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Skill Adventure Games  作者: 冷星 夜姫
第一章~始まりの街[プレーン]~
9/9

7話 西エリア第一ボス


 次の日。

 俺は西エリアボスに挑戦する為に、街でクエストを探し歩いていた。


 「うーん、なかなか見つからないなぁ。そもそも、どういうクエストなんだ?」


 西エリアボスなんだから、西エリアに関するクエストだと思うんだが。

 西エリアの特徴って言ったら、あのモンスターの数だよな。

 モンスターを一定数以上倒せ、とか?

 にしたって、どこでクエストを受ければいいんだか。

 肩を落としながら歩いていると、いつの間にか冒険者ギルドの前に来ていた。

 そう言えば、と思い出す。


 「冒険者ギルドって、換金以外にもクエストの確認が出来るんだっけ。俺が受けられるクエストに何か増えてないかな」


 俺は殆ど期待せずにギルドに入り、受付でクエストの確認を頼む。

 少し待っていると、さっきの受付のお兄さんが紙を持って戻って来た。


 「はい、これが貴方のクエスト一覧です。どうぞ、ご覧ください」

 「ありがとうございます」


 この紙は返さなければいけないらしいので、その場で急いで読む。

 すると、一番下に探していたものがあった。


 ボスクエスト<西の草原>


 思わず目を見開いてしまった。

 受付のお兄さんが驚いているが、それどころでは無い。

 探していたクエストがこんな簡単に見つかったのだ。

 こんな簡単に見つかるんだったら、早く来れば良かった………。


 「メニューでクエストを確認出来れば、こんな事も起こらなかったのに………」

 「ありますよ?メニューでクエストを確認出来る様にする方法」

 「え?マジで?」


 この受付のお兄さんが衝撃の告白!

 え?ほんとの本当にできんの?


 「ギルドで配布されている、この水晶を使えば、メニューにクエストの欄が追加されますよ」

 「早く下さい今すぐに!」

 「は、はい。ではこちらをどうぞ」


 これを使えばいいのか。


 「ありがとな、お兄さん!じゃあな」

 「またのお越しをお待ちしております」


 俺は噴水広場まで行き、昨日と同じ様にベンチに座った。

 例のアイテムを取り出して使ってみる。

 アイテムが砕けたので、メニューを確認してみると、一番下に確かに追加されていた。


 「ふぅー、これで安心だな。クエストは一体どんな内容なんだ?」


〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆

ボスクエスト<西の草原>

詳細:西のエリアボスを倒す為には、扉を開け   なければならない。その扉を開けるには[西の草原]にいるモンスターを100匹倒さなければならな

い。[カウント 99/100]


〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆


 俺は思わず顎を外しそうになった。


 「な、あ、後一匹倒すだけでよかったのか。俺の苦労は一体………」


 しかし、ずっと落ち込んでいる訳にもいかない。


 「よし!行くか!」


 俺は立ち上がり、西エリアに向かって歩き出した。

 数分で門に着く。

 門から街の外に出ると、そこかしこでプレイヤーが戦っていた。

 その間を縫う様に歩いて行く。

 そうやって進んでいくと、プレイヤー達から大分離れたところまで来れた。


 「じゃあ、俺もやるとするかな」


 俺は緋炎の紅爪を装備してから、更に奥に進んで、モンスターを探しながら歩く。

 けれど、以前の様にモンスターが現れなかった。

 恐らく、門のところのプレイヤーのところに、西エリアのモンスターが殆どつぎ込まれているのだろう。

 それでも、進んでいくと、なんとか1匹見つける事が出来た。

 しかし、そのモンスター、何か様子がおかしい。


 「鑑定してみるか」


 そうして鑑定したのがコレ。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【バーサークボア】Lv1

詳細:獣系モンスター。怒り狂って周囲を破壊しまくる。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 と、この様に、第一エリアのモンスターとしてはかなりの強さを誇るモンスターだが……。


 「邪魔」


 俺は一気に近づき、首を下から切り飛ばした。

 そして、そのままボスの扉の前のセーフティーエリアまで走る。

 走りに走って、なんとかセーフティエリアに着く。


 「ふぅ。なんとかダメージを負わずにここまで来れたな。ステータスの確認は……別にいっか。どうせ変わって無いだろうし」


 俺は息を整えると、直ぐにボスの扉の前に行く。

 俺は深呼吸をしてから扉に触れた。


 『プレイヤー【キョウ】の西エリア第一ボス【キラークラッシャー】への挑戦を確認。条件の達成を確認。挑戦が受理されました。ボスの扉が開かれます。扉の中へお進み下さい』

 「よし……。行くぞ!!」


 俺は気合いを入れて扉の中へと一歩踏み込んだ。


 『ボスエリアへの転送を開始します。………

…………………成功しました』




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あれ?ここは……、草原か。

 やはりボス戦も草原なのか。

 武器を構え気を引き締める。

 目の前に半径10m程の魔法陣が現れる。

 赤く輝くそれは突然、大きな光を周囲に撒き散らした。

 光が収まり、目を開くと、魔法陣があった場所に大きなモンスターが現れていた。

 モンスターを睨み、観察する。

 モンスターは大まかに言えば、牛だ。

 バカデカイ牛がそこに居る。

 赤い体毛を震わせ、その異常な大きさの角をこちらに向けている………って、やば!!


 「おわぁ!?くそ、なにしやがんだこのでかいだけの牛野郎がぁぁぁぁぁ!!!」

 「ブモォ!?!!」


 牛の突進を何とか避けた俺は、直ぐ様牛に全力で駆け寄る。

 キラークラッシャーもこれには驚いたのか、身体を一瞬硬直させた。

 俺はその隙を見逃さずに、上にジャンプしながら牛の身体を切り裂く。

 そして、最後に蹴り飛ばしてその反動で着地した。

 俺のステータスも俺の武器も、両方が本来あり得ない程のスペックなんだ。

 いくらボスと言えど、効かない訳が無い。

 その証拠に、蹴りで吹き飛ばされたキラークラッシャーは、身体の横から凄い量のダメージエフェクトを出している。

 しかし、順調だったのはここまでだった。

 このゲームはNPCだけではなく、ボスモンスターも高性能AIを搭載しているのだ。

 俺の攻撃で痛手を負ったキラークラッシャーは、最初の一撃でここまでダメージを喰らった事にプライドを傷つけられたのか、瞳を赤く光らせ、顔を憤怒に染めている。

 そして、俺でも認識するのがやっとの速さで突進してきた。

 俺は避けきれずに、左腕に喰らう。

 それだけで50mは吹き飛ばされ、HPが2割減る。


 「なっ!?くっ…………!」


 空中でなんとか体勢を整えて着地する。

 視線をキラークラッシャーに戻すと、奴は既に突進体勢をとっていた。


 (どうする……!!どうすれば……!?」


 この時、ようやく俺は、ボス戦がボス戦である意味を知った。


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