉食用女子じゃないかよ。
「あれ~二人ともノリ悪くない?二人とも自己紹介してよ〜。」
オクミは可愛く大きく目をひらき上目使いで二人に自己紹介を依頼してきた。
勇者→背中に悪寒が走った。
魔王→怯えている。
「初めまして、ゆっ勇者の孫のゆうと言います。よろしくお願いします。」
「まっ魔王の孫のまもるです。おなじくよろしくお願いします。」
「うそっまーくん面白い。なんでおなじくよろしくなの。うけるねwwwまもるくんはやっぱり名前の通り女の子はまもってくれるんでしょ?」
魔王→石化
「いやーごめんね。コイツ人見知りだから。ちょっと二人でトイレ行ってくるわ。」
僕たち二人はトイレ逃げ出した。
「ねぇゆーくん。肉食系っていうか食用豚2匹がきたんだけど、合コンって豚の品評会なの?」
「いや、まーくんキャラがいつもと違くなってるよ。俺も初めてだからよくわからないけど、ちょっと今回の計画をした主催者に念話で聞いてみる。」
そういうと勇者は念話をはじめた。
(オイッ!合コン企画者!肉食系女子って言ったけど、食用豚のオーク2匹が来たぞ!)
(これは、これは勇者様。本日はお日柄も良く、さぞかし楽しい合コン日和でしょう。)
(いや、あいさつとかいいから、なんでオーク族なんだよ)
(はい、勇者様から今回ご依頼ありましたのが肉食系女子ということで、食べられてもよし、食べてもよしの特別なお肉を紹介させて頂きました。なお、お会いになってからの変更はできませんのでよろしくお願いします。)
(いや、この後どうすればいいんだよ)
(それは楽しいムフフな夜を過ごされればいいのかと思います。お二人とも巨乳ですからフフフ。それでは失礼します。)
(オイ!オイ!)
「あの野郎、念話きりやがった。」
「それでどうすればいいって?」
「とりあえず楽しめって。仕方がないから適当に飲んで早めに解散しよう。」
「そうだね。」
僕たちは口数少なくオークの待つボス部屋へと戻るのだった。




