三話目
いつになったら異世界に行けるんですかね。
かなり神様と長い話をしている気がするがまだ聞いておきたいことが有る。
それと神様からある程度は自由にしていいという事を教えてもらった。
「俺のあちらでの必要なのは魂有器を出来るだけ魂有素で満たす事ですか」
「邪神は私と同じくらいの魂有素を持っていますからね、あなたが私の魂有素の海を超える量の魂有素を手に入れれば邪神に勝てるでしょう」
「それには一体どれくらいの時間が掛かるんですかね、5年以上時間が掛かるようだったら俺も世界も邪神に負けて滅んじゃいますよ」
「それに関しては分からないですね、生まれた時から私はこの量の魂有素を持っていましたから」
(さすがは神ということか、でもそれじゃあ俺はどうすればいいんだよ)
「ですが、あちらの世界の存在は死んだときに周囲に魂有素を放出します、そして倒された場合はその殆んどが倒した相手に吸収されます、そうして魂有器を魂有素で満たす事で強くなっていくんです」
(成る程、ゲームでいう所の経験値みたいな物か、でもそうなると俺はどんだけ魂有素を手に入れないといけないんだよ)
相手は邪神だ、そうなると膨大な量の魂有素が必要なんじゃないだろうか。
邪神を倒すのに異世界の全部の龍を倒さないとかだと無理過ぎるんだが、そしたら諦めるしか無くね。
「だけどそれだと俺は異世界で一番魂有素を集めなくちゃいけないって事か」
「それについては大丈夫です、魂有素は吸収して自分の物にすることで本来持っていた魂有素を増やす事が出来るんです」
「それなら、そんなに倒さなくてもすぐに強くなれるって事か?」
多分違うだろうなと思いつつも聞いてみる。
「魂有素が増える量は魂有器の大きさにに比例します、なので本来はとても微々たるもので吸収した量を超える事はありません」
「俺の魂有器は膨大なんですよね、それなら俺はそんなに倒さなくていいという事ですよね」
「本来の何倍もの量に増えるでしょうがそれでも全然足りませんよ、純也君の今の魂有素は湖で必要な量は海なんですよ」
「そういえばそうでしたね、やはり相当な量の相手と戦わないといけないか・・・・・・」
出来るだけ大人しく地味にしておきたい俺としてはこれは厳しい。
「でも実際の所あなたはあまりにも他とかけ離れているのでどうなるかよく分からないんですよね」
「つまりどうなるか分からないという事ですか」
「魂有素を吸収する以外にも増やす方法はありますから、経験を積めば自分で生み出せる魂有素も増え続けますから」
「強くなればそれだけ能力も増えやすくなるという事か」
俺はここまで話を聞いてきてどうするか決めていた。
「そういえば、俺は仲間とかと一緒に邪神と戦ったりできないんですか?」
「最低でも邪神を相手にするのであれば神格級の能力を持っていないといけません」
「つまり神格級の力を持った人たちを集めればいいという事ですね」
「それはおそらく無理です」
「・・・・・・なんでですか」
「もう私の世界には神格クラスの存在はいないもしくは封印されているんです、だから仲間にすることはほぼ不可能です」
決断したばかりなのに一人で邪神と戦わなくちゃいけない事を聞かされると不安になる。
「つまり邪神は俺一人で相手にしなくちゃいけないんですね」
俺はため息を吐きながら尋ねる。
「もし冒険者になってパーティーを組んだとしても最終的には一人で戦う事になるんじゃないですかね」
(となると一人で色々と出来るようになっておきたいな)
理想としては物理攻撃も魔法も回復も一人で出来るようにしておきたい出来れば盗賊みたいな特殊技能も手に入れたい。
となるとあれを聞いておいた方が良いだろう。
「俺は異世界に行ったら何か能力とかは貰えないんですか」
「ふむ能力ですか、それについては私の世界でどうやって魔法や技能を手に入れるかを説明しないとですね」
「出来るだけ分かりやすくお願いします」
「はい、私の世界の生物には種族以外に種別という物が有ります、人間の場合はクラスで戦士や魔導士や盗賊といった物ですね、自分がどういった技能や能力を手に入れられるかを表しています」
(ゲームでいう所の職業みたいなやつか)
「これは全ての生物にありまして種族が狼だったら種別は炎狼や風狼といった感じですね、主に属性なんかを表しています」
「じゃあ俺もあちらの世界に行けば何かしらの種別を手に入れるという訳ですか」
「手に入れるというよりはもともと持っていた素質が種別になるといった感じですね」
「それでは今の時点では俺がどんな能力を手に入れるかは分からないという感じですか」
「ですね、まだ種別が無いので能力を与える事が出来ません」
(やっぱり勇者とかがあったりするんだろうか)
出来れば器用貧乏じゃなくて万能な種別が欲しいものだ、しかし今の俺を考慮するとあまり希望が持てない。
(大丈夫かな、これで種別が一般人とかだったら確実に終わる)
もしそうだったら邪神以前に冒険者とかで生活していくのはどう考えても無理だろう。
(今までの俺を考えるとそれが有り得そうで怖いんだよな)
「ですがあなたなら特別な種別になりますよ」
「それって最初から物凄く強いとかですか」
幾分かの期待を込めて聞いてみる。
「うーん、残念ながら最初から強いという物は有りませんね」
(どうやらこれは最初からチートで楽勝とかは無いって事か)
「ですがあなたほどの魂有器を持っていればすぐにでも強くなれますよ」
「そうだといいですね」
(そこら辺はあちらの世界に行かないと分からないんだな)
これは思ったより出たとこ勝負になりそうだ、分の悪い賭けは出来ればしたくないんだけどなぁ。
それでも俺の選択は変わらなさそうだ。
「それで説明の方はこれくらいでいいでしょうか」
「そうですね、もう大丈夫です」
「それでは答えは決まりましたか」
「ここまで聞かされたらもう帰れないですよ」
「それではよろしいんですね、あちらに行ったらもう戻れませんよ」
「それでも俺は行きます」
「分かりました、ありがとうございます」
「・・・・・・俺は今の世界だと俺にしか出来ない事は無いと思います、どこにでもいる大勢の一般でしかないんです」
「それも悪くは無いと思いますが」
「多分普通に幸せを手に入れる事は出来るでしょう、でも俺にしか出来ない事があるならそれは俺にとってとても価値がある事なんです」
「そうですか自分だけの物を手に入れるためにあなたは行くんですね」
「やっぱりダメですかね」
「いいえ、とても人間らしくていいと思いますよ」
「ありがとうございます」
「・・・・・・邪神はとても強靭で恐ろしい相手です、しかもそれを自分一人で倒さなくてはいけないとても厳しく大変な人生になりますよ」
「成るべくは邪神と戦うまでは大人しく地味に生活するつもりです」
「私は邪神を倒していただければ何も言いません(邪神を超える力を手に入れたらとても注目されるとは思いますが折角頑張ろうとしているんですから黙っておきますか)」
「それで俺はこのまますぐにソルエスでしたっけ異世界に行くんですか」
「いえ純也君には修行と勉強をしてもらいます」
「え?修行ですか」
どうやらすぐに異世界には行け無いようだ。
多分もう少し続くかな。




