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Skill Adventure Games  作者: 冷星 夜姫
第一章~始まりの街[プレーン]~
7/9

5話 現実での一幕


 目の前が真っ暗になり、一瞬体が浮いた様な感覚がしたあと。

 目を開けると、現実に戻っていた。

 時間は9時になっていた。

 外はもう真っ暗だ。


 「あー、楽しかった。最後がちょっとアレだったが、面白かったな」


 ぐうぅぅぅ。

 腹から大きな音がした。

 そう言えば、晩飯食ってなかったな。

 俺は下に降りて冷蔵庫から適当に食える物を出して食べる。

 俺は実質一人暮らしだから、怒る奴も居ないしな。

 食べ終わったら部屋に戻ってベッドに入り、今日は大人しく寝た。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「暁ー!あーそーぼー!」


 翌日、美那が遊びに来た。


 「こんな朝から何の様だ?」

 「実はお願いがあるんだ」


 美那は俺の事を、真剣な目で見つめてくる。

 はあ、またあれか……。


 「夏休みの宿題教えてください!」

 「はぁー、またか」


 コイツは夏休みになると、毎回こうやって頼んで来るのだ。

 もう俺も諦めるしかないと学習している。


 「はあ、仕方ないな」

 「ありがとう、暁!」

 「本当に助かるぜ!」


 本当にコイツは……ん?ちょっと待て。


 「何でお前がいるんだ?」

 「あれ?何で鴉がいるの?」

 「玄関が開いてたから中に入った」

 「犯罪だ。警察に……」

 「待て!すまん、もうやらないから!」

 「あはは、二人は本当に仲が良いねぇー」


 はあ、仕方ない、許してやるか。

 不法侵入してきたこいつは、逸彼 鴉。

 俺と美那の幼馴染みだ。

 やはり、こいつも毎回俺に教えて貰いに来る。


 「仕方ないな。じゃあ、部屋に来いよ」

 「わーい!」

 「やりぃ!」


 てことで、俺の部屋に来た。

 因みに、俺の部屋は散らかってなんかいない。

 美那が時々家に来て、片付けをしてくれるのだ。

 と、今はそれよりも勉強だな。


 「じゃあ始めるぞ」

 「はい!」

 「お手柔らかに頼む」

 「は?何言ってんだ?」

 「「え?」」

 「俺は今日は用があったんだ。邪魔したんだから、スパルタで行くぞ」


 その後は本当に大変だった。

 俺の宿題はあっという間に終わったが、二人はなかなか終わらなかったのだ。

 まあ、俺の指導のお陰か、何とか終わらせる事が出来た。

 あまりのハードさに息を切らした鴉が言って来た。


 「あ、そう言えば。暁。お前、SAGの掲示板で騒がれてるぞ」

 「?俺が?」

 「ああ、お前、決闘しただろ?あれが騒ぎになってんだよ。強すぎる、あいつは誰だ、ってな」

 「あ、それ私も見たよ。一瞬でよく分かんなかったけど、あれ暁だったんだ」


 まじか……。

 つーか、鴉もSAGやってんだな。

 まあ、やってしまったものは仕方ないか。

 さて、そろそろこいつらを帰そう。


 「んじゃ、お前ら出てけ。俺はやることがあるんだ」

 「えー!」

 「そう言えば、そんな事言ってたな。何をするんだ?」


 何って言われてもな。


 「パソコンで武術について調べるんだよ。武術を覚えれば、SAGの中でも使えるだろうしな」


 俺の言葉に、二人は何故か溜め息を吐く。


 「だから、早く帰れ。俺は忙しいんだ」

 「はいはい、わかったよ。じゃあ今日はありがとな」

 「ありがとね暁。SAGでまた会おうね」


 二人は笑いながらそう言って帰って行った。

 二人を見送った俺は、部屋に戻り武術の基本的な動きについて調べる。

 調べ終わった時には昼になっていたので、カップラーメンを食べた。

 午後は庭に出て調べた事を踏まえて、武術の訓練を始める。

 今日は体術の訓練をした。

 爪はまだ用意してないしな。

 付け焼き刃の体術だが、前よりは動きが鋭くなったように思える。

 次は走り込みだな。

 こっちの体力はSAGには関係無いが、走り方の訓練になる。

 なので、庭を全力で動き回り動きの確認もする。

 訓練をしていると、いつの間にか夜になっていたので、家の中に入り、シャワーを浴びる。

 着替えてリビングに戻ると、そこには温かそうなご飯が並んでいた。

 二人分。


 「て事は、だ。美那、出て来いよ」

 「あー、見つかっちゃった」

 「もう何も言わんからさっさと食おうぜ。動いて腹が減ってるんだ」

 「うん!いただきます!」

 「いただきます」


 美那は飯をちゃんと食わない俺を心配してたまにこうして作りに来てくれるのだ。

 俺はテーブルの上に置かれた、煮魚を食べる。


 「お、これ旨いな。好きな味だ」

 「うふふ、でしょー。結構頑張ったんだよー」


 こうしてこの日の夜は過ぎて行った。


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