3話 初戦闘!その結果……。
俺とミーナはあれからモンスターを探して最初のフィールド、[始まりの草原]を歩いていた。
あれから五分は経ったが、モンスターは一匹も出てこない。
「モンスター出てこないな」
「ねー?何でなんだろう?」
本当に何も変化が無い。
「何で出てこないんだろうね。ん?今何か音が聞こえた様な?キャアッ!?」
「ミーナ!?」
「こっちは大丈夫だよ!キョウ!」
突然現れやがった。
こいつは何なんだ?«鑑定»!
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【ワーム】Lv1
詳細:蟲系モンスター。土の中からの奇襲が得意。
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ワームか。Lvも1だし、初戦に丁度良いな。
「ミーナ!やるぞ!」
「うん!」
最初に俺がワームに攻撃する。
よし!入った!
次はミーナが風魔法で空気の塊の様なものをワームにぶつける。
相当ダメージがあったのか、動きが止まっている。
その隙にワームに近づいて攻撃する。
その一撃でワームはHPが0になったのか、光の粒子になって消えていった。
「意外と簡単だったな」
ミーナがこちらに駆け寄って来る。
「やったね!キョウ!」
「ああ、次もこの調子で行こうぜ!」
そのあとは、五回位戦って街に戻った。
「キョウ、凄かったね!最後なんて一人で一角兎倒してたじゃん」
「ちょっとステータスが高かっただけだって」
俺達は冒険者ギルドでドロップアイテムを換金したあと、雑談をしながら最初に転送された噴水広場まで歩いた。
「じゃあ、ここでお別れだな」
「えーもう?もう少しくらい良いじゃん」
「約束は約束だからな。じゃあな」
俺はミーナから離れていく。
俺がやりたいのはソロだからな!
「あ、そう言えばレベル上がってたな」
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【名前】キョウ
【種族】ホムンクルス
【職業】爪使い
【能力値】Lv2 SP:20
HP 250/250
筋力 20
耐久 16
敏捷 29
運 19
【種族スキル】«改造»
【スキル】«爪術»Lv1«身体強化»Lv1«幸運»Lv1«鑑定»Lv1«敏捷補正(小)»Lv1«体術»Lv1«偽装»Lv1
【称号】『迷い人』『造られた生命』
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「やっぱり上がってるな。確か他のプレイヤーよりも多くSPが貰えるんだよな。SPは普通10p貰える筈だから、倍貰えるのか」
さて、さっさと振り分けるかな。
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【名前】キョウ
【種族】ホムンクルス
【職業】爪使い
【能力値】Lv2 SP:0
HP 320/320(+70up)
筋力 25(+5up)
耐久 20(+4up)
敏捷 32(+3up)
運 20(+1up)
【種族スキル】«改造»
【スキル】«爪術»Lv1«身体強化»Lv1«幸運»Lv1«鑑定»Lv1«敏捷補正(小)»Lv1«体術»Lv1«偽装»Lv1
【称号】『迷い人』『造られた生命』
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うん、やっぱりチートだったな。この種族。
「この後、どうするかなー。またフィールドにでも行くかな。あ、そう言えばアレがあったな」
さっきはミーナがいたから出来なかったが、インベントリに鉄の爪の他に[人間の遺伝子]と言う名前のアイテムが入っていたのだ。
いつの間にか届いていた運営からのメールを読んでみると、レア種族になった人には特典でアイテムが送られると書いてあった。
俺に送られて来たのは«改造»で使うアイテムみたいだったのだ。
ここでは使えないので、宿屋に入り部屋をとる。
部屋に入ると[人間の遺伝子]を取り出す。
[人間の遺伝子]白く仄かに光る拳大の球状のものだった。
「じゃあやってみるか。«改造»!」
すると、[人間の遺伝子]が浮かび上がり胸に溶ける様に消えていった。
「おぉ………」
それと同時に体が造り変えられる様な現実では感じられない不思議な感覚と力が溢れるような感覚に襲われる。
部屋に置いてある鏡を見る限りだと、身体に変化は無いみたいだな。
それに驚きながらもステータスを確認する。
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【名前】キョウ
【種族】ホムンクルス☆1
【職業】爪使い
【能力値】Lv1 SP:0
HP 430/430(+110up)
筋力 46(+11up)
耐久 31(+11up)
敏捷 43(+11up)
運 31(+11up)
【種族スキル】«改造»
【スキル】«爪術»Lv1«身体強化»Lv1«幸運»Lv1«鑑定»Lv1«敏捷補正(小)»Lv1«体術»Lv1«偽装»Lv1
【称号】『迷い人』『造られた生命』『人間』
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「うわっ、これヤバくね?初日からこれって平気なのかな?……まあ、考えても仕方ないか。とりあえず詳細を見てみるか」
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ホムンクルス☆1 レア種族
詳細:人の手で造り出された人ならざる者。生物なら必ず持っている筈の魔力を持っていない。改造すると、SP.50p分が合成素材の特徴と同じ様に分配される。[合成素材=人間の遺伝子]
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やっぱりチートだったな。
SP.50p分ってアホだろ。
運営はよくこんなの作ったな……。
「称号の方も見てみるかな」
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『人間』 ホムンクルスの称号
詳細:ホムンクルスが[人間の遺伝子]を使い改造した時に発現する。HP+10、他能力値+1。
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うん、ホムンクルスは完全にチートなのが分かった。
「さて、じゃあまたモンスターと戦いに行くか!まだ装備は変えなくてもいいしな」
俺はまた北門からフィールドに出た。
やっぱり街の近くには、モンスターは現れずらいらしい。
俺は先に進んでいった。
「お、モンスターか」
目の前には一匹のモンスターがいた。
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【ブラックウルフ】Lv10
詳細:獣系モンスター。黒い毛を持った狼のモンスター。鋭い爪の一撃に注意!
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「新しいモンスターか。Lvも結構高いな。まあ、俺はステータスが異常に高いから大丈夫だろうけど」
それにしても爪を使うのか。
こいつには負けたくないな。
俺が動かずにいると、しびれを切らしたのかブラックウルフが爪を降り下ろしてきた。
俺はそれを横に跳んで避ける。
俺は爪を降り下ろして隙だらけになっているブラックウルフに斬りかかるが、寸前でかわされてしまう。
それでも少しかすっていたのか、傷を負ったエフェクトが出ている。
今度は俺から攻撃するが、後ろに跳びかわそうとしてくる。
なので、俺はもう一度踏み込み、ブラックウルフを爪で切り裂いた。
「ふう、終わったな。やっぱり強かったけど倒せたな。ホムンクルスはやっぱり凄いな」
俺はそのあとは特に戦闘もなく街へと戻った。
ダメージは無くても、精神的に疲れるんだよ。
それに改造に時間とられて、もうすぐ夜になるからな。
あ、そうそう。
言い忘れていたが、このゲーム内の時間は現実とずれていて、こっちでの3日間が現実での12時間らしい。
しかし、ゲームの中でも睡眠はとらなきゃいけないので、宿屋が用意されているのだ。
って訳で今居るのは宿屋の部屋だ。
「はぁー、疲れた。でも、これからが楽しみだな。これから何があるのかなー。あ、そうだ。あんだけLvが上の奴を倒したんだ。レベルも上がってるだろ」
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【名前】キョウ
【種族】ホムンクルス☆1
【職業】爪使い
【能力値】Lv8 SP:120
HP 430/430
筋力 36
耐久 31
敏捷 43
運 31
【種族スキル】«改造»
【スキル】«爪術»Lv2«身体強化»Lv1«幸運»Lv1«鑑定»Lv1«敏捷補正(小)»Lv1«体術»Lv2«偽装»Lv2
【称号】『迷い人』『造られた生命』『人間』
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「うわ、6も上がってるよ。やっぱりブラックウルフって強かったんだな。SPも120あるし、あり得ないよな、普通。爪術と体術のレベルが上がってるけど、これは一日戦ってたからだろ。偽装は………、誰かに鑑定されたのかな?」
まあ、別にいいか。
早くステータス決めよー、っと。
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【名前】キョウ
【種族】ホムンクルス☆1
【職業】爪使い
【能力値】Lv8 SP:0
HP 630/630(+200up)
筋力 56(+20up)
耐久 51(+20up)
敏捷 83(+40up)
運 51(+20up)
【種族スキル】«改造»
【スキル】«爪術»Lv2«身体強化»Lv1«幸運»Lv1«鑑定»Lv1«敏捷補正(小)»Lv1«体術»Lv2«偽装»Lv2
【称号】『迷い人』『造られた生命』『人間』
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「強くなったなー。ふわぁー。あー、なんか眠くなってきた」